3.ロマンシング サ・ガ3~痒いところに手が届かない~


 ロマサガ2から約2年。1993年11月に発売された、ロマサガシリーズ3作目にしてサガシリーズ6作目。シリーズ最後のスーファミ版だそうです。

 今回も前作とは全く違う世界観で、主人公を男女8人から選ぶ方式。勿論フリーシナリオ&シンボルエンカウント。

 つまり、どちらかといえばロマサガ1に立ち返ったとも言えるでしょう。


 300年に一度起こる現象、「死食」に弄ばれる世界が舞台。

「死食」が起こればその年に生まれた生命は全て命を失い、世界は荒れ果てる――

 600年前の「死食」で唯一生存した赤ん坊は魔王となって世界を恐怖で覆い、

 300年前の「死食」で同じく生存した赤ん坊は聖王となって、魔王を討ち取った。

 そして今――再び「死食」が起こって15年。

 世界は動乱の時代を迎え、かつて聖王が封印した「アビスゲート」の扉が再び開こうとしていた。

 そんな中、必死に生きようとする8人の主人公の運命は?



 というのがおおまかなストーリー。

 こうして書いてみて思いますが、ロマサガ1や2と比べると若干複雑なストーリーです。

 ロマサガ1の主人公は貴族の息子もいれば海賊にシティシーフに蛮族とかなりバラエティ豊かな印象がありましたが、今回の主人公は8人中4人が辺境の村・シノン出身の若者という設定。

 他4人のうち3人も同じロアーヌ王宮出身(それぞれ侯爵・その妹・その侍女)。残る一人は全く別の地域出身の風来坊ですが、主人公の出自という点では若干バラエティ性に欠けるか?という気もしないではない……

 ただ、序盤に8人の主人公が全員集合するシーンがあるのは今でも良いなと思います。

 ロマサガ1だと偶然に頼らない限り無理だし、ミンサガでも8人揃い踏みが見られるのはクリア後のおまけ映像だけだしなぁ。



 私が選んだ主人公はシノン組のリーダー・トーマスことトム君でした。

 容姿が好みだったというのが最大の理由ですw

 それ以外の主人公もロマサガ1と同様、ひと通り序盤はやってみたのですが、やっぱりどれもラストまで行けずに終了という。

 何でかっていうと、途中でめんどくさくなったというのが一番大きいのですがw

 あと、スーファミ版の当時のセーブ方式が他のデータを上書きしやすい仕様になっていたというのもある。例えば


 トーマス編をやる

 ↓

 途中で試しにサラ編を始めて序盤の展開を楽しむ

 ↓

 トーマス編に戻ってある程度やってセーブする

 ↓

 何故かサラ編にトーマス編を上書きしてしまう惨劇発生( ノД`)( ノД`)


 数十年前の記憶ゆえ詳細間違ってるかも知れませんが、このテの上書き事故が自分の場合頻発したような。そしてトム君以外の殆どの主人公は誤って上書きして終わったような。

 なのでクリア出来たのはトム君だけで、私のロマサガ3は1周のみで終わりました……



 閃き、見切り、陣形、LPなど、ロマサガ2で出てきた要素もしっかり引き継がれているのが嬉しかったです。LPも宿屋に泊まれば回復可能になり、万一0になっても一定条件下で(かなり厳しめの条件ですが)復活可能となり、ロマサガ2に比べるとだいぶ優しい世界になった!


 そして何といっても、ミニゲームの一つであるトレードがやたら楽しい!

 自分の会社を設立し、他の会社を次々に買収していって自社の規模をどんどん拡大していくこの「トレード」、本編より楽しい!トレードに夢中で本編が進まない!!という意見も結構見るw

 お金がジャンジャカ積み重なっていくさまが単純に快感だし、次々にグループ技や駆け引き技を覚えて強引にゲージを動かして相手を圧倒していくのも気持ちいい。同時に、いつ自社グループから協力会社が独立してしまうかという緊張感もある。

