EPISODE Ⅷ ALL YOU NEED IS ENDLESS


8.17 Thursday ──────


スマホのディスプレイに映る天気予報に曇りのち雨、最高気温29.7℃の文字が見えた。


「あっづい、溶けそう」


「エアコン修理業者が来るのは明日ですよ」


「ア、アイス〜」


ユーコは事務所の中をゾンビの様に移動して、冷蔵庫まで行くと、冷凍室に保存してある青色の袋に入った冷たいアイスを取り出した。


「そんなにアイスばっかり食べてたら、お腹壊しますよ?」


「ゴリゴリくんを食べなきゃ、SAN値が0になって正気を保ってられないの」


袋を開け砂漠のオアシスでやっと水を飲む様にユーコは、冷たい氷菓にピンク色の舌を這わせかじりついた。


片田(へんでん)は、そんなユーコに視線を向けてから額に汗を滲ませ、作業をしているノートPCのディスプレイに視線を戻した。


「こんちわーヤマネコでーす」


幽合会事務所の入り口前に配達員が来た。


「片田さんお願いしまーす」


「私は仕事をしています、ユーコさんはアイス食べてますよね?」


片田が作業の手を止めて、怒りに満ちた眼差しでユーコを見ながら言った。


「ちっ、はーい」


片田の殺気を帯びた視線を背にユーコが食べかけの氷菓を持ったまま配達員の元へ歩いて行く。


「こちらにサインをお願いします、ペンどうぞ」


「はい、ありがとうございます」


ユーコが受け取った小さい段ボール箱を見ると、送り主などは書いてなく中身が何なのか分からなかった。


「私、最近何も買ったりしてないんだけど、あんた何か頼んだの?」 


「私も知りませんよ」


片田は、ユーコの方は見ずにノートPCで作業を継続してる。


ユーコはゴリゴリくんが当たっていないか確認してから食べ終えた棒をひょいとゴミ箱に投げ捨てた。


そして、雑に段ボール箱を開けて中身を確認する。


「何これ?」


ユーコが箱から取り出したのは、手のひらサイズの四角い立方体の形状をした、金属でできた箱だった。


「鉄のルービックキューブ?」


「またそんなもの買ったんですか?」


「違うわよ、こんなもの買ってないわよ」 


片田は、ユーコが持つ箱をチラッと一瞥すると何事もなかった様にノートPCに視線を戻した。


「あ、あれ」


ユーコがその箱を雑にいじっていると、箱に刻まれた幾何学模様が動き出し、三角形の模様がボタンのようにせりあがった。


「え、ええ何これ」


ユーコは、一瞬考えたがとりあえずその競り上がった三角形を元に戻そうと指でくるりと回して元の位置にはめ直した。


その刹那、事務所内が暗闇に包まれ、まるで現実ではなく異空間の中に入り込んだ。


「箱の封印を解いたのはお前か?よかろう、痛みの世界へ案内しよう」


何処からともなく聞こえる不穏な声にユーコと片田は辺りをきょろきょろしながら警戒している。


「あるものには悪魔、あるものには天使、お前に至上の快楽を与えよう」


箱をいじるユーコの前にスキンヘッドに真っ白い顔、顔面に無数の針が刺さっている黒いレザースーツを着た怪しい謎の男が現れた。


ユーコがその男から視線を片田に向けて、何かアイコンタクトで合図すると、片田がディスプレイが真っ暗になったノートPCから視線を怪しい男に向け左手をその男に突き出した。


