26.開戦-拳と鋼鉄と真実①

紅音と蓮夏が天音と戦闘をしているとき、他の皆もまた、戦闘をしていた。


……ふぅ。


遥「……かったいわね……」


???「……主人に傷はつけられませんので。私が硬くなければ。」


遥「……いいよ、ここからが本番だ」



ミコト「……分断、されてしまいましたね。」


遥「……仕方ない、先に進も?」


ミコト「……そうですね。それしかないですから。」


……暫く廊下を進むと、突き当たりに扉があった。

私はそれのドアノブを握って、回して、開いた……

そして、そこには。


少女と、全長4メートル程はあるだろうか。それだけのサイズをした、少女を肩に乗せる白い機械が居た。


そして、少女は言った。


沙織「……わ、ほ、ほんとに来ちゃった……!ど、どうしよう……!え、えっと……」


少女は、私達を見て戸惑っているようだ。


ミコト「……えーっと、君が、ペンタゴン?」


沙織「……あ、は、はい、そうです。ペンタゴンの……三角沙織って言います。よろしくお願いします」


ミコト「……うん、よろしくね。私は比良坂ミコト。こっちは私の妻の遥さん。ところで、その機械は?」


沙織「……あ、この子、は……私の異能なんです。零、って言って……私の、唯一の友達……ほら、零、挨拶」


零「……沙織……相手は我々を遅いに来たのですよ?」


沙織「……で、でも!戦わなくても、いいんじゃない……?話し合えばわかるかも……!」


零「……それが成せる相手なのですか?」


沙織「……や、わかんない、けど……」


ミコト「……なるほど。沙織ちゃんは、殺し合いっていうのはしたくない?」


沙織「あ、当たり前、です……血とか、怖いです……」


ミコト「……それはこっちもなんだよ、沙織ちゃん。できれば穏便にことを済ませたいんだ。お互い話し合って分かり合えるなら、話し合わないかい?」


沙織「……え、ほんとですか?」


零「……沙織、もしかしたら騙そうとしているのかもしれません。現にあの青い女性は敵意むき出しですよ」


ミコト「……あぁ、それはいつもの事だから、気にしないで。」


沙織「……そうなんですか?それなら話し合いをしたいんですけど……」


ミコト「……うん、話し合おう。」


遥「え、私めっちゃ殴り合う気で来たんだけど。どうすればいいの?」


ミコト「……遥さん……仕方ない、零くん?」


零「……なんですか?」


ミコト「……私と沙織ちゃんが話し合いをしている間、遥さんの相手、しててくれる?」


遥「お!やるか!?」


零「……沙織」


沙織「……大丈夫だよ、零なら」


零「……分かりました。危ないですから、沙織とミコト様は部屋を出ていてください。」


沙織「……うん、分かった。」


ミコト「……遥さん、壊さないようにね」


遥「……あー、善処するよ」


沙織「……大丈夫です、零は硬いですから!」


そんな会話をして、私と沙織ちゃんは部屋を出た。

……その瞬間、閉まった扉の向こうから、轟音が聞こえた。

血の気の多い人だ……



遥「……じゃ、今度はそっちから来なよ。その背に携えてるデカブツ、今使わないでどうするの?」


零「……なるほど、では、覚悟をしてくださいね。」


目の前のソレは……背中に携えた巨大な黒い刀を、抜いた。


遥「……いいね、燃えてくる。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る