第18話 第八番惑星基地脱出
第二打撃艦隊が、第八番惑星の戦闘宙域に転移によって現れた。
戦艦ミズーリ。巡洋艦モスクワ、五十鈴、阿武隈、ボルチモア、カナリアス、バレアレス、寧海。J級駆逐艦5隻、吹雪型駆逐艦12隻、フレッチャー級駆逐艦9隻。当初の艦隊から戦闘によって大幅に数を減らしていた。
合流した地球艦隊は、もはや囮ではなかった。そして、レイの破壊工作も終わりを迎えようとしていた。
「サトゥとかいうののパイロット、フォルフェとか言ったか。 薬物強化に志願したとか。本当に実戦に出して大丈夫だったのか?」基地内の指令室で、ズが研究者に尋ねた。
「彼女は元からいい腕だったようです」研究者はそれだけを答えた。
煙の立ち込める基地の中で、レイは警備のザダーを蹂躙しながら白いドームような発電所を破壊して回っていた。
「最後の発電所をぶっ壊せば、後は脱出するだけだね!」ローダが、作戦内容の確認をする。
「待った。敵影が一つ迫ってきてる」レイが、背後から迫る敵の存在を示す。
「こいつ、サトゥか!」ローダはそう言って発電所に向けて後から付けられた操縦席内の引き金を引いた。
レイの全身に着けられたミサイルポッドからミサイルが放たれ、それらは発電所を破壊する。
すぐさまレイは空になったミサイルポッドを分離して振り向き、自身に向かってくるサトゥに向けて額のレーザーを撃った。
レーザーはサトゥの装甲であっさりと消滅してしまった。
「そんなものが効くものか金ぴか!」サトゥのパイロットはそう叫んでいた。
サトゥの右腕とレイ左腕の拳撃がぶつかり、サトゥのマニピュレータが粉砕される。そして、レイは右腕でサトゥのコックピットを目一杯殴りつけた。
「負けるか、負けるものか!」サトゥのパイロットが体を潰されながらそう叫ぶ。
サトゥから、紫の光がほとばしる。完全に炉の機能が停止したはずのサトゥから、光を伝ってレイに通信が入った。
「戦いに縛られて死ね……」通信はすぐに途切れ、サトゥは爆散した。
「なんだったんだ今のは?」ローダはそんなことを呟いた。そして、四方から放たれる光線を躱しながら、第八番惑星の上空にやってきた。
レイは日向までの通り道に居た空母の発艦口にレーザーを打ち込み、さらに中に突っ込んでメインエンジンへの伝達系を殴って破壊して、様々な隔壁を貫いて空母から脱出し、日向に帰還した。
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