8.サガフロンティア~俺は普通でお前ら(スタッフ)が異常だぁあ!!~


 1997年7月に初代プレステで発売された、サガシリーズ7作目。通称「サガフロ1」。

 初代プレステ全盛期に発売ということもあってか、サガシリーズの中でも特に人気という印象があります。

 2021年には、従来の主人公7人に捜査官ヒューズを加え、色々改善されて大幅にプレイしやすくなったリマスター版が発売。自分はこちらのリマスター版で初めてプレイしました。

 とはいえその時点で、インサガとか実況動画とかで大体のキャラクター像やあらすじは把握していたのですがw



 1から3まで続いたロマサガシリーズともまた雰囲気が異なり、人間だけでなくメカやモンスターや妖魔と、さまざまなキャラクターを操作できるのが特徴のひとつ。

ロマサガシリーズの要素もあれど、それ以前のゲームボーイ版サガシリーズの要素も導入していると言えるでしょう。

 また、「リージョン」という特殊な世界設定が導入されており、リージョンを移動すると世界がガラリと変わる。妖魔の支配するダークファンタジーな世界があると思えば、メカが活躍するSF的な世界もあったり、ド派手に銃や重火器を使う現代の刑事ドラマ的な世界もあるかと思えば魔法で繁栄している世界もあったり、いかにも昭和特撮ヒーロー的な世界が展開されたり、かと思えば可愛いモンスターたちが暴れる世界も……


 ロマサガシリーズから入った場合は多少面食らう設定かも知れないですが(自分がそうだったw)、実はこのあたりもゲームボーイ版サガに近いらしい。

 その意味では、サガシリーズの原点に立ち返った作品と言えるのかも知れません。世界観のごった煮感が楽しい。


 主人公たちのストーリーもロマサガシリーズと異なり、それぞれ展開も雰囲気も大幅に違うのが特徴。同じゲームか?と思うことさえありますw

 ロマサガシリーズはどの主人公を選んでも結局最後あたりは似たようなルートになるという印象が強く、ラスボスも全員共通でした。

 しかしサガフロ1の場合はそれぞれの主人公にラスボスがいるという形式で、全員に共通するラスボスというものは存在しません。

 強いて言うならクリア後の開発室にいるといえばいますが、おまけの隠し要素なのでストーリーとは全く無関係。

 このへんは賛否両論あるかと思いますが、オムニバス作品的な感じで自分はそこまで嫌いじゃないです。どちらかと言えばロマサガシリーズ形式のように、話の中心軸となるものがある方が好きですが。



 バトルは基本5人パーティで戦いますが、仲間はいくらでも入れられるというのも良い。誰も気づかないうちにスゥーッっと仲間に入ってくるスライムなんてのもいるw

 酒場に行って誰を外すか悩む必要も、誰かのLPを無理矢理削り続ける必要もないのは嬉しい。

 いずれまた仲間にするつもりで泣く泣く外したキャラの居場所が、終盤に壊滅してた(´;ω;`)なんてこともないのが非常に良い。



 そして、サガフロのゲームシステムにおける大きな特徴といえばやはり「連携」!

 それまでのサガシリーズバトルといえば閃きと見切り、そしてLPという印象が強かったですが、サガフロ1ではそれらに加えて初めて「連携」が導入されました。

 仲間同士の技が合わさり、より高火力の技となって炸裂するのがサガの「連携」。

 これは後のシリーズにも引き継がれ、「閃き」に続くサガバトルの大きな脳汁要素として有名。


 連携すると連携名が面白くなるのも良いw

 サガフロ1では「跳弾跳弾跳弾跳弾跳弾」が有名ですね。銃はこのゲームでかなり強いので、自分も跳弾の連携は結構出したような。


 あとサガフロではないですが、ミンサガでよくやったのが

「金のボール砕き・神罰」。

「金のトロイメライ」+「アイスボール」+「骨砕き」で連携した上に三柱陣が出て「神罰」となる。

 竜騎士をある程度使うと決めた場合、理由がだいたいこの連携だったりしますw

 ミンサガは他にもヤバイ連携名あったな……例えば乱れバック突k(ヤバ過ぎて載せられないので略(;´Д`)



 リマスターでサガフロ1を初めてプレイしてみた自分の感想はというと……

 やはりサガシリーズの中でも人気作というだけはあり、結構やりやすく面白く、良ゲーという感じでした。初めてサガシリーズに触れるのであれば、ミンサガと同じくらいオススメ。

 それぞれの主人公のストーリーもかなり濃い。自分はアセルス編から始めましたが、これは人気出るよなぁ……と納得してしまう濃さでした。序盤の針の城で散々迷ったり森の従騎士に若干キレたりしたけどもw


