第13話 謎の感情と決意
金髪でチャラそうな男二人に月風がかこまれていた。
「ねぇ、いいじゃん!一人なら俺たちと遊ぼうよ~」
チャラ男Aがそう月風に話しかける。
「そうだぜ~俺たちと楽しいことしようよ~」
チャラ男Bはそういいながら月風に近ずいていく。
「やめてください!!私は友人ときているのでそういうのは結構です。」
月風はそういい男たちから距離を取ろうとするが、その時チャラ男Bが月風の腕をつかんだ。
それを見た俺は、とても言葉では言い表せないくらいの不快感があった。
気づけば体が勝手に動いていた。
この不快感は何なのかわからないが、今はそんなことどうでもいい。
「その手離してもらえますか?」
俺はチャラ男Bの腕をつかみながらそう告げる。
「なんだ?てめぇ。今は俺らがこの子と話してんの。わかる?」
男はとてもイライラした様子で俺にそういう。
俺は男の手を握る力を強めながら
「その子は俺の彼女なんだ。汚い手で触らないでもらえるか?」
自分でも驚くほどの低い声がでた。
「なんだと、てめえ…………」
男は声を震わせながら言う。
そんなことはお構いなしに俺はさらに握る強さを強める。
「いてぇ。は、はなせ。」
男は苦しそうな声をあげながら言う。
「先にお前が手を離せ。」
「わ、わかった。」
そういい男は手を離した。
俺も手を離すと
「覚えとけよ!!」
顔を真っ赤にしながら男達はそう叫び去っていった。
今の時代あんなに典型的なことを言うのかとそんなことより
「月風。大丈夫か?」
「え、あ、うん」
なぜこんなに顔が赤いのか。
まさか暴力でも振るわれたのか。
「本当に大丈夫だから。」
そこまで言うなら信じるしかないか。
「とりあえず帰ろうか、月風。」
「うん!そうだね。さっきは助けてくれてありがとう。」
「いや、気にしないでくれ。それより、ごめん。君のことを彼女だなんて言って。不愉快だったよな…………」
そういって頭を下げる。
俺なんかが月風の彼氏だなんて傲慢にもほどがあるだろう。
彼女は震えながら言った。
「一君のバカ!!もう知らない。」
そういって月風は店を先に出て行ってしまう。
え、なんで?
俺は会計を済ませて月風を追いかける。
「待ってくれよ~」
なお、そのあとの勉強会の続きをした時の月風は午前中よりもスパルタだったことを追記しておく。
それはもう、トラウマになるほどに厳しかった。
今度から魔染めに授業を受けようと思えるほどには恐ろしかった。
そうして、勉強会が終わり月風の家を出る前に声をかけられる。
「もし、一君が全教科赤点回避できたら私がなんでも一ついうことを聞いて進ぜよう!!だから家でも頑張ってね!!」
美少女からそんなことを言われてしまえばやる気が出てこないわけがない。
「ああ!俄然やる気が出たよ。」
そういって俺は月風の家を後にした。
この時俺は決意した。
絶対全教科赤点を回避してあることを提案すると…………
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