第12話

 「いじめられたこともあったけど、でも親切にもされたんだ。本当は僕も大人達を助けたい。」

 僕らはいっぱい話をして、最後にクリンはそんなことを言った。

 でも子供だし、クリンの使えるのは水を動かす魔法だけ。



 「魔法、どうやるの?」


 クリンは僕のおへその下に手を置いた。

 「ここに魔力の源があるの。だからね、それを意識して、まずはそれが全身に回るようにするんだ。」

 クリンの手から優しいあったかいが流れてくる。

 そうして僕の中の何かが動いて・・・って、できた!

 クリンと同じ魔法ができたんだ。


 そのあと、シェンの魔法、長老の魔法、そして僕が使った魔力をボンって出す魔法。

 見た物とかをイメージしたら、簡単にできたんだ。

 なんだ、こんなに簡単なことだったんだ。

 僕は、いつのまにか、漫画とかアニメで見た魔法をイメージするだけで、簡単に使えることに気づいてしまったんだ。


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