第14話 ギルド設立

 今日は朝から清水商店に来ている。


 昇級試験に合格しC級ハンターになったので、ギルド設立から清水商店との提携までの進め方を話し合うつもりだ。


 清水商店につくと、ひなたさんと双葉さんの2人が先にきていた。


2人で楽しそうに話している。


 ふと店内を見回すと、店番をしている亜希さんと目が合う。


にこっと笑顔を向けてくる。


笑顔だが、目が笑っていない…。何故だろう。


 亜希さんに2人を紹介する。


「亜希さん、こちらの2人がひなたさんと双葉さんです。俺のギルドに入ってくれる予定なので今日も一緒に話しを聞いてもらおうと思います」


「ひなたさん、双葉さん、初めまして。清水亜希といいます。蓮くんと同じ高校に通ってます。よろしくね」


 亜希さんが話している内容は普通なのに、少し緊張感が漂っている。


 ひなたさんと双葉さんがよろしくーと返事をした。


 最初よそよそしかった3人も少し話すと仲良くなったようで楽しそうに話している。


良かった、変な雰囲気も無くなった。


 このあと、応接室に通され、惣次さんも含めて今後の進め方を確認していく。


 まずはギルドを設立し、清水商店と提携する。


最後に庭のダンジョンを一般開放する。


 前半2つは基本書類での手続きだけなので時間はかからない。


庭のダンジョンの一般開放のための準備が時間がかかる。


 まずはどういった感じで開放するかを詰める必要がある。


それが決まれば開放に向け、役所への届け出などをしていく。


 ダンジョンの横にショップを作るなら、その準備の時間も必要だ。やることは多いな。


 惣次さんと話していくと、ダンジョンの横にショップを置くことは賛成だがスペースが無いため、この家を改装することを提案された。


 あと、この家をついでにギルドのホームにできるように改築することも提案された。


 実家を改装、改築か…。


両親との思い出が詰まった家だが、前に進むために了承した。


 改装、改築資金は半分を清水商店が出資、もう半分はギルドが出すが、今は資金が無いため清水商店からの貸し付けという形となった。


ダンジョン探索と一般開放の運営がうまくいけば、困らず返せるはずだ。


 今後の予定が決まったので、早速ハンター協会にギルド設立の申請しに向かう。


 ひなたさんは予定があったため、双葉さんと2人で向かう。


 受付でギルド設立の旨を伝え、書類を貰う。書類への記入を終え、10万円を払ってギルド設立が完了した。


 ギルドネームは「ライズ」とした。


 どこまでも昇っていくという願いを込めた。


 ギルドもランクがあり、D級からスタートする。


ギルド員の活動実績や規模が大きくなるとランクが上がる。


ギルドの昇級は試験とかではなく基本協会の推薦となる。


 ハンター協会をでて、また清水商店へ戻る。

 提携の契約を行う。


大量の書類にサインをしていく。


 このあとは、実家の改装、改築を行っていく。


この辺の発注などは清水商店の方でやってくれるとのことで非常にありがたい。


 まずはショップを早く開店できるように準備していく。


ショップの設置は亜希さんが担当となって行ってくれるので安心だ。


 俺たちは早速清水商店が手配してくれた建築家の方とギルドホームのデザインなどを決めていった。


 この辺は自信が無いため、女性陣の意見が心強い。


 シンプルで使いやすい空間にしたいことを伝え、何パターンか提案してもらうことにした。


 また庭のダンジョンの下層探索も継続していく。


今後は階層が深くなるため、パーティーで潜ることも出てきそうだ。野営の道具とかもギルドとして購入しないといけない。


 あと、惣次さんから何人か会計や事務処理ができる人を派遣してくれるらしい。有難い。


 ひなたさん、双葉さんも、ギルドの活動頑張るね、と言ってくれている。


 少しずつ信頼できる人を見つけて規模を大きくしていきたい。


 まずは実績作りだな。頑張らないと。


 この日は1人で庭のダンジョンの3階を探索した。


木のモンスターであるトレントを狙って倒して、どれくらい「トレントの木片」が採れるのか検証してみた。


 結果として、3体倒すと1回ドロップするかなといった確率だった。


 木工細工に加工すると、どれくらい付加価値を付けれるのかを惣次さんに相談してみよう。


 俺はそう結論づけるとそこからは無心でトレントを倒していった。


 結局この日の探索ではトレントの木片を5つ手に入れることができた。


 俺は木片を背負い地上へ戻った。


 明日からは3人で本格的に探索することになる。楽しみだ。


 ただレベルアップの為にも、ソロ探索も続けないといけない。

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