 ロマサガシリーズが全体的に淡々とイベントが進むのに対し、サガフロ1はキャラの心情に寄り添いつつ物語が進行していく印象。神視点というよりキャラ視点に近く、感情移入もしやすいです。その代償か、名台詞名場面は多くてもネタ台詞が少なめな気もw


 主人公だけでなくサブキャラも濃い一方で、お話自体は結構短く終わるあたりもやりやすい。自分は主人公7人と、リマスターで追加されたヒューズ編(=7人の主人公の話を捜査官ヒューズの視点から見ていく形式)も7人分全員クリアして合計14周しましたが、そこまで冗長には感じなかったです。



 ただ残念ながら、それ以上のものが感じられなかったというか……

 面白かったんです。確かに面白かったんですが、面白かった良ゲーだったという感想以外がなかなか出ないというのが(;´Д`)

 ミンサガより先にやっていれば違ったかも知れませんが、私はサガフロより先にミンサガに、エルマンに出会ってしまったんだ( ノД`)

 作品全体の核となるもの(ミンサガで言えばエロールやサルーインといった神々)がなかったのも、ちょっと自分の好みから外れていたというのもある。



 あと、引っかかった点といえば……

 術の設定がこれまた複雑難解!!

 サガスカも結構分かりにくいですが、それを大幅に上回っている感あります。


 まず術の名前が覚えにくい! 素直に火術水術土術風術光術闇術でいいじゃないかよ!! 何だよ妖術陽術印術陰術心術命術秘術邪術ってよぉ!! ただでさえ分かりにくい上に読みが被るものもあるし、ミンサガと被る術もあるしで混乱する!!

 他のサガシリーズと同様、術にはそれぞれ相反する術がありますが、陽術陰術以外はどれとどれが相反するのか、名前聞いただけじゃ分かりませんw

 ミンサガやってると幻術と魔術が相反だろと思ってしまうのも罠。


 サガフロの術には「資質」というものが存在し、資質を持っている術を使えば、バトル終了後にその高位の術を覚えることがある……という仕組み。

 店で買える術は資質がなくても使えますが、高位の術で無双するには資質をゲットする必要があります。


 例えば陽術の「スターライトヒール」は資質がなくとも店で購入でき、簡単に使うことが出来る。しかし陽術の高ランクの術である「超風」を使うには陽術の資質を手に入れ、さらに陽術を鍛えていかなくてはならない、という仕組み。


 元から術の資質を持つ者もいれば、後から取得することもできる資質もある。陽術と陰術と心術については試練をクリアすることで、印術はルーンを集めることで、秘術はカードを集めることで資質の取得が可能。

 しかし、資質ゲットの条件はかなり複雑です。


 相反する術の資質を同時に持つのは原則不可能だったり、種族によってゲットできる資質も違ったり……

 資質取得時にいる仲間は条件が合えば全員その資質がゲットできるけど

 印術秘術の場合は取得させたいキャラを関連イベント全部に参加させなきゃならなかったり

 その関係でどうしても資質取得が難しいキャラが出てきたり

 一度印術イベント始めると秘術イベント進行できなくなったり

 初期設定で既に相反する術の資質を持っていたりとかで

 何をどうやっても資質ゲットできないパターンも多かったり

 一度ゲットした資質はその周回では捨てられないから

 どの仲間にどの資質を取得させるかでイベントの順番とか仲間にする順番も慎重に考えないと(ry


 はっきり言う。ややこしいわ!!!!!!


 主人公7人(リマスター版は8人)のストーリーはそれぞれの色が濃い物語が展開されますが、中盤で自由行動が可能になるとだいたい術の資質集めに四苦八苦した印象。

 序盤と終盤がそれぞれで大きく違うかわりに、中盤がほぼ資質集めで終わったような。私の進め方が悪いだけかも知れませんが。


 主人公7人(と、ヒューズ編も7人分)全員クリアしましたが、4人目クリアのあたりで「これ、どれもこれも結局資質集めでは?」となってしまった。

 それを言ったらミンサガも運命石集めや四天王お使いや三拠点クリアとか、ロマサガ2も七英雄、ロマサガ3もアビスゲートがあるから、それと似たようなものと考えればまぁ……とも思えますが。

 ただ、サルーインやら運命石やら七英雄やら四魔貴族あたりと比べると「作品の中核」感に欠けるのがなぁ。実際それらのボスと比べると、資質イベントのボスは印象が薄い。

 別に資質イベントやらずともクリアは可能ではあるのですが、資質イベント以外にあまりやることがないので結局やらざるを得ないという。各主人公のメインイベント触ると自由行動できないことも多くなるし……



 あと、種族によってやれることの限界が大きく違うのもちょっと。

 とりあえずひと通り全主人公クリアした印象だと、ヒューマンが一番強く使いやすく、次に重火器使えるメカ。モンスターは特定の技吸収できれば強くなるかも知れないけど運用が難しく、妖魔はメサルティムと時の君とヌサカーン以外全員虚弱というイメージ(主に固定武具のせい) 妖魔は閃きがないのも痛い……


