第4話 ショタタイム

じろくんはわたしよりも小さくて見た感じは小学生ぐらいな感じだった。


私はじろくんを抱き枕のようにして抱きついた。


ちょうどいい大きさだった。


この子も成長するとカムイくんたちみたいなイケメンになるのかなー。


なんてことを考えてしまう私は大丈夫だろうか。


「くっ、苦しいです。」


私の腕の中でじろくんがもがいていた。


「あっ、ごめん。」


考え事をしているうちにじろくんを押し潰しそうになっていた。


この繊細な生き物には優しくしなければ。


私は一旦じろくんを離した。


じろくんは私の顔を見てニコッとした。


破壊力。


私はキュンとしてしまった。


「じろくん、これから私と一緒に寝る?」


なんか、おじさんになった気分だ。


「リア様は寂しいんですか?」


私の顔を心配そうに見つめてじろくんがそう言ってきた。


「寂しい?」


「僕はずっとここにいて、みなさんと一緒に働いているのが楽しいです。怒られることもあるけど、みんな優しくて寂しいと思わないです。」


この子は幼い頃からここで働いているのだろう。


この小さな子が頑張っているのに私が情けない顔はできない。


「寂しく無いよ。心配してくれてるの?」


「リアさん、最近元気ないです。この一年はリアさんの笑った顔を見ていないです。」


リアという少女は何か悩みがあったのだろうか。


今は私がリアだけど、本当のリアはどんな人なんだろう。


私は興味が出てきた。


「じろくん。私ってどんな人?」


じろくんは不思議そうな顔をした。


「リアさんは、とても優しくて、みんなのことを第一に考えていて僕の大好きな人です。」


その瞳は一切の濁りがなく、リアがどんな人なのかその一言で理解できた。


私とは全く違うのかもしれない。


だけど私もこの子たちの笑顔を守れるように頑張らないと。


いつ元の世界に戻るか分からないけど、それまでは精一杯リアでいよう。


「じろー。リア様。」


トントンとノックする音。


この声はカムイくんだ。


まずい。


ガチャッとドアが開く。


「なっ。」


時が止まった。


「何してるんですか。リア様。」


まずい。


飛び起きた。


それはもう見事にベットの下に着地してみせた。


「お、おはよう。どうしたのかな?」


誤魔化せないのはわかっているが、勢いで押し切る。


「おはようございます。」


カムイ君は頭を下げた。


そして顔を上げ。


「じろ。先に行ってなさい。」


「はっ、はい。」


じろは焦って飛び出して行った。


私もそれについて行こうとしたが止められた。


「リア様は何をされていたのですか?」


「あっ、いや、ただ。そのじろ君がその、子供みたいで。よしよしー。みたいな?」


私は明らかに挙動不審だった。


「嘘つかなくていいですよ。リア様はじろみたいな小さな子供がタイプですか。なるほど。」


カムイ君は淡々と言った。


「いや、そういうわけじゃなくてさ。いや、その、私はカムイ君みたいなイケメンが好きっていうか。」


何言ってんだ私。


「へー。そうですか。結局あなたは誰でもいいと。」


そういうと、カムイ君は私の腕を掴んで上に上げた。


そして顔を近づけた。


「リア様。子供に手を出すのは良くない。そんなに溜まってるんでしたら、私がお相手しましょう。」


耳元に囁くように彼は言った。


その瞬間私の頭は真っ白になった。


「えっ、あのっ、」


「大丈夫、痛くはしないから。ねっ。」


そういうとカムイ君は私をベッドに押し倒す。


そして服の下に手を入れ私の腹をツーっと撫でる。


触れるか、触れないか。


くすぐったい。


そして恥ずかしい。


その時の自分の顔は見れなかったが、絶対に真っ赤だった。


徐々に彼の手は私の胸のほうにきた。


やばい。


私は目を閉じた。


胸の突起をいじられる。


こねくり回すように。


「そんなに緊張しないで。」


耳元で囁かれる。


ゾクゾクッとする。


気持ちぃ。


私はゆっくりと目を開ける。


目の前にはカムイ君の顔があった。


かっこいいなぁ。


もうどうでも良くなった。


目の前にタイプのイケメンの顔がある。


私は両手を広げた。


「来てっ。」


再び目を閉じる。


彼の唇と私の唇が重なる。


思っていたより柔らかい。


今、私イケメンとキスしてるんだ。


そう考えるだけで頭が真っ白になる。


それだけで気持ちいい。


私とカムイ君はお互いを求め合うようにキスをした。


舌が入ってきた。


私の歯を舐めるように舌が動く。


私の舌と絡み合う。


この時間が永遠に続けばいいのに。


そう思った。


その時。


「カムイくーん。何してんのー。」


廊下から声が聞こえる。


ノック君だ。


カムイ君は私から離れた。


カムイ君の顔もほんのり赤くなっていた。


そして我に帰ったように。


「お呼びです。行きましょうか。リア様。」


仕方ない。


私も立ち上がって、乱れた服を直した。


カムイ君は私より先にドアの前まで行くと立ち止まった。


「リア様。続きは夜に。」


私はドキッとした。


なんだこの最高の世界は。

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