第2話 生まれ変わってもギフテッドにはなれない

僕にはうらやましいと思う友達が何人かいる。

 運動も勉強も人間関係も充実している文武両道な奴。友だちとどこそこに行ったことをこれ見よがしにイ◯スタに投稿してリア充を体現するやつ。

 どいつもこいつも、僕にはない何かを持っている。

 逆に何も持たない僕はどうだろうか。「陰キャ」のひと言ですむならば

まだいい。僕は死んでしまったようだ。誰にも声をかけられず、誰にも知られず消えていく。こんな毎日に嫌気がさしながらも、日々を消化するしか能のない自分が、何よりも憎かった。


 いつもの学校からの帰り道、見慣れた舗装道路に、黄色いテープが張られていた。正しくはバリケードテープとか言うその黄色は、僕を拒絶しているように思えた。


 僕だけが除け者で。

 

 僕だけが中心にいなくて。

妄想で終わってしまっても構わない。


そう前置きをして、神でも仏でもないなにかに、願った。


 異世界へ・・・と。



 

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クラスで出来損ないの僕は、異世界転生しても地道に勉強するしかないようです。 ゆーしん @0038283

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