第11.5話 【反応回】最新技術の詰まった動画?

【フェイファンwiki総合雑談掲示板】


【お願い】

フェイファンに関する話であればある程度自由に話してください。

関係ない話題はなるべくやめてください。



コメント欄


"なんか動画投稿されてたんだけど、このウルフのグラ綺麗すぎね?サムネがほんとに生きてるみたい【フェイファンのビッグウルフを討伐してみた】俺もまだ見てないから一緒に見ようぜ"


コメントにはリンクがあり、リンクを開いてみると表示されたのは圧倒的な高画質動画だった。

動画の再生が始まり映るのはビッグウルフ。


"グラやべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇeeeeeeeeee!!!!!"

"↑グラほんとやばいよなこれwwwきれーすぎる"

"リメイクデータのリーク?"


"Mod?"

"一人称視点だし視点変更Mod?"

"フェイファンって見下ろしか、キャラの後ろにカメラついてるやつの2択よね"

"そうだな。一人称視点はない"

"どうなってんの?これ"

"Modってなに?おしえて(><)"

"ただの『かいぞう』だゾ"

"そういうことねwww"


動画はさらに場面を変える。森の中に完全に入っていくカメラ。


"なんで森の中入ってんの?"

"それな。ビッグウルフ戦は逃亡不可能だろ"

"いろいろツッコミどころあるけど、そもそものタイトルの討伐ってなに?討伐できない設定だろ?"

"Modで負けイベなのを改変してんじゃないの、そのあとのストーリーも作ってるんじゃないかな"

"でもそういうModはないぞ?"

"俺も調べたけどそういうModなかったわ"

"投稿者が作ったんでしょ、それのテストプレイみたいな?"

"まぁ、その線が一番現実的か"

"しかしよりによってここのイベントを勝てるようにするModってまたニッチだなwwwどうせなら最新シリーズの7で作ればいいのにwww"


チャットで話し合いが続く中動画のカメラは次にマップ上のアイテムの回収を始めた。


"これ仕様上回収できなくね?"

"Modでできるようにしたんだろ(脳死)"

"Modって言葉は便利だな!"

"Modさいこー"

"魔法の言葉だわModってwww"


そのあとも動画はどんどん続いていろんなアイテムを回収していく。


そして、


"戦闘中の調合か"

"パチンコでも作るんじゃねぇかなこれ"

"だろうなぁwwwバクレツノタネ拾ってたし、固定ダメージ狙いじゃね"


コメントの通りバクレツノタネをウルフに向かって射撃していた。


"Modすげぇなここまでできるんだな"

"なぁ、俺もやってみてぇ。これ。次世代フェイファンじゃん!自由度高スギィ!"

"あの負けイベを勝てるようにするModとかめちゃくちゃ需要あるんだから、はやく公開しちくり〜"

"つか、そもそも一人称フェイファンやりてぇ。このModどこで拾えるの?"

"どっか探せば落ちてるでしょ"

"探して落ちてなかったから聞いてんのよ"

"じゃあ投稿者のオリジナルじゃねぇの?コメントで配布頼んでみたら?"

"うーん。そうしてみるかぁ"


そうして動画は進んでいく。

ついにウルフのHPがなくなり倒れる。


"なるほど、固定ダメージで押すならたしかに正規手順で倒せるんだろうが……"

"Modだから正規とは違うんじゃねぇの?そもそも正規だと公式が勝てないって名言してるからな"

"まぁでも武器の威力アップとか露骨なことしてないし、一応正規扱いでいいんじゃないかな?"


"うーん。そのあたりはやっぱ人によるよな。俺はMod好きじゃないから正規と言うのは難しいとは思うけど、でも言いたいことはあるわ。投稿者めっちゃいい動画だったわ!なんかモヤモヤしてたのが吹っ飛んだ!"


"↑それな。Modだとしてもめっちゃいい動画だわこれ。俺たちのやりたい事を代わりにやってくれたような感じwww"


"一人称フェイファンとかもう神ゲーの予感しかないもんなぁ、配布が難しいようならこのまま似たような系統の動画あげて欲しいわ"

"この動画だけでいろいろ夢拡がったもんなwww"


"徘徊おばさんの立ちモーション観察してみた、みたいな動画くれwww"

"徘おばは顔めっちゃ作り込まれてるのに、カメラ遠いから残念だよな"

"お姉さんと呼べ!"

"誰もお姉さん呼びしないのやっぱトラウマ植え付けられてるからなんだろうなぁwww"

"まぁ仕方ないよなあれは。本編に絡まねぇのに徘徊だけしてるんじゃイメージもよくないわwww"


そのとき、コメントが更新された。


"てか、同じ投稿者が違う動画上げてるじゃん、見たか?"

"ま?"

