第2話スキルの確認をする

この世界に転生してから数週間が過ぎた。


とりあえずこの数週間で動き回ったり少し喋ったりしても違和感がないくらいには私も成長した。


そしてこの数週間の間に色々と身の回りのことについて分かったことがある。


まず両親について。


この世界で目覚めた時は広い部屋に私一人だった。


この年頃…しかも王女を一人にするのはおかしいと思っていたが


この屋敷には両親は住んでいなかった。


まぁ父親は王様であることは確定なので城に住んでいるのは分かるんだけどなぜ母親もいないのか。


簡単に言えば母親はすでに亡くなっていた


母親は貴族の生まれではあるものの辺境伯の娘で地位が低かったらしい。


なので王族と結婚したことを周りの貴族に妬まれて嫌がらせを受けていたそうだ。


そしてその嫌がらせに耐え切れず自殺したとのこと。


私が生まれてすぐのことだったそうだ。


次にこの屋敷について。


私が暮らすこの屋敷には私と数人の使用人のみが住んでいる。


私からすると十分広いしデカいんだけどここが一番小さい屋敷らしい。


王族の規模っていうのは計り知れない…。


この屋敷では私のことは秘匿にされているらしい。


それで最後は父親…王様からの私の扱いについて。


これに関しては分からない。


そもそもこの屋敷に王様が来たことがないから。


これは見放されているということなのか…?


まぁ分からないからそこら辺は放置しておくことにする。


いずれ分かる日が来るはずなので。


「さて…と。今日も鍛錬を始めましょうかね…よいしょっと…」


私は慣れた動作で屋敷を抜け出すと裏にある誰も管理していない森へと向かう。


そこが私の鍛錬場となっている。


この屋敷の人たちはこの部屋のことは知らないしメイド長もこの時間はここにはこない。


だからこの時間がチャンスってわけ。


王族の私が怪我でもしたら屋敷の人たち、一瞬で首跳びそうだけどね…。


まぁでも王様も会いに来てもいない娘のために使用人を切ったりしないか。


「さてとまずは今日の獲物を探そう。」


森に着いた私はいつものように相手にする魔物を探す。


この森には私くらいの歳の子供が真正面から倒せるような魔物は生息していない。


まぁ普通の二歳半の子供なんて魔物と対面しただけで食い殺されて終わりだろうけど


幸い私には他の二歳児とは違い【スキルテイク】がある。


まだ試したことはないんだけれど恐らく魔物からもスキルを奪うことが出来る。


今日まではずっとレベル上げに専念した来たけど…


そのおかげもあってかこの年齢で29まで上げることが出来たのでこれから実戦ってわけ。


他の子供を見たことがないから平均が分からないけど


屋敷の使用人の最高レベルが10だったのでこの世界の人間の平均レベルは低いと思う。


まぁ貴族様は魔物となんか戦わないだろうからね。


貴族周りの平均がこれなのかもしれない。


「今日はスキル持ちを狙うから…いた。」


スキル持ちの魔物は他の魔物との違いがあるから分かりやすい。


スキル持ちの魔物は紫のオーラを纏っている。


今回見つけたのはオーラを纏ったゴブリンだ。


「【鑑定】」


ーーーーーーーーーーーーーーー


ゴブリンマジシャン


レベル12


スキル:【ファイアショット】【エアショット】【アクアショット】


ーーーーーーーーーーーーーーー


「スキルは3つかぁ」


ここらの魔物にしてはレベルは高い。


それに今までの魔物と違ってスキルを持っている。


さてどうやって倒すか…?


今までの魔物は弓でどうにかしてたけど…今回はそうもいかなさそうだしなぁ。


「いや…【スキルテイク】を矢に乗せてみようかな…?」


【スキルテイク】の効果範囲は分からないけど恐らく範囲は狭い。


近付かないと奪えない可能性がある。


なら矢に乗せて飛ばしてみてはどうか?


「物は試し…【スキルテイク】」


私は【スキルテイク】を発動してそのまま矢を放つ。


その矢はゴブリンマジシャンに当たってゴブリンマジシャンはそのまま絶命した。


《【ファイアショット】を取得しました。》


アナウンスと共になにか不思議な力が流れ込んできた。


これで魔法が使えるってことかな。


《魔法スキルを取得したことにより魔力が解放されました。》


「…ん?魔力?ステータスオープン」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


エレーナ=エーラ=オルエスタ


職業:エーラ王国第七王女(王位継承権なし)


年齢:2


レベル:20


魔力:300/300


スキル:【鑑定】【スキルテイク】【異世界転生者】【異世界転移者】【アイテムボックス】【ファイアショット】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「魔力が増えてる…魔法スキルを手に入れたからって言ってたっけ」


恐らく何かを手に入れると機能が解放されるのだろう。


それにしても二歳でこの強さ…。


我ながら強いね…。


このステータスは絶対にバレないようにしようと心に誓った。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界の王族に転生したけど王位継承権はないようなのでチートスキルを使って好きなように行きたいと思います。 ゆゆ @deko5353

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