第11話 ほんの少しの変化と再会

次の日


学校では特に何も変わったりしなかった。


俺への陰口。


涼葉への悪口。


ただ、そんなににも変わらない学校生活でも一つだけ変わったことがある。




「月風ーさっきの授業でわからないところがあったから、教えてくんない?」


俺は笑いながら月風に話しかける。




「いいでしょう!この月風涼葉が教えて差し上げましょう!!」


彼女は満面の笑みでそう答えてくれる。

少しキャラが変わった気がしないでもないでもないが元気を出してくれてよかった。



別に俺たちの立場や環境が劇的に変化したわけでもない。


ただ、俺と月風が二人で休み時間などに話すようになっただけ。


これだけの変化で人間の気の持ちようは変わるものだ。




俺はこの時間が好きだ。


何でもないただの雑談でもすごく楽しく感じる。

最初の机に突っ伏して寝ているよりもこっちの生活のほうがいい。



それからは、みんな飽きたのか俺や月風に直接的な暴力などを行わなくなっていた。

どうやら、波が過ぎたようだ。

これで少しは安心できるのかな?


…………………………………………………………………………………………………



それから少し時間がたち6月になった。


もうそろそろ期末テストが始まるかどうかといった時期だ。




「月風ーー助けて!!やばい。主にテストが!!」


俺は学校の下校中に月風に助けを求めていた。


前までは学校の休み時間に話す程度だった関係だが最近では登下校を一緒にしたりしている。


「それは、いいんだけど一くんどれくらいヤバイ?」


少し苦笑いをしながら聞いてきた。


苦笑いもかわいいな。

よくよく考えればこんな美少女と登下校をしてる、、、

”青春では?”

と、そんなことは置いといて、


「全教科余裕で赤点をとれるレベルかな?」


苦笑しながらそう言って見せた。

自慢ではないが今回のテスト範囲は何一つわからない!!


「いやっ、全然自慢できないからね!?せめてもう少し頑張ろうよ……………………」


突っ込みを入れられてしまった。


ただ、最初のころに比べると笑うことが多くなり、元気になっていた。


「じゃあ、今週の土曜日私の家でやらない?」


女の子の家!?


いいんか?


俺なんかがそんなイベントを味わっていいんか?


ん?今週の土曜日?


「すまん。月風、今週の日曜日でもいいか?土曜は少し用事があって。」




「ぜんぜんいいけど何があるの?」


月風は少し困惑した顔で俺に問いかける。




「やめろっ!その俺には何の予定もない暇人間だよね?とでも言いたげな顔で俺を見るな!」


最近は冗談も言ってくれるようになり元気を取り戻したようで安心した。


「ふふっ、で、用事って何なの?」




「そればっかりは秘密」


そういった話をしていると月風の家に着いた。




「じゃあ、日曜日に月風の家10時集合でいい?」




「わかった!それじゃあまたね!」




「おう!また日曜日」


今週の日曜日、、、

すっごく楽しみだな!!


………………………………………………………………………………………………


そして土曜日俺は近くのショッピングモールに来ていた。


理由はとある奴らと待ち合わせをしているからだ。




「久しぶりだなっ一」


そう声をかけてきたのは俺の唯一の親友である清水 隆介だ。


「おう!久しぶり。元気にしてたか?」


「もちろんよ!!」


隆介は身長が170CMほどあり髪型は坊主の笑顔がよく似合う奴だ。


そして


「おーい!久しぶりー。二人ともー」


遅れてやってきたこいつは島崎 柚木俺の幼馴染で昔はこの三人といつも一緒にいた。


身長は160CMほどで髪はショートヘアーの可愛い系の女子だ。


今日は久しぶりに三人で遊ぶ日なのだ。




「まず、どこからまわるよ?」


隆介は笑みを絶やさず俺たちに問いかける。


「じゃあ、カフェでも行って今までの学園生活の話でもしないか?」




「いいね!いいねー私みんなの学園での生活気になる!」




「じゃあ、それで決まりだな!移動する前にトイレ行ってくるから二人で待っててくれ。」




「わかった。」




「もー。早くしてよね。」




「わかってるよ。じゃ、行ってくる。」




その後隆介はが帰ってきてからカフェについてみんなのこれまでの話をしていると


時間はあっという間に過ぎ解散の時間となった。


「今日は楽しかったぜ!またな一!。あとさっきの話。いつでも時間を空けるからな。」


隆介は真剣な顔でそう言っていた。


「ああ。ありがとう。また連絡する。」




「わたしもいつでも大丈夫だからね。」


柚木は明るい声でそう言った。


「柚木もありがとな!また連絡する。」




そういって俺は二人と別れて家に向かうのだった。

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