第3話 魔王認定!!

「クロム様、この世界の騎士団ってこんなに弱いんですか?」

「そうだな」


 顎に手を置いて考える。

 警察はクリスたちからすれば弱者、かもしれない。

 だが、警察達には特殊部隊もおるし、国を守る自衛隊もいる。

 一概に弱者とは言い切れない。


「騎士団の連中と一緒で個体差がある」

「じゃもしくはもっと強い奴も?」

「いるかもな──この国でもっと強い連中もいる」

「でも私達の敵ではないですね」


 普通の人間では俺達に敵う事すらない。

 でもな、もし最新鋭の科学武器でも使われたら、俺達でも苦戦を強いられる可能性はある。


「クロム様、どうかしましたか?」

「いや、何でもない。そろそろ場所を移すぞ」


 セロス達に移動の指示を出し、地面強く蹴る。

 次の瞬間、宙にまで飛び──俺が居った場所は、地面が抉れていた。

 セロス達も俺を見て、同じ様に宙に飛ぶ。


「これからどうするんですか?」

「特に決めてはいない」

「それじゃあ考えながら移動すね!」


 宙に浮き、後は建物に移り──移動する。

 ひたすらそれの繰り返しをし、移動していく。


「ここの世界は建物が多いすね」

「そんなのあっちに居った時も同じでしょ?」


 クリスとセロスの会話を聞いて、街を見ると、確かに建物は多い。

 それに科学とかも発展している。

 俺が生きていたあの頃より、発展したと思わう。


「クロム様、一体あれは何ですか?」


 クリスは指を指し──俺に言う。

 クリスが指す所に視線を向ける。

 と、一人の人間に複数の人間が、囲っている。


「クリス向かうか?」

「はい!」


 クリスの元気な返答に思わず、俺の顔も緩む。

 俺達はクリスが、指した場所──そこに向かう為、地面に着地して歩く事にした。

 地面に着地する時、耳に響く。

 そのくらいの衝激音がする。


「さてさてと、次は一体何が待ってるんだろう?」

「クリス……ワクワクしているな」

「あ、バレました?」

「げ、最悪」


 セロスは一言を、告げながら──苦虫を潰した様な顔をする。

 そのままそっぽを向いた。

 その事実にクリスは少し、苛立ちを露わにし、強い口調でセロスに言う。


「お前それどう言う意味だ! 喧嘩売ってんのか!」

「あんたが興味を示して、ワクワクする時なんて──大体罠かトラブルばっかじゃん」

「おい! まるで人をトラブルメーカー扱いじゃねぇか」

「まるでじゃなくて、そう言ってんだよ」

「お前らな、人を挟んで喧嘩すんな!」


 二人は俺を挟んで言い争っている。

 こいつらの声が耳に響く。


「お前らもう黙って歩け」


「俺の言葉に、二人は従い黙る。

 考え事をするにしても、こいつらがうるさくて考えれん。

 クリスとセロスの会話では、一つだけ同意見がある。


「クリスお前はトラブルメーカーだ。諦めろ」


 クリスは俺の言葉を聞いて、口を開けぱっなしで放心状態。

 セロスは不敵な笑みを浮かべた。


「ほらねクリス! あんたは一生トラベルメーカーなんだよ」

「そ、そんな……」


 クリスはセロスの最後の一言で、よりいっそショックを受けていた。

 そのまま俺は何も触れず、目的の場所に向かっている。

 その時、隣からブツブツ聞こえて鬱陶しい。

 思わず殴ってしまいそうになる。

 次の瞬間、セロスの跳び蹴りが、クリスに直撃する。

 そのままクリスは吹っ飛び、近くに合った建物にまで飛ぶ。


「鬱陶しいんだよ! 黙らないと蹴るぞ!」

「お前それ、もう蹴ってるんだよ!」


 建物からクリスの声が、聞こえると、同時に他の人間の声も聞こえる。


「クリス俺達、先に行くから──お前も後で来いよ」


 クリスに一言、言って俺達は先に進んだ。


「え、ちょ……」


 クリスの言葉が聞こえた気がした。

 だが、まぁ気のせいだろうと、思って歩みを進める。


「クロム様。見苦しい所をすいません」

「いや大丈夫。お前が蹴ってなかったら俺がやってた」


 セロスの頭にポンポンと手を置き、目的の場所の方を睨む。

 すると、セロスが心配そうに俺を見る。


「はぁ、彼奴は本当、悪運なのか問題しか見つけない」

「え、それってどう言う事ですか?」


 セロスの言葉に俺は指を指す。

 そこには一人の少女と、武装した人間がいる。


「警察か」

「また弱い騎士団もどきですか」

「君ら何? そんな武装して危ないじゃないか」

「そこの銀髪の少年。君はそこの少女を置いて、帰りなさい」

「はぁなんだこいつら?」


 警察の言葉にセロスが反応する。

 二人組の警察は不気味な笑みを、浮かべて警棒をチラつかせている。


「やっぱり貴方達、ナンパ目的ですか」

「「そうだよ。俺達は国家権力者、ある程度の事は許される」


 警察の一人は、少女の言葉に答え、警察は悪そうな顔をしていた。


「下衆が!」

「あ? 君、名誉毀損で逮捕します」

 俺の口から、思わず言葉が溢れる。

 それが、気に入らなかった警察は警棒を構える。

 そのまま二人の警察が襲い掛かって来る。


「ほら、クリスあんたのせいでトラブ……る」

「お前は馬鹿か、さっきぶっ飛ばしたばっかだろ」


 セロスは俺の言葉で気づく。

 今回は俺一人でやる。

 この警察達は全く気に入らない。


「ガキが警察舐めてんなよ」


 警察は警棒を振り降ろし、俺に攻撃をしてくる。

 その攻撃を簡単に潜り抜け、少女の眼前に立つ。


「何、涼しそうな顔をしてるんだよ」


 警察は怒声を上げ、素早く単調な攻撃を繰り出す。

 再び、それを簡単に躱す。

 そして俺は左の拳を振る。

 警察の顔面を捉え──振り切る。

 警察は宙に浮き、三回転し地面に激突した。

 もう一人の警察は逆上して、襲い掛かって来る。

 と、思ったが体を震わして怯えていた。


「ひぃー!? い、命だけはお助けを……」

「何を怯えているんだ? お前は国家権力者だろ!」


 俺は足を高く上げ、警察の脳天、目掛けて降ろす。

 次の瞬間、衝撃音がし、警察は悲鳴を上げる事もなく、体を痙攣させていた。

 これで終わりだなと思った。

 その時、少女の言葉に思わず、耳を疑う。


「貴方がれいの!!」


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