第13話 探索 実家ダンジョン 地下6階

 ひなたさんと双葉さんが帰宅したあと、俺はダンジョン探索を再開した。


 今日は地下6階を探索したい。


 そのため低階層は無理にモンスターを追いかけてまでは倒さず、進路上のモンスターのみを倒すようにした。


 かなりスピーディーに地下6階までやってきた。


 この階は沼地と森林があるエリアのようだ。


 進んでいくと左側にある沼にぶくぶくと気泡がでている。


 何かいるな。俺は気配を消しつつ、様子を伺う。


 少ししたら、人型のトカゲのようなモンスターが姿を現した。


 リザードマンだ。


 たしか群れをなすモンスターで仲間を呼ぶこともあるはずだ。


 仲間を呼ばれると面倒なので先手必勝でファイヤーボールを放つ。


 火の玉がリザードマンに直撃し、一撃で倒すことができた。


 ここは足場が悪いので近接戦闘はやりづらいな。


 遠距離攻撃の選択肢が必要だな。


 ファイヤーボールでも、良いけどMPも心許ない。


 俺はリザードマンをなるべく近接戦闘に持ち込めるように、威嚇をして陸地におびき出し戦闘するスタイルに変えた。


 数体倒したところでレベルがあがった。


 スキルと魔法を両方覚えたみたいだ。


 九条 蓮

 レベル : 13

 HP : 55

 MP : 50

 攻撃力 : 38

 防御力 : 37

 素早さ : 26

 魔力 : 25

 運 : 26

 スキル : 【気配察知】【剣術】【気配遮断】【盾術】【身体能力強化】

 魔法 : 【ファイヤーボール】【ヒール】

【ファイヤーソード】【ウインドカッター】

 称号 : 【ダンジョンの管理人】


 身体能力強化 : 身体能力が強化される。上昇幅は本来の能力が高いほど上がる。


 ウインドカッター : 風の刃を放つ。


 どちらも使える能力だな。


 身体能力強化はかなり戦闘力が上がりそうだ。


 ウインドカッターは連距離攻撃だが、どれくらいMPを消費するかだな。


 試してみよう。


 沼に向かってウインドカッターを放つ。


 風の刃が手から放たれ、沼にぶつかる。


 消費MPは2だった。


 遠距離の牽制だったりに使えそうだな。


 ここから戦ったリザードマンに対してはウインドカッターで先制攻撃を仕掛けることにした。


 うまくいけばそのまま倒せるし、倒せなくてもダメージは与えられるため、有利に戦闘を進められた。


 さらに探索を進めると、洞窟にたどり着いた。


 中に多くのモンスターの気配がある。


 どうやらリザードマンの巣のようだ。


 気配を消しつつ、中を進んでいく。


 小部屋が数個あり、中央に大きな空間があるようだ。


 小部屋のリザードマンをまず倒していく。


 倒し切った所で大きな空間の様子を伺う。


 幸い気づかれていないようだ。


 5体ほどのリザードマンがおり、中央に一際大きいリザードマンがいた。


 もしかしてリザードマンキングか。


 通常のリザードマンの倍以上の大きさであり、強靭な筋肉を纏っている。


 せめて、1対1に持ち込まないとな。


 まず、周りのリザードマンを倒したい。


 俺は1度洞窟から外に出る。


 洞窟の壁に向かってウインドカッターを放つ。


 大きな音があり、中からリザードマンが3体出てきた。


 よし、これであと2体。


 俺は出てきた3体をすぐさま倒した。


 少し待ってみたが中からリザードマンが出てくる気配は無い。


 俺は洞窟の中に入っていく。


 大きな空間にリザードマン2体とリザードマンキングがいる。


 俺は遠距離からファイヤーボールをリザードマン目掛けて放つ。


 距離があったため、避けられた。


 避けた拍子にふらついたところにウインドカッターを放つ。


 命中し、1体倒した。


 次の瞬間、それなりの距離があったがリザードマンキングが一気に近づいてきた。


 手に持った剣を叩きつけてくる。


 俺は出し惜しみせずファイヤーソードを唱えて、受け止めた。


 身体能力強化のスキルをとった影響か力負けしない。


 俺は剣で押し返した。


 チャンスとばかりに切りかかってきたリザードマンをカウンターで倒す。


 これで1対1だ。


 リザードマンキングも先程のつばぜり合いで俺が予想以上に食い下がったので慎重になっているようだ。


 俺としては相手が格上という感触もなかったので、攻めていく。


 反撃の時間を与えないように斬撃を繰り返す。


 相手の反応が遅れたところを見逃さず、一撃を入れる。


 体制を崩したところで至近距離からファイヤーボールを放った。


 どうだ、効いたか。


 黒煙があがり、ゆっくりとリザードマンキングが倒れる。


 よし、勝てた。


 ボス級のモンスターにもソロで勝てたのは大きい。


 俺は思わずガッツポーズをした。


 レベルがあがった。


 さすがにボス級のモンスターだったので経験値も多かったようだ。


 九条 蓮

 レベル : 14

 HP : 60

 MP : 55

 攻撃力 : 43

 防御力 : 40

 素早さ : 29

 魔力 : 28

 運 : 28

 スキル : 【気配察知】【剣術】【気配遮断】【盾術】【身体能力強化】

 魔法 : 【ファイヤーボール】【ヒール】

【ファイヤーソード】【ウインドカッター】

 称号 : 【ダンジョンの管理人】


 リザードマンキングから大きな魔石を手に入れた。


 洞窟の中を探索したが、特に何も無かった。

 洞窟から出ると、洞窟の近くに下の階への階段を見つけた。


 地下7階は明日以降探索しよう。


 俺は地上へと戻った。


 家へ戻り、シャワーを浴び、夕食を食べた。


 亜希さんに連絡をいれ、C級ハンターに受かったことを伝える。


 おめでとうの返信がすぐにきた。


 今後の具体的な話し合いをしましょうと提案され、明日清水商店で話すことになった。


 ギルドに入ってくれるひなたさんと双葉さんにも連絡する。


 急な誘いだったが2人ともOKと返事がきた。


 遂にギルドが動き出すのか。


 ハンターになってまだ1ヶ月くらいでここまで物事が動くとは思わなかったな。


 俺は少し感慨深い気持ちになったが、まだ何も出来ていないなと気を引き締め直した。

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