第14話 中間テストと一の願い
それから、月、火、水と時間は過ぎていった。
その間の俺たちの環境は特に変わることはなく、俺の話し相手は月風しかいなかった。
ただ、気になることがあるとすれば最近谷山太陽があまり学校に来ていないということだが、、
まあ、気にしないでおこう。俺には関係ない話だしな。
水曜日の放課後
俺はいつものように月風と一緒に帰っていた。
「明日からテストだね!!一君!!」
月風はいつもの調子でそう俺に話しかける。
「ああ、そうだな。」
「一君全教科赤点回避できそう?」
月風は少し心配そうな眼をしていた。
「どうだろうな?まあ、頑張ってみるさ!なんてってたってあの月風が願いをかなえてくれるんだしな。」
俺がそういうと月風は頬を少し赤らめながら言う。
「そ、そうだね。」
月風にしては珍しく少し元気がないように見えた。
「顔が赤いけど、大丈夫?」
俺がそういうと、
「一君のバカっ」
そう小声でつぶやくのだった。
怒った月風もとてもかわいかった。
そしてテスト一日目
科目は1時間目数学
2時間目科学
3時間目国語
数学は何事もなく終わり、
続く科学、国語が終わった。
帰り道
やはり俺は月風と一緒に帰っていた。
「一君今日のテストどうだった?」
少し心配そうな声色で聞いてくる。
「もしかしたら月風に勝っちゃうかもしれないぞ?」
俺は笑いながら言う。
「それはないよ~」
月風は微笑みながらそう言った。
次の日
科目は1時間目社会
2時間目物理
3時間目英語
社会は暗記するだけで点数を取ることができる。
だが、物理はかなり勉強したがあまり自信はなかった。
最後の英語はほとんど理解することができた。
この日も俺は月風と一緒に帰っていた。
「一君どんな感じだった?」
昨日と同じテンションで話しかけくる。
「そういう月風はどうだったんだ?」
「私は余裕だったよ!!平均80点はいってそうだよ!!」
「それはすごいな」
そう俺が言うと、月風はとてもかわいいどや顔をしていた。
「ありがとう!!」
その時の月風の花の咲き誇ったような満面の笑みを俺はしばらく忘れることができなった。
テスト返し当日の月曜日
俺たちの通う学校はテスト返しが終わるとすぐに解散といういわゆる午前授業のような感じだった。
帰り道月風の家に向かっていた。
理由は簡単
月風がテストの点を見せ合うついでにご飯を作ってくれるというからである。
そして、月風の家につきリビングに通される。
「じゃあ、国語から、…………せーの」
月風の言葉で同時に答案用紙をめくる。
月風
98点
俺
100点
「えっ…………なんでこんなに点数高いの?」
月風はとても驚いた顔でそういう。
「なんでって、そりゃ月風が願いをかなえてくれるっていうから勉強したんだよ。ちなみに物理以外100点な。」
「なっ」
月風は言葉を失っていた。
「じゃあ、俺の願い聞いてもらっていい?」
「ぶ、物理は何点なのさ!!」
月風は焦りながら言う。
「98点だけど…………」
月風は絶句していた。
「じゃあ、俺の願いを聞いてもらおうか。」
そうして俺は月風に願いを告げるのだった。
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