11.家で③

……夜見が私を抱いて眠りに就いてから、数分が経った。

あっという間に夜見は寝て、静かに寝息を立てていた。


……待って、改めて考えてこの状況はいったい……?

夜見に言われたから甲冑を脱いだけど……

そしたら……ベッドに連れ込まれて……抱き締められてるのですが……?

一応私は他の騎士と違いほぼ人間のそれなので眠る事もできますが……だとしても、眠れないですよ、この状況……?

というか、この状況見られたら不味い……いや、だからこうして私が異能力者以外から視認されない状態になってるんですけど……


……本当に……直ぐに眠るんですね、夜見……

普段は態度のせいで分かりませんけど……

こうして眠っている姿を見ると、可愛らしいですね……

……いや、何を考えているんですか私?

私は夜見の忠実な下僕なのですから、そんな、目上の者にその様な感情を抱くとは……


等と私が頭の中で考えを巡らせていると、突然夜見が抱き締める力を強くしてきた。


ナイト「えっ」


思わず声が出てしまった。え、なんですか、急に。


夜見「あー……ナイトぉ……?」


えっ起きてるんですか?


ナイト「は、はい……?なんでしょう?」


夜見「ふふ、ふふ〜……」


……え、もしかして寝言って事ですか?ちょっと待ってくださいよ、私どうすればいいんですか?本当に寝れないんですが。


……あの、本当に、どうすれば?


夜見「きまってるでしょお、ないともぎゅってしてよ〜」



……?


…………?


????

夜見……?さん?

……もしかして

夜見……貴女は……なんというか……寝惚けている、と言いますか……そういうのが、かなり酷い……?


夜見「はーやーくー……ないとー?わたしのいうこときけないの?」


待って、なんでほんとにこんなに……

あ、もしかして……

夜見……は、母親から半ば育児放棄を受けていた、訳ですから……

内心、愛に飢えている、のでしょうか……?


……まさか、こんな形で夜見の内面を知る事になるとは……


夜見「ねーまだー?」


というかコレ起きてませんか?それとも夢でも見ている……?


夜見「ねーえ」


……


ナイト「分かりましたよ、はい」


そうして私は夜見を抱き締め返す。なんで?

なんでこんな恥ずかしい事を……!?!?

頭がパンクしそうです……


夜見「……あんがいあったかいんだね」


ナイト「……まぁ、ほぼ人間と変わりませんから」


……というか、夜見も暖かいですよね……

ん……あ、私まで眠くなってきました……


ナイト「あの、夜見……私も一緒に寝ていいですか?」


夜見「ん、いいよぉ〜」


ナイト「ありがとうございます。それではおやすみなさい、夜見……」


夜見「んー……おやすみ、ナイト」


こうして私は夜見と抱き合って……なんで!?

ま、まぁとにかく、抱き合って眠りに就いた。

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