第21話 みんなとの時間 迫る時間
「朝からお熱いねぇ~。そう思わねえか?柚木」
「そうだね。でも、涼葉ちゃん仲直りできてよかったね!!」
俺と涼葉が握手を交わしているとそんな声が聞こえてくる。
隆介と柚木だ。
なんでこいつらがここに?
「どうしてお前らがここにいるんだ?」
ほとんど脳死で考えていたことが口から出ていた。
「涼葉ちゃんが今日一に話をしに行くって昨日連絡が来たから心配になって隆介もつれてみてたんだ。」
なるほど。そんなことがあったのか。
かなり迷惑をかけたみたいだな。
今度埋め合わせをしないとな。
「まあ。そういうわけだ一。あと、お前は人に相談するなら最後まで話を聞けよ。全く心配させやがって。」
そういう隆介の声はとてもやさしい声だった。
「まあ、二人が仲直りしたんだからいいじゃん!!」
柚木は明るい声でそういう。
やっぱりこの二人はとても良いやつらだ。
こんなにいい友人に恵まれるなんて人生でかなりの幸運だ。
「今日は二人の仲直りを祝ってみんなで学校サボって遊ぼうよ!!」
「いや、別に祝われることじゃあ、」
「じゃあ、一の家で遊ぼうか!!」
「おい、人の話を聞けよ。」
まあ、俺も隆介の話を聞かなかったからお互い様か、
「一、無駄だぜ。こうなった柚木は止まらねぇ。お前なら知ってるだろ?」
「確かにそうだな。」
「じゃあ、今日はみんなでサボって遊ぶか!」
「「「おおーー!」」」
こうして俺の家でのパーティーゲームが始まった。
内容は様々で家においてある人生ゲームやゲーム機に入っているパーティーゲーム
白熱したゲームをしていたら
3時間ほど過ぎて………………………………
「おなかすいたね。」
柚木が最初にそう言った。
「確かにな。」
続いて隆介が言う。
確かに朝早くからみんなでゲームをしていたが、何も食べていなかったためそろそろみんなおなかが減って来たようだ。
「じゃあ、俺買ってくるよ。」
ここは迷惑をかけた俺が買いに行くべきだろう。
俺はそういい立ち上がろうとしたが、
「私が行きたい!!」
そう柚木がいう。
え、なんでいきなり?
「じゃあ、私も」
続いて涼葉もそういい立ち上がる。
「二人ともいいのか?」
「うん!私はちょっと涼葉ちゃんと二人で話したいことがあるし。」
「え?そうなの?」
「うん。ちょっと付き合ってくれる?」
「もちろん。」
「じゃあ、行ってくるね。一。」
「行ってきます。一君!」
「わかった。行ってらっしゃい。」
「よろしく~」
「じゃあ、行ってくるね!!」
そういって2人は出て行った。
「なあ、一」
「なんだ?隆介」
「お前大丈夫か?」
隆介はいきなりそんなことを聞いてくる。
「ああ、大丈夫だよ。涼葉とも仲直りできたし。」
「いや、そのことじゃない。まあ、そのことも心配だったが………………………………」
隆介は深刻な声色で聞いてくる。
この瞬間部屋の温度が少し下がったように感じた。
「ああ、”まだ”大丈夫だ。」
「それならいいんだが、このことは月風さんにはいったのか?」
「言ってないよ。だから、タイムリミットが来るまでにすべて終わらせるさ。すまないな。お前にこんなことを背負わせてしまって。」
「気にすんな!俺たちは親友だろ!」
その一言がとてもうれしい。
そのあと、涼葉たちが昼ご飯を買ってきてみんなで食べた後にまたみんなでパーティーゲームをして、一日が終わった。
この日から特に何もなく時間は過ぎて行って………………………………
今日は1学期の終業式だ。
校長の長い話が終わり、学校は午前で解散となった。
「一君早く行こうよ!!遅れちゃう。」
「ああ、わかったいこう!!」
この日は隆介と柚木の二人と遊びに行く約束をしているのだ。
「遅いぞ~二人とも~」
「涼葉ちゃんこっちこっち~」
待ち合わせ場所の駅前にたどり着くとそこには見慣れた親友と幼馴染が手を振っていた。
「行こうか。涼葉!」
「うん。一君!」
俺達は少し小走りで二人のいる所へと向かった。
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