③ 考察

 RRRはかなり因果応報というか、伏線が回収されていますよね。


 特にわかりやすいのがイギリス総督夫妻の最後。


 イギリス総督がマッリを連れ去る際に『銃弾の価値』、つまりインド人の命を奪うのに高価な弾はもったいないという内容を話します。


 この言葉はラーマのエピソードにおいても出てきますが、後に「弾はインド人の命を奪うためでなく、イギリス人の命を奪ってこそ価値がある」という意味にすり替えられます。


 そして、ラスト。ラーマが手にした弾は、この流れでは最も価値のある使い方をされます。


 『装填、狙え、撃て』の父の言葉も無念も、少しは返せたのかなぁ……。

 思えば、ラーマが『羊飼い』炙り出しのために言った「トップを叩く」という内容も実現されていますね。



 総督婦人はビーム処刑に際して、「血溜まりが見たい」と棘の付いた鞭を使うよう促します。

 トゲトゲ鞭が巻き付く様は痛ましくて、見てるのも辛い。うう。


 彼女は、鉄条網に巻かれ血溜まりを作りながら亡くなります。


 まさに因果応報……。



 あと、ラーマはとにかく運が悪い。


 故郷でシータに、

「困っている人には親切にしなさい。自分に返ってくるから」

と語っていたらしいので、不親切にした分が返ってきているのではないかと邪推しています。


 初登場時以外の闘う場面では、直前か開始直後に毎回、怪我などのバッドステータスを負っていませんか?

 毒蛇に噛まれる場面とか。まさかあれだけ痛めつけてから逆転されるってなかなかないだろうなぁ。


 ビーム開放作戦のときも、まさかのタイミングで総督から握手を求められています。不運。



 反対に、ビームはそこそこ運がいい印象です。

 困ったときにはいい出会いがあって、自然に運が上を向いている気がします。


 ジェニーとのコンタクトがとれないときはラーマが助けてくれたし、逃走中に追い詰められたときもシータが助けてくれました。

 イギリス側でも、ジェニーはしっかりとビームの味方になってくれています。


 例外は、館を襲撃したときくらいじゃないでしょうか。このとき、ビームは悪いことがあると仲間に止められながらも首紐をラーマに譲っています。


 よりにもよって、この首紐がビームが捕まる原因になるなんて。親切が踏みにじられたような酷い話展開にもうね、言葉がね。ああ。



 あとやっぱり、好きなのは、ラーマが婚約者のシータと別れるシーン。

「あなたの勇気が、私の勝利に繋がる」


 シータが勇気を出してビームを救ったことで、最終的なラーマの勝利に繋がります。好き。


 あとは、武器は自然と集まってくる、とかのあたりもきっともっと伏線がありそうな気がします。

 このあたり辛すぎて思考がストップしました。うう、無理。


 故郷にとってたった一つの武器だったラーマは、ビームと出会いちゃんと武器を手に入れたんですよ、お父さん。



 そういえば、ラーマの故郷は川のほとりで、水の印象が強いんですよね。

 ラーマも、本質ではビームと似ていたんじゃないかなと思います。


 持っていた銃もたった一つ。でも、武器があった。


 たぶん、ビームの故郷はあのままだとラーマの故郷と同じような不条理に晒されるようになって、ただの虎のままのビームでは故郷を守れなくなってしまったのかなと思います。


 知識がなかったから、マッリは攫われた。言葉がわからなかったから、目の前で子供を連れ去る話をしているのに気が付かなかった。

 善意しかないものさしで見ていたから、子供を奪うなんて不条理は考えもつかなかった。


 銃の事なんて忘れて過ごしてほしいけれど、ビームにとっては得たものが大きかったのだと思います。



 炎と水。武器、鉄条網。腕紐。

 意味の込められた小道具がたくさんあるので、考察がかなり楽しそうです。


 初回では圧倒されていっぱいいっぱいだったので、何Rもしたくなる気持ちがわかるなと思いました。

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