 商人たるトム君が主人公でないと出来ないのかというとそういうこともなく、トム君を仲間にして一定条件を満たせば始められるというのも良い。


 トレードとは別に、マスコンバットのミニゲームもある。他の主人公でも何戦かできるがミカエル編では結構何度もやることになる……が、こっちは難しすぎて途中でめげてミカエル編ごとぶん投げた記憶が(ゾンビ軍団に全然勝てず)

 ミカエル編では他にロアーヌの施政も出来るけど、これも結構難しかったような( ノД`)



 主人公陣は同地域出身同士が多いとはいえ、その運命はやっぱり波瀾万丈。

 普通の少女かと思えばとんでもない宿命を背負っていたり、放浪の旅を余儀なくされたり。

 お姫様を守る騎士となるか禁断の二人旅に出るか、はたまた幼馴染への想いを全うするかの選択を迫られたり……選択によっては行先を大きく制限されたり……

 それでもそこはフリーシナリオ。主人公によってはひたすら力を試す自由な旅もよし、トレードに邁進し続けるもよし、国を大きくしていくのもよしだったりします。


 さらに仲間キャラのバラエティ度合はロマサガ1・2からさらにパワーアップ。

 吸血鬼にザリガニに妖精にぞう、果ては雪だるままでが仲間になります! 生物ですらなくなってきた!!w


 あと、正直閉口するような仲間も結構いる。

 話しかけたら勝手に仲間になり、別れようとしても「いやです」とか言われて離れてくれない詩人とか。

 勝手にこちらを追いかけてきて勝手に仲間になり、外れてくれと頼んでも「やだ」とか言われてやっぱり離れてくれない上、特定の街に行くと勝手に離脱する小娘とか。

 うっかり仲間にしたけど正直クソ弱いから外そうと思ったら「けっ!」とか言われて離れてくれないジジイとか。

 全員LP0にして強制離脱させたのは言うまでもありませんw

 いや、あのジジイは某ボスを倒せば強くなるのは分かってるんですけどね……それまでがシンドすぎるというか。



 それから各キャラの能力値は基本的に固定で、戦闘しても上がることはありません。

 バトルで伸びるのはHPやWP・JP(技ポイントに術ポイント。要は技や術を使う時に消費するポイント)、武器レベル、術レベルのみ。閃きやすい技もキャラごとに違っていたりします。

 なので腕力・素早さ・器用さ・意志力などといった元々の能力、得意武器の傾向などのキャラクターの個性がより重要視されるとも言える。例えば術が得意だけど大剣は苦手なキャラが、大剣を得意とするキャラに大剣の火力で勝つことは非常に困難(逆も然り)

 また、キャラの最大WPと最大JPに一定以上の差があると「このキャラは技(or術)が得意!」と見なされてWPかJPに王冠マークがつき、王冠のついた方のポイントの消費量が1減る(両方に王冠をつけることは出来ない)というシステムもあることから、斧も得意だけど火術も得意!!というキャラを作ることは非常に難しい。


 これについては賛否両論かと思いますが……

 自分は推しキャラには大剣でも格闘技でも術でも何でもやらせてみたい!というタイプなので、個人的にはあまり好きではなかったりします。主人公キャラであればある程度カスタマイズは可能ですが、それでも限界はあるし。

 特に、「このボスには弓と術が効く! パーティ全員弓か術キャラ必須!!」と言われているけど推しキャラは弓も術も苦手で……というパターンの場合、そのボス対策には推しを使えないなんてこともあったりするし。

(ミンサガはその点、LPとBPと固定装備以外でのキャラ差が殆どない為、主人公キャラ以外であっても自由に育てられるのが非常に良い。

 最終的にステータスが全キャラ横並びになるタイプのゲームは、逆にキャラの個性を消してしまうという意見もあったりで賛否両論ですが)



 また、特にロマサガ2と比べると

 ・術が比較的弱い

 ・武器・防具の開発に制限がかかりやすい

 ・明らかに未完成なイベントがある

 というのも結構な難点。


 ロマサガ2でウィンドカッターが成長していった時の強さに感動しただけに、3での弱体ぶりにはゲンナリしたものです。トム君が術得意なだけに悲しみも倍増(回復術はお役立ちでしたが)

