第8話 地獄の一週間 壊レ始メルココロ

「よかったら俺と付き合ってくれないかな?入学した時から気になっていたんだ」


私はこの日放課後に同じグループのいる男子、谷山太陽に告白されていた。


私はこの男がどうも恐ろしく感じる。

理由は明確にはわからないけど、勘ってやつなのかな?


「ごめんなさい。私はあなたを友達とみていたから、あなたと付き合うことはできません。」


私はこう答えた。


理由はわからない。


なぜか彼がとても怖いと感じるのだ。


「そっか、わかった。時間取らせてごめん」


彼はそう答えた。


だが、そういう彼の顔はとても穏やかな顔をしていたが、その裏にとても怖いものが隠れているような気がした。

気のせいだと思うけど。


「気にしないで、それじゃあ」


私はそういってその場を後にした。


私は家の自室へと向かいベッドへと向かい寝転がった。


告白をされたことはこれが初めてというわけではないのだけど、なんだか、すごく怖かった。


「明日から切り替えていかないと!!」


自分しかいない水色を基調とした自室に彼女の声が静かに吸い込まていった。



翌日


私の周りには男子が一人もいなかった。


昨日まで一緒に話していたグループの男子が周りにいなかった。


いつもは休み時間になるとみんなが集まってくるけど今日は周りに女子しかいなかった。


「私の気のせいだよね…」


そうつぶやいた涼葉の予想は最悪の形で外れることになる。




2日目


前まで休み時間に話していた人は一人も近寄らなくなっていた。


私は少し不安だった。


「何かみんなに嫌われるようなことをしたのかな。」


一人教室でそんなことを呟いていた。


そんな時私はトイレに行きたくなったので、トイレにいくことにした。


トイレに行こうと教室を出た直後聞こえてきたのだ。


「涼葉ってパパ活してるんでしょう。」




「みたいだな。あんなおとなしそうな見た目してほんと怖いわ。」




「しかも、裏で私達の悪口言ってるらしいしね…………」




「…………何それ…」


私はそんなこと言っていない。


何も言っていないのに、

それにパパ活なんてしてない。


私が避けられている理由はそれなのだろうか?

そんなことしてないのに。

私は少し目元が熱くなるのを感じながら教室に戻った。




その日の放課後


私は前までよく話していた女子に話しかけた。


「なんでみんな私を避けるようになったの?」


そう問いかけたとき、


一人の女子が口を開いた。


その顔からは嫌悪感がにじみ出ていた。


「パパ活女が話しかけてくんなよ」


「私はそんなことしてないよ。」


「嘘つくなよ!裏で私たちの陰口を散々言っていたんでしょう?」


「そんなことしてない。ねえ、信じてよ。」




「信じるわけないだろっ!もう話しかけてくるなよ!」


そういわれてしまった。

どうして、

私、本当にそんなことしてないのに。

あんなによく話していた仲のいい女子たちに全く信じてもらえず

女子たちは教室から出て行った。

なんで、誰も信じてくれないの?



涼葉しかいない教室に小さな嗚咽がこだましていた。




3日目


昨日は私がいなくなってから話していた悪口が私が教室にいても聞こえてくるようになった。


前までは同じグループじゃないクラスメイトたちも少し話しかけてきてくれていたのだが、


今は、私が話しかけてもみんな無視をする。


完全に異物扱いだ…………


私は何もしていないのに。


誰も話を聞いてくれない。


信じてくれない…………


そうか、私にはだれも味方がいないんだ。


相談できる人も信じてくれる人も、一人も…………




4日目


私は学校を休んだ。


耐えられなかった。


私には肉親がいない

両親は数年前に事故で無くなっている。

それからは施設で暮らして、高校入学を期に両親が残してくれたお金でアパートを借りているため今は、アパートで一人暮らしだ。


それに信用できて相談できる相手もいない。




「本当に私一人なんだ…………」


そう思うと悲しくて辛くて苦しくて涙が出てくる。


5日目


私はこの土日で学校での仕打ちが収まっているのではないかと淡い期待を抱いていた。


でも、そんなことはなかった。


私を待っていたのは前よりもなおひどい仕打ちだった。


クラスに留まっていた悪口や無視は学校中に広まっていた。




今日は一日中一人だった。




放課後


私は前に話した女子三人に屋上に呼び出されていた。


「あんたがそんな奴だとは思わなかった!!」


屋上にきて、三人に囲まれていきなりそんなことを言われた。


彼女はそんなことを言いながら蹴ってきた。


蹴られたのは腹部だった。


想像もできないほどの衝撃が私を襲う。


「っっ」


息が詰まる。






私は悟ってしまった。


私が何を言っても信じてもらえない。


何をしても無駄だということを…………


その間も彼女たちは何かを言っていたがもうどうでもよかった。


私は届かないと知りながらもつぶやいた。




「たすけて、、、」


何を言っているのだろう。


こんなことを言っても誰も助けに来ないのに…………


そんなことを考えていた時だった。




屋上のドアが開かれたのは…………

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