 ヒューマンは技も術も使えて閃きも出来るし大体の武器防具装備出来るし、滅茶苦茶使いやすいです。ヒューマンと妖魔両方の特性を持つアセルスも強いし、やり方によっては最強の術士になるブルー(orルージュ)も強い。

 それに比べると妖魔は憑依が出来ても強力な技を閃けないわ、良い鎧は装備できないわ、憑依しないとHPJPWP魅力以外のステータスは上がらないわ、そのくせ他の種族見下してる奴ら多いわで(ry

 しかし生命の雨を最初から使えるメサルティムは最高ですね。固定装備は滅茶苦茶お役立ちのメロウリングだし、超強力ボスには必須です。容姿も性格も可愛いし。

 毎回LP燃やして頑張ってもらってましたw


 モンスターも、吸収し続けて強い技覚えれば強くなるんだろうけど、面倒でなかなかやれていません。アレとアレはいらないから取り外してコレに替えて……が容易にできないし。

 最初の姿に戻れないのが個人的に一番イヤなポイント。クーンもモンスターたちも可愛いのに、吸収して別の姿になるともう戻れないってのが( ノД`) 元の姿を維持する方法ないのかなぁ。



 そして特筆すべきは何といっても、リマスターで追加された最強ボスですね……

 特定の条件を満たすと、ヒューズ編でそれぞれの主人公たちのラスボスを最強格にしたボスたちと戦えるのですが、これがまたヤバイ。

 自分は最強グレートモンドとしか戦っていませんが、本気で嫌になるレベルで強かった。

 第5形態まであってどの形態も5万だか6万だか10万だかのHPあって、合計するとHPはだいたい34万( ゚Д゚) 連携駆使すれば結構簡単に5ケタダメージ出せるゲームとはいえ、これは……

 1ターンに複数回攻撃で大暴れは当然として、ターン間の全体攻撃まであってこっちの防御を剥がしたり倒れているキャラのLP削ったりするのも地味に嫌。


 その上最終形態あたりになると平気で4ケタ喰らうバスターランチャー(単体攻撃ではあるけど周囲にも大ダメージ)を毎回撃ってくるとか。こっちのHPは最大でも999だよ!!!

 真サルーインがどれだけ良心的な「最強」だったかをまざまざと実感させてくれる。アニメートがないのが唯一の救いか……



 ですが、何とか最強グレートモンドは倒しました。タイムリープなどのいわゆる外道術も色々使ったけどそれでも何回失敗したやら( ノД`)

 ヒューズ・エミリア・レン・ルージュ・メサルティムというPTで倒しましたがラストはメサルティムLP0、ヒューズもルージュも倒れてレンはLP1、エミリアは瀕死でJP0、いずれもWPはギリギリというw

 しかしそれ以降最強ボスとは戦ってません。エルマンがいればもうちょい続けてたかもw

 最強グレートモンドが最強ボスの中では最強らしいしもうそれでいいよね(疲労)



 そして行ってみたリマスター版開発室。

 とあるキャラにクリア状況(戦闘回数などのデータ)教えてもらったら、いきなり「逃げすぎじゃない?」とか言われたのですが



 俺は普通だ! 俺は普通でお前ら(の出す敵の量と速さ)が異常だぁあ!!



 という某キャラの叫びがよぎったのは言うまでもありませんw

 簡単に退却できるのは楽だし進行度の概念もないのはいいけど、とにかくやっぱり敵多すぎで速すぎるんだよ!!




 さらにリマスター版開発室では、最強ボスを一体でも倒すと挑戦できるボスがいます。

 その名もパープルシャドウ、通称忍者。

 こやつこそ最強と言っても過言ではないでしょう。サガフロ、いやサガシリーズでも最強では。

 一度対戦した時は初手から乱れ雪月花やらムーンスクレイパーやらを一方的に喰らいまくって何も出来ず、見事に全滅しました。

 それ以降何もしてません。エルマンいればかじりついてでも挑戦したかも知れないがw


 俺は普通だ! 俺は普通でお前ら(の出す敵の強さ)が異常だぁああぁあ!!


 という某キャラの絶叫が(ry




 やっぱり、強いボスと戦う上で

「滅茶苦茶強いけど、鍛えれば手が届く気がする」のか

「どんなに鍛えても手が届く気がしない」のか。

 その違いは重要だと思います。


 最強グレートモンドもそのラインを若干超えてた感ありましたが、忍者ときたらもう……

 最強ボスというより、バグっておかしくなったボスという形容が正しい気が。開発室のオマケ要素だし別にいいと言えばいいんですが。

 ミンサガリマスターの極サルーインの方が、まだだいぶ良心的じゃないかなぁ。あっちもまだ倒せてないけど。


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