第34話 すれ違い
あれから数日がたちついに俺の退院のの日がやってきた。
退院の日には隆介に柚木、涼葉のみんなできてくれた。
「一退院おめでとう。」
「おかえり!一」
「おかえりなさい。一君。」
「みんなわざわざ来てくれてありがとう。」
「じゃあ、遊びに行こうぜ!」
今日は土曜日 時刻は午前八時
今からみんなで遊園地に遊びに行くことになっている。
「そうだね!行こう行こう。」
「いこっ!一君。」
「そうだな。行こうか」
こうして俺たちは遊園地に向かって移動する。
やがて遊園地にたどり着きチケットを買うために並んでいると俺と涼葉の目の前には二人の世界を作りつつある
「なあ、涼葉」
「なに?一君。」
「こうも二人の世界を目の前で作られると精神的に来るものがあるな。」
「そうだね。あんなにくっついて歩いてるとね。」
「おい、隆介。イチャイチャするのは構わないが前に進んでくれ。」
少しあきれながら隆介に話しかけると少し顔を赤らめた二人が前に進んでいる。
二人の耳まで真っ赤になっており相当恥ずかしかったことがうかがえる。
チケットを買い終わって遊園地に入場する。
土曜日というだけあって人が多い。
「まずどこから回るんだ?」
「俺はどこでもいいけど柚木はどこか行きたい場所はあるか?」
「う~ん。ジェットコースターとかかな?」
「涼葉もジェットコースターでいいか?」
「うん。私もそれでいいよ。じゃいこっか。」
移動中も俺はずっと考えていた。
このままじゃだめだ。涼葉といるのはすごく楽しい。だが、今に現状に甘んじていたら絶対に誰も幸せになれない。
俺はどうすればいいんだ。今彼女を突き放してしまったら彼女はきっと悲しんでしまう。
せめて彼女の学校での立場が安定して信頼できる人間が増えてから消えよう。
きっとそれが最適解だから。
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明日は一君が退院する日
そしてみんなで遊園地に遊びに行く日でもある。
本当に楽しみ!きっと私は一君のことが好きなんだろう。
なにせ一君には何回も助けられてきた。
それに一君はどんな時でも優しい。彼は私のことをどう思っているんだろうか?
好いてくれてるんだろうか?
そもそも私はいつから一君のことが好きになっていたんだろうか?
最初に屋上で助けてもらったときだろうか?
それとも屋上で自殺しようとしていた私を助けてくれたときだろうか?
もしくは体育館裏で助けてもらったときだろうか?
このまえ太陽君から守ってくれた時だろうか?
いいや、きっとすべて違う。きっかけは私をしっかりとみてくれたからだろう。
いつも私といてくれて私に信頼できる人がいないことをわかっていたから柚木ちゃんと清水君と会わせてくれた。
だから、きっと私は徐々に好きになっていったんだ。
さりげないやさしさやいつも私を助けてくれるところ。
「そうだ!幼馴染の柚木ちゃんに相談しよう!」
私はそう考えるとさっそく柚木ちゃんに電話を掛けた
それから数コール後に柚木ちゃんが電話に出る。
「もしもし~どうしたの?涼葉ちゃん」
「実は、私一君のことが好きになって、でも一君が私のことをどう思ってるのかわからなくて、
相談に乗ってほしいなって思って。」
「なるほど。そういうこと。良いよ。といっても多分だけど一は涼葉ちゃんのこと好きだよ?」
いきなりそんなことを言う柚木ちゃん
「え、あ、どういう事?」
「いや、だって一ってさ長い間一緒にいたけど一って涼葉ちゃんといるときは本当に優しい表情で笑ってるんだよ。絶対涼葉ちゃんのことが好きだと思うよ。」
「そ、そうなのかな?ちなみに告白するならどういうタイミングで告白すればいいと思う?」
「う~ん。あんまり遅くてもよくないからクリスマスとかどうかな?後三か月後くらいだけど。」
「じゃあ、そうしてみるよ!ありがとね!柚木ちゃん相談に乗ってくれて。」
「前々気にしないで!がんばってね。涼葉ちゃん!」
「うん!」
そうして通話は終了した。
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