"リンク貼るから一緒に見ようぜお前ら"


ウルフの動画が上がってから30分くらいのことだった。

新しい動画が上がっていた。

タイトルは


【エルーシャにナゼ徘徊してたのか聞いてみた】


動画が始まりエルーシャが動き出すとめちゃくちゃコメントが増える。


"え?マジでなにこれ、ガチエルーシャじゃん"

"これも一人称Modか?"


"さっきからModModって言ってるけど、でもなんかリアル過ぎじゃね?このエルーシャとか耳をすませば呼吸音聞こえるし、表情も自然だぞ。まるでゲームの中にいるみたいだ!"


"↑だからなんだよ。まさかゲーム世界に入ってるやつがいるとでも言いたいのかよwww妄想もたいがいにしてくれwww小学生じゃないんだからwww"

"↑そうじゃないけど、でもリアルすぎない?"

"↑Modだろ、高画質化Mod美人化Mod他のゲームだと当たり前にあるぞ?"


"でもフェイファンじゃ見た覚えないんだよな"

"↑投稿者のオリジナルModじゃないの"


動画の再生が続くとエルーシャが口を開いて語り始めた。


「私がこの大陸の争いに手を出さない理由はひとつだ。この大陸がどうなろうとどうでもいいと思ってるからだ」


"ひとでなしwwwwww"

"原作通りだなぁこいつwww"

"さすがエルーシャwww期待を裏切らんwww"

"世界のピンチよりも自分が楽する方が優先なんだよなこの人"


そんなコメントが続く中動画の中のエルーシャは口を開いた。


「私はこの世界の人間では無い、だからこの世界に思い入れなんてそこまでないんだ」


"異世界転移?なに、その設定。そんな設定なかったろ?"

"てかこれどうなってんの?声は思いっきりエルーシャだけど、こんなセリフなかったよな?原作"


"Modだろ。知らんのか?最近はAIに声優の声を学習させて歌を変換させたり出来るんだぞ?それで作ったデータ組み込んでるんだろ"

"↑最新技術はすげぇなぁ"

"AI翻唱ってやつだろ?聞いたことあるわ"

"けっこう自然にしゃべるらしいな。最新技術が詰まりまくってるってこと?"


コメントがそうやって使っている技術の予想をしていると、動画は更に進んでいく。


「私には記憶が無い」


その言葉を聞いて投稿されたコメント。


"これ、徘回おばってネタにしちゃいけないやつだった?ガチのヤツ?"

"言わせてるだけだろ?まぁどっちにせよそのあだ名は不快になるやつもいるから使うのはやめとけ"

"せやな。悪かったわ。すまんかった"

"でも実際本編では徘徊してたしな、てかこれModのファンの二次創作だし、セリフなんて気にしなくて良くね?"

"たしかに、めっちゃリアルだから公式設定だと思っちゃった"

"たしかにこれ公式じゃなかったわwwwオリジナル設定かw"


"昔このゲームに関わった奴に聞いたことあるけど、初期段階では裏設定で転移者って設定があったってのは聞いたことある"


"↑まじで?"


"その設定を知ってて言わせているのならこの投稿者このゲームに相当詳しいことになる。なんせ内部事情まで知ってることになるからな"


さらに動画の中のエルーシャは口を開く。


「私は自分の世界に帰りたいと思っている。そのための力を手に入れるために大陸中を旅をしてその過程で私は大陸最強の剣士と呼ばれるようになった」


"……?"

"まじ?"

"関係者に話聞いたヤツまだおる?こんな裏設定もあったのか?"


"さっきの奴だよ。ここまでは知らないけど、確かに筋は通るよな。徘徊してた理由としてはたしかにしっくりくる"

"↑ちなみにどの世界からの転移者とかってのは分かんの?"

"裏設定だと他のナンバリングからの転移者らしいってのは聞いたことある"

"まじかよ、聞いたこと無かったわそんなこと"


"ほぼボツ設定みたいなもんだぞ?なんにせよここまできたら投稿者が一般人じゃないのはたしかだと思う"


"ナニモノなんだ?このブキって投稿者……"


そこで動画の尺はほぼ無くなった。

そして、画面の中のエルーシャは叫んだ。


「エルーシャスラーーーーーーーッシュ!!!」


その叫びで動画は終わったがコメントは止まらない。


"今のクソダサ技名叫ぶ時のボイスガチで本人だな"

"これが二次創作ってまじ?クオリティ高すぎない?"

"な。めっちゃ手間暇かけたんだろうなこれ。次の動画も楽しみだわこんなの!"


そして完全にコメントがしずまりかけた時、新たな燃料が投下された。


"概要欄見た?『wiki民、約束は果たしたよ』って、書いてて初代のページ見に行ったら、過去にエルーシャに会えるってやついたんだけど……今それで初代のコメント欄めっちゃ加速してる"

"は?"


"このModで会えるってことだろ?本物なわけないだろこれ。エルーシャってゲームキャラだぞ?お前ゲームのキャラに会ったことあんのかよ"


そこで完全にコメント欄は静かになるのだった。



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