最終話 これから先もよろしく

俺は今結婚式上の前に来ていた。

隆介の結婚式から一年くらいが経過した。


「楽しみだね!結婚式。」


無邪気に笑う涼葉


「だな。」


正直俺は緊張のほうが勝っていた。

そのため、返事も一言だけになってしまった。


遡ること半年前


俺は涼葉にプロポーズをした。


どこでプロポーズするか悩みに悩んだ。

綺麗な夜景の見える高級レストラン

星空が見える山

他にも素晴らしい場所でプロポーズしようかと悩んだ。

でも、結局俺が選んだ場所は


やっぱり悲願の木の下だった。

俺達が終わった場所であり、再び出会った場所。

俺はここしかないと思いプロポーズをした。

指輪もしっかり用意した。

プロポーズをしたときの涼葉の顔は今でも忘れることはできない。

すごく嬉しそうな顔でいて幸せそうな、そんな顔だった。

答えはもちろんというのはおかしいだろうがOKだった。

そこからはトントン拍子でまず隆介と柚木に報告してそのあとは二人で俺の両親に挨拶をしに言ったりもした。


そんなこんながありつつ今日俺たちはついに結婚する。


「よお!一。」


「おいおい、ノック位しろよ。」


全く。隆介は結婚しても変わらないな。


「すまん、すまん。そんなことよりおめでとうな!」


「ありがとう。」


やっぱりこういうのは結構照れるな。


「俺たちが式を挙げてから一年でお前らも結婚か。お前らも結構早かったな。」


「そうだな。柚木が涼葉にプロポーズのことを言ったせいでもう何も隠すことはできないしな。」


実際涼葉にプロポーズの話をされたから決心はできたからいいんだけどな。


「まあ、よかったじゃねえか。こうして結婚式を上げれるんだから。」


「ああ、そうだな。」


その時今度は扉がノックされた。


「どうぞ~」


「やっほ~一。」


そうして部屋に入ってきたのは柚木だった。


「おう。柚木お前も来たのか。」


「そりゃそうでしょ。せっかくの結婚式だからね。」


「ありがとな。柚木。」


「うん!」


「もう涼葉のところに行ったのか?」


「うん。すごく綺麗だったよ!」


楽しみだなぁ~


「じゃあ、俺たちはそろそろ席に座って待っとくわ。」


「そうだね。じゃあ、またあとでね。」


そう言って二人は部屋を出て行った。


「やばい。緊張してきた。」


そこから数分待った後係の人に呼ばれたので式場に移動した。


「似合ってるよ。涼葉。」


「ありがとう。一君もすっごく似合ってるよ。」


「ありがとう。」


そこから先は緊張しすぎてあまり覚えていないが、覚えている範囲で話をするなら


隆介が俺たちの結婚式でスピーチをしてくれて、

俺がしたときに隆介は泣いていて涙もろいなと思っていたが、いやはや結構涙腺に来るもんだな。と実感したり


誓いのキスはうまくいったが指輪をはめるのに手間取ってしまったりと色々失敗が多かったと終わった今では思う。


「ここにいたんだ。」


「涼葉、着替え終わったのか?」


「うん。というか終わってなかったらここにいないでしょ。」


「確かに。」


そういって俺たちは笑いあう。

式は無事終わり今はもう俺と涼葉しか残っていない。


「じゃあ、帰ろうか。」


「うん。そうだね。」


「でも、私達これでやっと結婚できたんだね。」


「だね。」


「ここまで来るの長かったね。」


「ほんとそうだな。俺に至っては一回死んでるし。」


「一君、二回も私をかばってくれたもんね。」


「これからも何かあったら守るよ。」


「無茶はしないでね。」


「もちろん。」


こんな何気ない会話でも幸せだと感じる。


本当にここまでの道のりは長かった。

転生のようなものをしてから十数年

意識だけあって涼葉に会うこともできなかった。

でも、今となっては結婚もできている。

人生何があるか分かったもんじゃない。


「これからもよろしくな。涼葉。」


「こちらこそ。宜しくね一君!」


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