第16話 努力の成果
時は少し遡り、テスト週間
俺、陰野一は猛勉強をしていた。
「ねえ、一?そろそろ休んだらどう?ずっと勉強してるんでしょ?」
そう問いかけるのは幼馴染の柚木だ。
「そう、うかうかしていられない。この前話しただろ?あの作戦を実行するにはテストで全教科赤点回避しないといけないんだ。」
ちなみに今日は月曜日だから時間はあと二日ほどしかないのだ。
「確か、私と隆介をその涼葉ちゃんに会わせたいんだっけ?」
「そうだよ。学校では話し相手が俺しかいないだろうし彼女には俺なんかよりも信頼できる同性の友人が必要だと思ったからな。万が一にも赤点は取れないんだよ。」
「でも、今の一は無理しすぎ!!少しは休憩しないと私も教えてあげないよ?」
柚木とはスマホで通話しながら勉強を教えてもらっている。
この幼馴染はドン引きするくらい頭がいいのだ。
だから、とても分かりやすく勉強を教えてくれる。
「それに今の一なら赤点なんてとるわけないし、何なら全教科60点は取れると思うんだけど。」
「もしかしたら、ものすごく難しいテストかもしれないだろ!!それに俺は早く彼女に学校でも笑顔になってほしい。」
「信頼できる友達を作るのはその第一歩だ。」
「でも、一はなんで涼葉ちゃんがいきなり学校で嫌われることになったか知ってるの?」
少し心配そうな声で聞いてくる。
「なんとなくな……………………いずれそっちの問題も解決しないといけないが、まずは彼女がいろんなことを相談できる同性の友達を作ったほうがいろいろな相談ができるだろうし、俺なんかとずっと一緒に居なくても済むだろう。」
そんなことを考えながら勉強を続ける。
3時間後
「私はそろそろ寝るけど一もほどほどにしときなよ!じゃ、お休み」
この日俺は徹夜で勉強をした。
次に日もその次の日も……………………
エナジードリンクなどを大量に飲んでほとんど徹夜に近い形で勉強を進めていく。
決して手を抜くことはできない。
英語の単語を記憶した次は文法を覚えて実際に使えるようにして、数学は教科書で出ている範囲を徹底的に演習して自分の苦手科目もそうでない科目もしっかりと勉強をした。
そして、テストが終わりテストが返される。
「全部赤点じゃない!!」
赤点じゃないどころか今までのテストでは取ったことがないような高得点を取ってしまった。
これも月風のスパルタ勉強会と柚木のおかげだな。
何はともあれ、
「いやったーー」
こうして一は血のにじむような努力をして一は月風涼葉の笑顔を勝ち取ったのだった。
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