第4話

 いってぇ・・・


 僕は夢の中で落ちるみたいにストンって感覚を感じたって思ったら、尻餅をついて転がっていた。


 いてててて・・・


 鳥居をくぐるあたりで躓いたのかな?

 そんな風に思いながらお尻をさすりつつ、ゆっくりと立ち上がる。


 ん?


 鳥居ってこんな色だったっけ?


 確か、木を削ったまんまみたいな茶色っぽい鳥居だったと思うけど?

 僕の横にあるのは大きさこそ同じぐらいの小さな鳥居だけど、木に朱色でペイントした物だ。


 山の中で薄暗いから見間違えた・・・のかな?

 僕が、そんなことを思っていたら・・・



 「なんだおまえは!?裸族か?レオをどうした?」


 突如、甲高い男の子の声がまくし立てたんだ。


 え?


 僕は声がした方を見て、思わず固まった。


 なんだ、あれは?


 僕はを見て、息をのんだ。


 え?え?


 僕はちょっとパニックになって、後ろを振り返る。


 え~~~~~


 僕の背後にはあるはずの階段がなくなっていて、代わりに大きな社があったんだ。

 しかも周りはどう見ても森とか林とか、そんな草木が生い茂る平らな場所で・・・



 そして何よりも、


 僕に対してわめいているのは、・・・膝丈の着物みたいな服を着た・・・獣、だったんだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る