第26話 王様ゲーム

「なあ、柚木。王様ゲームはやめとこ、な?」




 俺は息をのみながら柚木にそういう。


 俺は昔柚木たちと王様ゲームをしたことがあったのだ。それはそれはとても恐ろしい目にあった。


 その経験をしている隆介ならわかるだろうと思い隆介に目配せをする。




 だが、そんな俺の考えが甘かった…………




「そうだな!王様ゲーム楽しいよな!」




 最近柚木と付き合い始めた隆介は完全に柚木のいうことを肯定している。




  あいつ、、、、




 じゃあ、涼葉はどうだと思い俺は涼葉を見る。




「そうだね。柚木ちゃん!!王様ゲーム楽しそう!!」




 そうだった、柚木の恐ろしさを涼葉は知らないんだった。




「じゃあ、賛成多数で王様ゲームしようか!」




 終わった。俺は乾いた笑みを浮かべながら言う。




「そうだな、みんなでやろうか。」




 こうして、地獄の王様ゲームが始まった。




「「「「王様だ~れだ!」」」」




「私が一番目の王様だ!!」




 そう声を上げたのは柚木だった。


 


 …………終わった。




「じゃあ、1番がここにあるタバスコをのむで!!」




「「「っ」」」




 柚木以外が息をのむ。




「さあ、1番は誰かな?」




「俺ではないぞ?」




 よかった。俺ではなかった。




「私でもないよ?」




 ここで、涼葉が否定する。




 つまり、、、




「ドンマイ。隆介」




「嘘だろ。こんなことって。」




「じゃあ、飲んでね?隆介」




「ああ、わかった。」




 この後一人の男の悲鳴がログハウスをこだました。




「「「「王様だ~れだ!」」」」




「よしっ!今度は俺が王様だな。」




「じゃあ、2番が3番をびんたで」




「私2番」




「俺が三番だな…………」




「そのあと、ログハウスに良いびんたの音が響き渡った。」




 さすがに隆介がかわいそうだった。




「「「「王様だ~れだ!」」」」




 三回目の王様になったのは




「私だね!!」




 涼葉だった。




「じゃあ、1番が王様のことをどう思ってるかいう。」




「俺は違うな。」




 まず隆介が否定する。




「私も違う。」




 続いて柚木も否定する。




「俺だな。」




「じゃあ、涼葉は可愛くて優しくて気遣いができるとてもいい友人だと思ってるよ。」




 俺がそういうと隆介と柚木はとてもニヤニヤしていた。




 涼葉はというと顔を真っ赤にしていた。




「一~いうねぇー」




「いいぞ~はじめんもっと言えー」




「????」




「ち、ちょっとやめてよ柚木ちゃん…………」




 顔を真っ赤にさせながら柚木に言う。




 そのあと、涼葉が部屋に走って戻ってしまい王様ゲームはこれで終了となった。




 柚木も部屋に戻ったため、リビングには俺と隆介が残された。




「やっぱりこういうのは楽しいな。」




「そうだな!やっぱりこういうのは楽しいな。」




 俺の発言に隆介はうなずく。




「こんな日常が続くといいな。一」




「だな。本当に…………」




 そういって二人とも寝室に向かうのだった。


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