第22話 海!!
二人と合流した後に俺たちはショッピングモールを回っていた。
目的はみんなで水着を買ったりキャンプ用品を買うためである。
「なあ、キャンプって具体的に何するんだ?」
そう隆介が聞いてくる。
「も~隆介はそんなことも知らないの?」
「うるせぇ。で、何やるんだよ。」
柚木はにやりとしながら答える。
「そんなの決まってるよ。バーベキューでしょ!!」
満面の笑みでそういう柚木。
「そんだけか?」
「え、そ、そんなことないよね?一?」
「そこで俺に話を振るのかよ!?」
そんなこと言われても俺も今までキャンプなんてしたことないからわかんないぞ!?
「一君。何やるの?」
「涼葉まで…………」
そんな、信じていたのに涼葉。
とりあえずアニメや本で得た知識を適当に並べるしかない。
「みんなでキャンプ場で遊んだり、バーベキューしたり泊まったりするんじゃないのか?あと、川で遊んだりとか?」
「そんな感じなんだね!」
涼葉は初めて知ったようですごく目をキラキラとさせている。
こんな笑顔を見せられたら適当なことを言った罪悪感が湧いてくる。
「まあ、キャンプの前にみんなで海に行くんだけどな。」
「そうだった。水着見に行かねえといけねえ。」
「私もまだ水着見て無い!!」
「そういえば私もまだだった。」
みんなが水着を買っていなかったということでみんなで水着を買いに行くことになった。
水着コーナーでまず早く終わるという理由で俺と隆介の水着から見ることになった。
柚木と涼葉には別で選んでいていいと伝えたが、俺たちの水着選びがしたいといって聞かなかったため俺と隆介は二人が俺たちの水着を選んでくれている。
正直ファッションセンスには自信がないためありがたい。
「一君!こんなのはどうかな?」
そういって月風が持ってきたのは黒を基調としていて青のグラデーションが入った海パンだった。
「これめっちゃいいな。」
「確かに。お前に似合いそうだなこれ。」
「確かに!一っぽい!」
「選んでくれてありがとう月風。俺はこれを買うことにするよ。」
「うん!」
「一の水着が決まったから次は隆介のだね!」
「お、おい柚木?なんでそんなに楽しそうなんだ?」
隆介は少し焦ったように柚木に問い掛けている。
「隆介そんなに焦ってどうしたんだ?」
「そうか、お前はここ最近の柚木を知らないのか、」
どういうことだ?
「お前は知らないと思うけどな、最近柚木は俺のことを着せ替え人形にして遊びやがるんだ。」
???
「買い物に付き合うたびに服屋に連れていかれてそのたびに変な服を着せられるんだ。」
「ちなみにその変な服ってのは?」
「日によってさまざまだ。」
どれだけ酷いのか隆介の顔を見れば少しはわかる。
相当ひどい目に合ってきたんだな。
同情するぜ隆介。
「ねえ隆介!こんな水着はどう?」
そうして柚木が持ってきたのはブーメランパンツのような水着だった。
「ちょっと待て柚木。それはないだろ!?」
店内に少し大きめの声で抗議の声が上がるのだった。
…………………………………………………………………………………………………
「じゃあ、次は私たちの水着を選んでくるね~」
「私も行ってきます。」
二人は足早に店の中へと消えていった。
結構時間がかかるかと思ったが案外すぐに二人は戻ってきた。
二人もすでに会計を済ませてきたようで紙袋を抱えて戻ってきていた。
「意外と早かったな。二人とも。」
「うん!すっごく可愛い水着が見つかってね!」
「私もいい水着が見つかったよ!」
柚木と涼葉はご機嫌そうに話しかけてくる。
「珍しいな。柚木が月風さんと一緒に買い物に行ってすぐ解放されるなんて。」
「隆介何その言い方!まるで私が涼葉ちゃんを連れまわしてるような言いぐさじゃない。」
「何か間違ってるか?」
二人のちょっとした口論を横目に俺は涼葉に話しかける。
「柚木が迷惑をかけなかったか?」
「うん。すっごく楽しかったよ。」
「それはよかった。」
「二人もそろそろ口論は終わりにしていくぞ~」
俺がそう声をかけると二人は口論を中断してこっちにやってくる。
全く仲がいいんだか悪いんだか。
…………………………………………………………………………………………………
みんなで水着を買い終わった後俺たちはショッピングモール内にある雑貨屋に来ていた。
俺と隆介は二人で話していた。
なお、女子たちは雑貨屋で買い物をしている。(長くなりそう)
「隆介、さっきは災難だったな。」
「ああ、本当にな。」
あの後数着ほどふざけた水着を持ってきた柚木だったが最後にはしっかり隆介に似合う水着を持ってきていた。
「ところで一。なんでいきなり海やキャンプに行こうなんて言い出したんだ?」
「ああ。簡単だよ。思い出を作りたかったんだよ。」
「そういうことか…………」
隆介はとても悲しそうな顔でそういった。
全くそんな顔すんなよ。
「おいおい。そんな悲しそうな顔すんなよ。」
「すまねぇ。」
「謝んなよ!気にしてないからさ。」
そういって俺は笑う。
それに何一つ隆介は悪いことなんてしてないんだから。
俺が笑みを見せるとつられて隆介も笑いだす。
女子二人の買い物が終わりいい時間なので今日はみんな解散となった。
隆介と柚木が一緒に帰り、俺と涼葉で一緒に帰った。
その帰り道
「なあ、涼葉。」
「なに?一君。」
「今、涼葉は楽しいか?」
俺がそう尋ねると…………
「うん!楽しいよ!信頼できる友達が三人もできたし、みんな優しいから。」
そういう涼葉の表情はとてもまぶしかった。
ずっとこの笑顔を近くで見ていたいなぁ。
涼葉を家に送ってから俺はとある場所に向かった。
「大変申し上げにくいのですが…………」
「大丈夫です。続けてください。」
………………………………………………………………………………………………
今日はみんなで近くの海に来ていた。
待ちに待った海だ!
「よし!!今日はとことん遊ぶぞ~」
「だね!!やっと今日が来たよ!」
隆介と柚木はそういう。
「じゃあ、パラソル設置するか。隆介手伝ってくれ!」
「うい~」
「じゃあ、私たちは飲み物買ってくるね。」
「ああ。頼んだ。」
そういって柚木と涼葉はの飲み物を買いに行った。
パラソルを設置し終えてから二人でブルーシートの上に腰を下ろす。
「なあ、隆介」
「なんだ?一」
「お前いつになったら柚木に告白するんだ?」
「な、おま、」
俺がそう問いかけると隆介は顔を赤くする。
全くこいつはいつになったら告白するのか。
はたから見ていると両思いであることが分かり切っている分もどかしい。
「早く告白しないと誰かに取られるぞ?」
「わかってはいるんだが、どうにも覚悟が決まらないんだ。」
「まあ、俺がいるうちに告白してくれよ?」
「ああ、わかっているさ。それまでにはしっかり決着をつけるさ。」
それから10分間俺と隆介は他愛もない話をしていたが、
「なあ、一。あいつら帰ってくるのが遅すぎないか?」
隆介が少し不安そうなかおをしながら言う。
「確かにそうだな。隆介捜しに行こう!」
そうして俺と隆介は二人を探しに二人が向かって言った方向に進み始める。
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