 武器開発もロマサガ2と似たような方式(一定の枠の中から開発したいものを選ぶ)で開発していくのですが、超レアアイテムがないと開発できないというパターンが多く、開発できないものでどんどん枠が埋まっていきいつまでたっても開発が進まない……という事態が頻発していたような。


 そして「明らかに未完成なイベント」……

 これは最早サガシリーズおなじみと言ってもいいかも知れませんがw、ロマサガ1はともかく2ではそこまで未完成なイベントはなかった印象でした(1のリメイクたるミンサガでも、何だかんだで殆どのイベントは完結していたイメージ。未解決で終わるものもあるけどきちんとしたやり方をたどれば完結できるイベントが多い)


 ただ、ロマサガ3に関しては「これ何だったの?」と思ってしまうイベントが非常に多い!

 リブロフに行くと某小娘が勝手にどっか行く理由とか、「ぬれてにあわ」の夫婦とか、水晶の廃墟とか「私が町長です」のアレとか……

 主人公8人を全員ちゃんと最後までやれば分かるものもあるかも知れませんが、その気力はなかったorz

 しまいには「結局聖王と魔王って何だったの?」「ラスボスは何者だったの?」となるし。

 前作の七英雄的存在の強ボス・四魔貴族についても謎が多い上、七英雄ほどキャラが立っているわけでもなく……

 リマスター版はプレイしていませんが、結構問題点が多く評価はイマイチとの話をよく聞きます。ここはいっそ、ミンサガ並みのリメイクが欲しいところです!




 それから、ロマサガ3で初めて導入されたシステムの一つに「コマンダーモード」があります。

 主人公が大まかな戦法を指示し、それに沿って仲間が自動で動くモード。ドラクエで言うところの「いのちだいじに」「ガンガンいこうぜ」みたいなものです。

 このコマンダーモードでしか使えない「陣形技」という強力な技もあったり、自動回復も出来たりして、使いこなせればかなり良い感じのシステムだとは思うのですが……


 一部の例外を除き、主人公が控えに回らないと使えないというのが痛い!!

 ガンガン戦うトム君を見たいのに、控えに回せるわけがねぇだろう!!

 というわけで、自分はコマンダーモードはほぼ使いませんでしたw

 以降のサガシリーズでもあまり見ないし、そこまで評価されなかったシステムなんだろうか。



 ちなみに伝説と言われるロマサガ3攻略本「練磨の書」、実は今も持ってます。

 トム君を強くするべく、最初に宿星と得意武器をどうするべきか、当時の自分なりに研究してエンピツで丸つけた跡があるw 

 あと、「左上→右上(昇)→右下→右上→……」とか延々書いてあるメモが挟んであって何かと思ったら、神王の塔の自作攻略メモだったww



 未解決の謎の多かったロマサガ3ですが、中でも最も謎めいていたのが聖王。

 しかしウン十年後の現在、エンサガ・インサガ・ロマサガRSなどのサガシリーズソシャゲにおいて、実は女性ということが明かされ大人気となっております。

 ですが、個人的には……

 当時は男性と思っていただけに、この聖王「ちゃん」には今でも違和感が拭えないのが正直なところ。練磨の書でもずっと聖王は「彼」表記だったし、ヴァッサール(聖王三傑の一人。ソシャゲでは聖王を支えるイケメンとして知られる)は女術士だったという記述もあるし

 ……いや、何百年前の伝承ってそういうものかも知れませんが。


 海賊シルバーだってミンサガで可愛い女子と判明したんだからいいじゃん!と仰るかたも当然いらっしゃるとは思いますが、何て言ったらいいのか分かりませんが彼女とはなんか違うんです……

 ただ単にデザインが自分好みではないだけかも知れない。女子は女子でも、可愛い方面にしたいならシルバーみたいに思い切り可愛く、威厳あるカッコイイ感じにしたいならそっちに思い切り振ってほしかった。なんか胸だけ盛ってるけど中途半端というか。

 サガ系のどのソシャゲでも、原作のプレイアブルキャラは勿論、主人公たちまで差し置いて出張ってくるから正直(これ以上は愚痴になるため略。ファンのかた大変申し訳ございません!!m(__)m)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る