22.策、そして開戦

……さて、本当にどうしましょう。

あぁ、そうですね、彼らに勝つ方法を考えでもしますか。


しかし……いえ、本当にどうしましょう?

よくよく考えれば、アレらに勝つ手段なんて、そうそう思いつきません。

化け物が四人……いくら数で優勢とはいえ、素の力が違いすぎる。

どうやって勝つ……いや、勝つ?

そこまでして勝つ必要はあるでしょうか?

なんとか戦わずして解決する手段が……

あ、一つだけ……ありますね?

いえ、ですが倉橋さん達の目的は研究所の壊滅、でしょうし……

……一度提案してみますか。

しないことには始まりませんから。

……いや、でも……

そうだとしても戦うことになるのでは?

この手段を実行するには所長のもとへ向かわなくてはなりません。

……そこに向かうまで、四人が話を聞いてくれるかどうかですね。

いや、一人絶対に聞いてくれない人が居る……

となると、やはり戦闘は避けられない、ですか。

勝つ手段を考えなければ、変わりませんね。


……スマホから音楽が流れて、約束の時間を告げた。

三時半。ここから三十分歩いて、研究所近くの森まで行く。

家族に気づかれないように、家を出る。

そうすると、そこには彼がいた。


光「……おはようございます、夜見さん。」


夜見「……あぁ、おはよう。」


光「……それでは、向かいますか?」


夜見「……うん、行こう」


光「……了解です。案内は任せてください。それと……一つ、伝えたいことがありまして」


夜見「……?なに?」


…暫くの間光と道を歩き、四時前に森に着いた。

そこには既に皆が集まっていた。


遥「お、主役の登場……って、誰だそいつ?」


日和「……あ、夜見さ……え?な、なんで……?」


紅音「……あ?」


日和「……なんで、ペンタゴンが夜見さんと一緒にいるんですか……!?」


遥「えっ」


涼「……?」


紅音「はぁ?」


雫「なっ……?」


蓮夏「え……?」


ミコト「……」


夜見「……そういえば、言ってなかったね。そう、日和が言う通り、この人は”元”ペンタゴンの、敷山光だよ。訳あって、私たちに協力してくれる事になった」


光「よろしくお願いします、皆さん。今回の作戦、必ず成功させましょうね。」


日和「……信用して、いいんですか?」


夜見「……うん、大丈夫だよ。きっと光は嘘をついてないから」


日和「……分かりました。では作戦を開始しましょうか」


紅音「っしゃあ!全部ぶっ壊して芸術にしてやんよ!」


ミコト「……私と水浮さんはサポートに回る予定だよ、よろしくね」


蓮夏「……はい、ここで絶対に勝ちましょう」


遥「ミコトに手出すやつ全員殺しに行くぞー!」


涼「ま、頑張りますか!」


雫「……ま、なんだかんだ言ってボクが居れば勝ちは確実だけどね!」


夜見「……うん、行こう。私たちで研究所の悪事を止めるんだ。」


……戦いが、始まる。

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