第10話
ちょっと時間が遡る。
ポン達に頼まれて、僕は、みんなの手伝いをするために魔法の練習をすることになったんだ。
うん魔法。
当然、僕のいた世界にはなかったし、さっき僕が使ったらしいポンを突き飛ばしたのもどうやったかなんてわかんない。
魔法が得意だっていうシェン、チェンの双子姉妹に、教わりつつ練習したけど・・・
シェン「だから、こうシュッてやってスパッよ。」
かまいたちって言うのかな?風を刃にして飛ばし、木の枝を落とすんだ。
って、わかんないよ。
チェン「えっと・・・治れって思いながらポウって。ほわって、です・・・」
治癒の力?
だからそれじゃわかんないって。
こんな指導だけで、どうすりゃいいの?
で、やり方をわかんないままに、やぁ、とか、とぉっとか、ちょっと恥ずかしい感じで力んでみたり。
結局ダメで、さっきのシーンってわけ。
トコトコと歩いてコムに連れてこられたのは、池?沼?
そんなところ。
「おーい、できそこなぁい!裸族もどきのクリン!!出てこいよぉ!」
大きな声でコムが呼びかける。
しばらくして、水の一部がブクブクってなって水紋が揺れたって思ったら
!
お皿?
水面を割ってぬっ、て出てきた緑のソレ。
「か・か・か・かっぱ!?」
思わず叫んだよ。
どう見てもかっぱ。
お皿に大きな目。横広がりのくちばし。
背中には亀みたいな甲羅。手には水かき。全身緑色。
「げっ、裸族!」
こっちもびっくりしたけど、向こうも僕を見てびっくりしてた。
「ふん。おまえも裸族みたいなもんだろうが。てことで、この裸族、面倒を見るようにって長老からの命令ね。勇者召喚の失敗作だけど、子供で裸族だし、返すまで面倒見ることになった。喜べクリン。おまえに仕事をやる。これでくちばしの奴らとの疑いをしっかり晴らすんだね。」
コムは、そんな風に言うだけ言うと、きびすを返して、元来た道を帰っていったんだ。
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