第36話 恋の宣言 リアンの問いかけ、アーシュの返答

ほんの少し、迷いの表情を見せるアーシュ 自らの手を軽く握りしめる。

リアンを見据え、アーシュは冷たく言い放つ

「エイルは…エルトニア姫はこの黒の国の囚われ人

白の国からの人質、返しはしない!」


「たとえ、人質であろうがなかろうが、エイル、エルトニアの事を俺は愛している」


「ピピピピッツ!」抗議するように リアンさんの方に向かって鳴き

じっとリアンさんを見つめる小鳥さん。


其処に異国の言葉で会話を続ける三人に対して‥ワン子は


「あの~ですから、何、話してるですか?ワン!

デザート食べちゃいますワン!」仲間はずれにされ、ちょっと涙目のワン子


わん子さんの顔を覗き込むように、わん子さんの目の前をまわり、

今度は顔の正面の一定の位置で、静止しながら飛び、

小鳥さんことエイルは顔を傾け、オッドアイ 左右違う瞳でじっと見る。


次に、頭の上に乗り、ゴメンねというようにつんつんとそおっと、優しくつついた。


「ケーキを食べますかワン?」わん子さんからケーキを

分けてもらう小鳥さんことエイル。


そんな二人の様子に毒気を抜かれたアーシュさんは 

やれやれという表情で、苦笑する。

かすかに微笑み、新しいワイングラスを傾けるリアンさん。


どうしても、気になったワン子さん

やはりもう一度話の内容を聞く事にした。


リアンさんにそっと小声で、聞く

「あの~何を話していたんですかワン?ワン?」



「あ、彼にね、恋の宣言をしていた♪」



「え、アーシュさんに対してですかワン!アーシュさんに恋!」

(なんて悪趣味な!)

ぶっつと飲んでいたコーヒーを噴出すアーシュ

ケーキの切れ端を口に含んだまま、引きつるエイルさんこと小鳥さん


「あ、間違い!エイルに恋の告白宣言とそこのアーシュランに

恋のライバル宣言していたよ♪」と明るくリアン



あ、そうですか ちょっと安心….

え、恋のライバル宣言と、今たしかアーシュて、言いませんでしたか?ワン


……あーあ、アーシュさん どうやら、素性がばれてるし、

強力な恋のライバル出現だワン。


「店主、ワインを頼む!」リアン

「三本目のワインだろう?飲みすぎじゃないか?」


顔をしかめるアーシュさん「ぴうぴぴ!」

と抗議するエイルさんこと小鳥さん「ワンワン!」とわん子さん



「へいお待ち 処でお客さん方

先程の酒の飲み比べをして、 2Fの部屋で、伸びていたお姫さまですが」

「すっかり、元気になられて

私に礼を言われて貴方(リアン)にもお礼を伝えてくださいとの事でしたよ」


「なんでも急いで

銀色のラベンダーという薬草を買占めにゆくと言われて出かけられました。」

「最近、女の子に化粧水やシャンプーにも大人気ですからね」


「なんだって!!ワン」

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