第13話
クリンと話し合って、大人の救出に行ったポン達を追うことにした。
クリンは、空気の中の水を感じ取って、どこに誰がいるかなんとなく分かるんだそう。特にいじめっ子代表みたいなポンのことはいっつも気にしてたから手にとるように分かるんだって。
「血のにおいがする。」
クリンはポン達の近くに血のにおいが混じってるって言って、焦ったよ。
クリンは僕を川に連れて行った。
この川の上流近くから匂うんだって。
「乗って!」
クリンが川に飛び込んで、言った。自分の甲羅の上に乗れって言う。
僕は、クリンにうなずき、慌ててその背中に乗った。
クリンは、びっくりするほどのスピードで川を泳ぎ、あっという間に上流へ。
そこには、血を出して地面に転がるポンと、細かい傷だらけのコム、シェン、そしてチェンがいたんだ。
「助けて・・・」
そのとき、僕とチェンの目が合った。
声にならない唇の動きが、助けて、って言ったんだ。
チェン以外はいじわるだったポンたち。
でも、知った顔がみんな血だらけで、しかもおびえたり気絶したり。
僕の中で何かがカチンと鳴った気がした。
「ワァァァァ!」
全身に何かが暴れ回り、そしてはじける。
グウワァーーーン
木々が、大地がはじけ、たくさんの鳥人がはじけ飛ぶ。
?
あれって天狗?
リーダーっぽいのは、天狗みたいに見えた、けど・・・
そう僕が思った瞬間、光がはじけたって思ったら、僕自身が、どっかに弾き飛ばされたんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます