第3話 監禁?

集まったのは多くの兵士たち。


私は既に部屋に準備されていた服を着る。


これでいいのかと思うほど軽い装備だった。


なんか、その甲冑的なやつじゃないの。


これじゃ何も防げないんだけど。


そう思いながらも、私は強いらしい、私は強いらしい、そう言い聞かせる。


外に出ると、既に多くの兵士が集まっていた。


すごい。


圧巻だった。


「リア様。」


カムイくんが来てくれた。


紳士的な服装でまさに王子様という感じだった。


本当に今から戦うのかと疑問に思うほどに。


しかし、腰には剣が見えそこでようやく戦うんだなと思えた。


時間が過ぎ、私は戦場へ向かう。


これから何が起こるのか。


それは神のみぞ知る。


戦闘は直ぐに始まった。


だけど、私は動けなかった。


私が動かなくても勝てる。


だから、動かなくてもいいよね。


よく分からない私が見てもこの戦いは優勢だ。


大丈夫だ。


安全なところにいよう。


そう思って振り返る私。


そこにはカムイくん。


あれ、なんでここに。


その時私の意識が途絶えた。


どれくらいの間気を失っていたのか分からない。


何が起こったのかも、理解していない。


ただ最後に見たのは、カムイくんの姿。


彼が笑っている姿を見た気がする。


それも笑顔と言うより、少し怖い顔をしていた。


夢を見たていたのだろうか。


どこから、どこまで。


もし、これが夢だったとして、まだこの夢には続きがある。


私は今両手を縛られて座っている。


当たりを見渡すとそこは室内。


電気は着いていないが、下には絨毯が敷かれているようだ。


冷たくは無い。


なんで。


私、弱いじゃん。


そりゃそうか。


強いのはリアさんであって、私じゃない。


何がどうなっているのやら。


その時。


ガチャっと入ってくる音。


扉が空く。


光が差し込む。


その眩しさに慣れ、こちらを見てみると。


やはりそこにいるのはカムイくんだった。


「これはどういうことなの?」


「申し訳ありませんリア様。だけどあなたにこれ以上無理はさせられない。あなたはその強さゆえに今まで戦い続けてきた。だけどもうそれはしなくていい。みんなあなたが本当は戦いたくないことを知っている。だけどあなたは国のためだ真っ先に戦う。誰よりも戦いが好きなふりをして。もうそれも終わりです。ゆっくり休んでください。じろ、リア様の手錠を外して。」


後ろからたろくんが出てきた。


「はい。分かりました。」


そうしてやっと両手の自由が戻ってきた。



「あなたに窮屈な思いをさせないように私どもも頑張りますのでリア様何がありましたら、お申し付けください。」


カムイ君はそう言うと出て行こうとした。


「ちょっと待って、それでもなんで戦いの途中に。」


「貴方はこの戦いで大きな怪我を負ったということにします。そうすればもう貴方は戦いに出る必要はない。これは国民の願いでもあるんです。でも安心してください。私たちがおりますので。」


ガチャ。


2人は部屋から出て行った。


ドアには外から鍵がかけられていて中からは開けることが出来ない。


えーっと、つまりこれから私はずーっとここで暮らすのか。


退屈だ。


だけどイケメンたちにお世話して貰えるならまあいいか。


そう考えているとガチャッ、とまた部屋のドアが空いた。


「こーんにちは。」


知らない顔だ。


入ってきたのは金髪のチャラそうなイケメンだった。


「早速退屈だと思って来ちゃった。」


なんだろうこの窮屈な感じ。


金髪の青年はノックと呼ばれていた。


トイレに行くことは許されたが、ずっとノックがついてくる。


ずっと監視されている。


流石にトイレに入ってくるということはなかったけど、入り口で待っていた。


なんか恥ずかしいんだが。


食事の時もずっと監視されていて疲れた。


就寝時間になった。


やっと部屋からノックが出ていった。


最後に彼が言うには毎日誰かがずっとついて回ると言うことらしい。


私が期待していたチヤホヤされるというのはこういうことではないんだけれど。


ふかふかのベッドで横になる。


大の字になる。


昨日はこんなこと考える余裕がなかったけれど、こんなにしっかりしたベッドで寝るのはいつぶりだろうか。


というかこんなにいいベッドにはもちろん寝たことはないけれど、そもそも最近はずっと布団をひいて寝ていた。


こんなにも違うものなのか。


私はその日はすぐに眠りについた。


はぁ、疲れた。



そして、朝になる。


辺りが明るくなってきているのは分かったがどうせ閉じ込められたままだと思い、私は起き上がらなかった。


トントン。


ドアをノックする音。


聞こえたが私は動かなかった。


動きたくなかった。


またあのうるさい金髪が来るのだろう。


寝たふりで乗り切れるだろうか。


そう考えていると、ドアが空いた。


「失礼します。」


この声は。


この幼くて可愛い声は。


じろくんだった。


私は飛び起きた。


「じろくん?おはよう。」


私が突然飛び起きて話しかけたので彼もかなり驚いたようだった。


「おっ、おはようございます。」


やはりこのおどおどしてる感じ。


可愛い。


なんというかこの母性をくすぐられる感じ。


他のイケメンたちとは違う良さがある。


良さって言っても、昨日のはちょっと苦手だったけど。


「ねえ、じろくん?」


「はい、なんでしょう。」


私から話しかけたのでかなり驚いたようだった。


「私眠いからさ、一緒に寝ようよ。」


「あの、食事の準備ができたから呼んでくるようにと。」


私はその声を遮るように布団から飛び出して、じろくんに抱きついた。


「いいじゃん。少しだけ。」


「えっ、はっ、はい。少しだけなら。」


じろくんはやはり推しに弱いらしい。


いちゃいちゃたーいむ。












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