第11話
「という訳で! 師匠! 私と一緒に帰ってきたこの6人は合格ね」
「おう、つーかよく無事だったな。今年の新人は大物揃いだなー」
「「「「無事じゃない!!」」」」
エルメ、セバス、ライズ、シェルが一斉にマスターに向かって吠えた。
「無事な訳がありませんわ! アイラさんが、手当してくれたから回復したものの、先程までリムジンで伸びてましたのよ!」
あの後、このお嬢様が車で来ていたことを思い出して、執事のポケットから鍵を借りて勝手に運転してギルドまで帰ってきた。
「はっはっは! まぁ細かい事はいい! とりあえずお前らは今日から冒険者。一番最初はD級だが仕事を評価されりゃランクアップだ、頑張れよ」
「うす」
「当然ですわ」
「あーそういや、家あるか? ないならうちの寮になるんだが」
「「「お世話になります!」」」
「おーけー、ライズ、ミソラ、ユーゴの若者三人衆なそっちの金持ちーずは自宅からでいいな」
「えっ、えっと、王都にお家があるけど、お世話になっちゃダメですか·····?」
「·····うん? あぁ、いいぞシェル」
「マスター、アーチロイド家の実家ではなくそこのコーポペンギンから通いますわ」
「·····あっそうなの?」
「えぇ!独立したので! それに寮だとセバスと一緒に居られないでしょ!」
セバスの腕をぎゅっとするエルメ。
なんだか彼らの周りにハートが飛んでいるように見えた。
「·····いいねぇ、愛だ」
「けっ、バカップルが」
「とっ、年下なのに、凄いすすんでるんだなぁ·····」
「·····いーなー」
「いいのか? あれ?」
「愛の力はサイキョーなのだよ、ユーゴ。そういや好きな子できた?」
「黙れ、姉ムーブすんなバカイラ」
「バカイラって何!? バカたすアイラなの!?」
「お前が言ってた弟分ってそいつか?アイラ」
「そうだよ師匠! 3年前にケルヒャーであった子!」
「ほほぅ、アイラに助けられて惚れたくちか?」
「·····いや、この人の恋愛対象おかしいんで無理です」
「酷いっ!!!」
「それは同意見だ気が合うな俺達」
·····ぜってー合わねーと思う。
「よし、じゃあ今日は解散! 家帰っていいぞ明日は好きな時間に好きなようにこい。ゆっくり休めよ!」
「寮組は私が案内してあげるー! ついておいで〜!」
こうして俺は、無事に赤星の欠片の一員となった。
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