異世界の王族に転生したけど王位継承権はないようなのでチートスキルを使って好きなように行きたいと思います。

ゆゆ

第1話 目覚めれば異世界

「どこ…ここ…」


教室でうたた寝してたら豪華な部屋に移動していた件について。


ほんとにどこなんだろここ…。


私、いつの間にか着替えてるし…。


学校の制服を着ていたはずの私の恰好は視界から見える範囲だけでも圧倒的に


フリフリひらひらなのがよく分かるドレスになっていた。


こんなドレス持ってないどころか生きてる中でも見たことないんだけど…。


「他のクラスメイトは…いるわけないよね。」


クラスメイトはおろかこの広い部屋の中に私以外の人はいない。


誰も入ってこれないようにされてるとか?


それにしても手足が短いような…?


喋れてはいるけど…


視界も狭い…。


何かがおかしい。


丸で私の体ではあるけど私の体じゃないみたいな…?


自分でも何言ってるかは分からないけど。


「とにかく現状を把握しないと…」


このままじっとしてても仕方ないからね。


ここがどこかでも調べないと…。


「よいしょっと…といってもどこから調べようかな…?」


私はなんとかベッドの上で起き上がると部屋を見渡す。


金色の装飾で彩られた部屋にシャンデリア


いくつもあるいかにも金がかかってそうな家具


いかにも金持ちの部屋って感じ。


私の趣味には合わない部屋だ…。


「他に何かわかりそうなものは…あの本棚にありそう」


私から見て左にそびえたっている大きな本棚…。


170㎝ある私が見上げなければならないくらい大きい本棚なんて生まれて初めて見た。


「うーん?どの本の背表紙も見たことない言葉で書かれてる…


日本語の本がない…。」


私が確認できる範囲だけでも日本語以外で書かれた本ばかりがずらりと並んでいて私に読めそうなものは一つもない。


これじゃあここがどこかのヒントも見つからない…。


「あーあ…ここがもし異世界だったなら『ステータスオープン!』とか言えば


きっと目の前に青い板みたいなのが出ると思うんだけどなぁ」


私はベッドに寝ころびながらそう呟く。


すると目の前に青い板のようなものが現れた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


エレーナ=エーラ=オルエスタ


職業:エーラ王国第七王女(王位継承権なし)


年齢:2


レベル:0


スキル:【鑑定】【スキルテイク】【異世界転生者】【異世界転移者】【アイテムボックス】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「嘘でしょ…ほんとに出た…」


色々と突っ込みたいところはあるがまず見るべきは【異世界転生者】というスキルだろう


私はどうやら異世界に転生してしまったらしい…。


ラノベやアニメ、漫画なんかで私もよく見た展開だけど…


まさか自分が経験するなんて思っても見なかった。


二歳って…そりゃ本棚もおっきく見えるわけだよ。


本棚が大きかったんじゃなくて私が小さくなってたんだし。


「とりあえず詳細を見てみよう。ここを触ればいいかな…?」


私はスキル欄のスキルをタップする。


ーーーーーーーーーーーーーー


【鑑定】


対象のステータスを確認できる。


無機物は不可能。


【スキルテイク】


対象からランダムに一つスキルを奪うことが出来る。


信頼度が高い人間からは奪えない。


【異世界転生者】


別の世界から生まれ変わったものに与えられる。


獲得EXPが上昇する。


【異世界転移者】


別の世界から召喚されたものに与えられる。


獲得EXPが上昇する。


【アイテムボックス】


所持品を出したり入れたりすることが出来る。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「…なんというかチート感がすごい。」


人からスキル奪えるとかチート過ぎるでしょ…。


というかなんで転生者と転移者の両方のスキルがあるんだろう?


転移した後に転生したとか?


それくらいしか考えられないけど。


「そして今世の私は王女かぁ…継承権はないけど」


第七王女ってどれくらいの立ち位置か分からないけど上に六人お姉ちゃんがいるってことだよね。


それに継承権がないってことは王様にはなれない。


つまり王族関係のことは上のお姉ちゃんに任せて私は自由にできるってこと…?


「考えるだけでも楽しくなってきたね…!」


私はこれから先に待つ異世界での生活を夢見て目を輝かせるのだった

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