8.久しぶり②
蓮夏「え、え……?なんで?私なにかしちゃったかな……」
夜見「しらばっくれないで……思い出したけど、貴方……異能力者だった子だよね。そんな子が、今更私を訪ねに来る、そうなったら……
それは、研究所からの刺客、そうでしかないの。」
蓮夏「えっと、ほんとに何の事か、分かんないよ……?」
夜見「……はぁ、じゃあ何の用だって言うの?五年、五年も話してなかったのに?今頃私に用?」
蓮夏「うん、私も正直覚えてなかった、けど……最近、思い出して、それで……あの時のお礼、できたらいいなって」
夜見「あんまりにも都合が良い気がするけど……敵意は感じない、わね……しょうがない、信じるわよ」
蓮夏「……!ありがとう、夜見ちゃん!それで、お礼、したくて……これ、持ってきたの!」
夜見「……なに?これ」
そこには、名状しがたい見た目をした、得体の知れない物体があった。
蓮夏「あはは……そ、そうだよね……これ、チョコレートのつもり、だったんだけど……上手く作れなくて。嫌だよね?」
夜見「いや……うん、大丈夫だよ。食べてみてもいい?」
蓮夏「え!?いや、大丈夫だけど……夜見ちゃんは良いの?」
夜見「うん、折角手作りなんでしょ?貰わないと失礼だよ。」
蓮夏「……!じゃあ、はい……!美味しかったらいいな……!」
そして蓮夏から手渡されたチョコレートの様な何かを受け取り、口に入れる。
夜見「ん、あむ……ん……ん!?」
蓮夏「えっ、大丈夫……!?不味かったかな……?ごめんね……!」
夜見「いや、ちがくて……凄い、これ美味しいよ、びっくりしちゃった」
蓮夏「え、ほんと……!?」
夜見「うん、いい感じに甘くて……私の好きな味。見た目は、アレだけど……ありがと、蓮夏」
蓮夏「いや!お礼するのは私の方、だから……あの時は、ありがとう、夜見ちゃん。それじゃあ私は帰るから……また明日、会えたらいいな……」
夜見「あ、ちょっと待って、蓮夏」
蓮夏「えっ?」
夜見「私と一緒に、戦う気は無い?」
蓮夏「……もしかして、さっきの……爆発の、やつ?」
夜見「……え、見てたの?」
蓮夏「う、うん、夜見ちゃんがミコト先生と一緒にいるの、見て……それで、気になって、着いて行ったら……爆発、して……それで、見てた。」
夜見「嘘、気づかなかった……でも、それなら話が早いか、私達と一緒に、研究所のやつら、潰さない?」
蓮夏「……うん、夜見ちゃんの助けになるなら、私も、手伝うよ」
夜見「……ほんとに話が早くて助かるな、ありがとう、蓮夏。じゃ、また明日会おう」
蓮夏「うん、絶対、会おうね……!」
そう言い残すと、蓮夏は早足で去っていった。
久しぶりに会ったけど。変わってないな。
扉を閉じると、明里がこっちに来た。
明里「おねーちゃん、誰と話してたの?」
夜見「……ん、ちょっと知り合い」
明里「へー、そっか!ね、一緒にテレビ見ない?面白いの!」
夜見「……うん、いいよ」
よくできた妹だな。私とは何もかも違う……
そんな事を思いながら、明里に手招きされて今日は明里と一緒にテレビを見る事にした。
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