23.開戦-爆弾と地獄、そして匣①

……暑い、部屋が暑い。熱気に包まれてやがる。

これがペンタゴンか……!


天音「……貴方も裏切り者ですか。……いえ、ある意味被害者とも言えますか。だとしても……敵ならば、ここで始末するのみです」


紅音「……あァ?ゴチャゴチャうるせェな、ペンタゴンだかなんだか知らねぇが、ここでお前は芸術になんだよ」


蓮夏「……全力で、サポートします!」


……遡ること数分前。


日和「……それでは、突入します!」


その合図と共に、私たちは裏口から突入した。

その瞬間、警報音が鳴り響く。


所内放送『所内に侵入者!裏口からです!戦闘員は各自対応を……って、ペンタゴン!?』


貉『よう侵入者共!態々来てくれてありがとう!連れてきた光もだ!いいか?戦闘員のゴミカス共は黙って大人しくしてろ!そいつらは俺たちが殺る。』


その声がした瞬間、私たちは突如飛んできた巨大な瓦礫に分断されてしまった。

私と光、紅音と蓮夏、遥さんと比良坂先生、日和と雫、そして性谷先生。


貉『数の暴力なんてしてもつまんねぇだろ?だから人数を減らしてやるよ。そのまま真っ直ぐ進んでこい。そこで待ってるからよ』


夜見「……厄介だな、皆、大丈夫?」


日和「大丈夫です……!」


涼「こっちも!」


遥「私たちも大丈夫だよ!」


紅音「平気だ、任せとけ」


夜見「……分かった、じゃあ皆……勝って、また集まろう!」


……なんて言ったがよ……コイツはやべェな……規格外って感じだ……


天音「……来ないなら、こちらから行かせてもらいますよ。地獄門、開通します。」


ヤツがそう言うと、禍々しいよく分かんねぇ……なんだ?門って言ってるし門か、それが出てきやがった。

なんだアレ?兎に角やべェ雰囲気は伝わってくるな……

なら先手必勝だなァ!


紅音「喰らえやおらァ!」


俺は爆弾を一気にこれでもかという量生成してヤツにぶん投げる。


天音「……なるほど。そういう異能ですか。では……」


ヤツがそう言うと部屋が煙に包まれた。なんだ……?


蓮夏「紅音さん!危ない、避けて!」


紅音「……あァ!?」


その言葉に反応して咄嗟にその場を離れたら、俺の投げたはずの爆弾が打ち返されてやがった。

ソレは壁にぶつかって爆発して、そこが一気に崩れ落ちた。

……なんだ……?何が起きた?

そう思ってたら煙が晴れて、そこには意味の分かんねぇバケモンが二匹いやがった。


天音「……地獄の獄卒、”牛頭馬頭”。ただいま上陸致しました。」


それは、デケェ棍棒を持った、牛の頭した人間と馬の頭した人間だった。


蓮夏「……牛頭馬頭、地獄にいるとされる、あの……?」


天音「……おや、そちらのお嬢さんはよく知られているようで。その通り、仏教で語られる地獄に存在する獄卒の内の二人……牛頭馬頭ですよ。」


紅音「……あァ?」


天音「生憎私は運動が得意ではありませんので……こちらの二人に、戦闘は任せてもらおうかと。では、始めましょうか。」

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