「さあ、恐れるな、私と来るがいい」


怪しい男が悦に入りながらユーコに促す。


片田の左腕がレールキャノン砲へ変形して、男が眩い光に包まれた。



8.17 Thursday ──────


スマホのディスプレイに映る天気予報に曇りのち雨、最高気温29.7℃の文字が見えた。


「あっづい、溶けそう」


「エアコン修理業者が来るのは明後日ですよ」


「ア、アイス〜」


ユーコは、事務所の中をゾンビの様に移動して冷蔵庫まで行くと、冷凍室に保存してある青色の袋に入った冷たいアイスを取り出した。


「そんなにアイスばっかり食べてたら、お腹壊しますよ?」


「ゴリゴリくんを食べなきゃ、SAN値が0になって正気を保ってられないの」


袋を開け砂漠のオアシスでやっと水を飲む様にユーコは、冷たい氷菓にピンク色の舌を這わせかじりついた。


片田は、そんなユーコに視線を向けてから額に汗を滲ませ、作業をしているノートPCのディスプレイに視線を戻した。


「こんちわーヤマネコでーす」


幽合会事務所の入り口前に配達員が来た。


「片田さんお願いしまーす」


「私は仕事をしています、ユーコさんはアイス食べてますよね?」


片田が作業の手を止めて、怒りに満ちた眼差しでユーコを見ながら言った。


「ちっ、はーい」


片田の殺気を帯びた視線を背に、ユーコが食べかけの氷菓を持ったまま配達員の元へ歩いて行く。


「こちらにサインをお願いします、ペンどうぞ」


「はい、ありがとうございます」


ユーコが受け取った小さい段ボール箱を見ると、送り主などは書いてなく、中身が何なのか分からなかった。


「私、最近何も買ったりしてないんだけど、あんた何か頼んだの?」


「私も知りませんよ」


片田は、ユーコの方は見ずにノートPCで作業を継続している。


ユーコは、ゴリゴリくんが当たっていないか確認してから、食べ終えた棒をひょいとゴミ箱に投げ捨てた。


そして、雑に段ボール箱を開けて中身を確認する。


「何これ?」


ユーコが箱から取り出したのは、手のひらサイズの四角い立方体の形状をした、金属でできた箱だった。


「鉄のルービックキューブ?」 


「またそんなもの買ったんですか?」


「違うわよ、こんなもの買ってないわよ」


片田は、ユーコが持つ箱をチラッと一瞥すると何事もなかった様にノートPCに視線を戻した。


「あ、あれ」


ユーコがその箱を雑にいじっていると、箱に刻まれた幾何学模様が動き出し、三角形の模様がボタンのようにせりあがった。


「え、ええ何これ」


ユーコは一瞬考えたが、とりあえずその競り上がった三角形を元に戻そうと指でくるりと回して元の位置にはめ直した。


少し、何とも言えない違和感を感じたその刹那、事務所内が暗闇に包まれ、まるで現実ではなく異空間の中に入り込んだ。


「箱の封印を解いたのはお前か?よかろう、痛みの世界へ案内しよう」


何処からともなく聞こえる不穏な声にユーコと片田は、辺りをきょろきょろしながら警戒している。


「あるものには悪魔、あるものには天使、お前に至上の快楽を与えよう」


箱をいじるユーコの前にスキンヘッドに真っ白い顔、顔面に無数の針が刺さっている黒いレザースーツを着た怪しい謎の男が現れた。


ユーコがその男から視線を片田に向けて何かアイコンタクトで合図すると、片田がディスプレイが真っ暗になったノートPCから、視線を怪しい男に向け左手をその男に突き出した。


「さあ、恐れるな、私と来るがいい」


怪しい男が悦に入りながらユーコに促す。


片田の左腕がレールキャノン砲へ変形して、男が眩い光に包まれた。



8.17 Thursday ──────


スマホのディスプレイに映る天気予報に曇りのち晴れ、最高気温29.7℃の文字が見えた。


「あっづい、溶けそう」


「エアコン修理業者が来るのは明々後日ですよ」


「ア、アイス〜」 


ユーコは、事務所の中をゾンビの様に移動して冷蔵庫まで行くと、冷凍室に保存してある青色の袋に入った冷たいアイスを取り出した。


「そんなにアイスばっかり食べてたら、お腹壊しますよ?」


「ゴリゴリくんを食べなきゃ、SAN値が0になって正気を保ってられないの」


袋を開け、砂漠のオアシスでやっと水を飲む様にユーコは、冷たい氷菓にピンク色の舌を這わせかじりついた。


片田は、そんなユーコに視線を向けてから額に汗を滲ませ、作業をしているノートPCのディスプレイに視線を戻した。


「こんちわーヤマネコでーす」


幽合会事務所の入り口前に配達員が来た。


「片田さんお願いしまーす」


「私は仕事をしています、ユーコさんはアイス食べてますよね?」


片田が作業の手を止めて、怒りに満ちた眼差しでユーコを見ながら言った。


「ちっ、はーい」


片田の殺気を帯びた視線を背に、ユーコが食べかけの氷菓を持ったまま配達員の元へ歩いて行く。


「こちらにサインをお願いします、ペンどうぞ」


「はい、ありがとうございます」


ユーコが受け取った小さい段ボール箱を見ると、送り主などは書いてなく、中身が何なのか分からなかった。


「私、最近何も買ったりしてないんだけど、あんた何か頼んだの?」


「私も知りませんよ」


片田は、ユーコの方は見ずにノートPCで作業を継続している。


ユーコは、ゴリゴリくんが当たっていないか確認してから食べ終えた棒をひょいとゴミ箱に投げ捨てた。


そして、雑に段ボール箱を開けて中身を確認する。


「何これ?」


ユーコが箱から取り出したのは、手のひらサイズの四角い立方体の形状をした、金属でできた箱だった。


「鉄のルービックキューブ?」


「またそんなもの買ったんですか?」


「違うわよ、こんなもの買ってないわよ」


片田は、ユーコが持つ箱をチラッと一瞥すると何事もなかった様にノートPCに視線を戻した。


「あ、あれ」


ユーコがその箱を雑にいじっていると、箱に刻まれた幾何学模様が動き出し、三角形の模様がボタンのようにせりあがった。


「え、ええ何これ」


ユーコは一瞬考えた、何かこれをしてはダメなんじゃないかと何とも言えない違和感を感じたが、とりあえずその競り上がった三角形を元に戻そうと指でくるりと回して元の位置にはめ直した。


その刹那、事務所内が暗闇に包まれ、まるで現実ではなく異空間の中に入り込んだ。


「箱の封印を解いたのはお前か?よかろう、痛みの世界へ案内しよう」


何処からともなく聞こえる不穏な声にユーコと片田は、辺りをきょろきょろしながら警戒している。


「あるものには悪魔、あるものには天使、お前に至上の快楽を与えよう」


箱をいじるユーコの前にスキンヘッドに真っ白い顔、顔面に無数の針が刺さっている黒いレザースーツを着た怪しい謎の男が現れた。


ユーコがその男から視線を片田に向けて何かアイコンタクトで合図すると、片田がディスプレイが真っ暗になったノートPCから視線を怪しい男に向け、左手をその男に突き出した。


「さあ、恐れるな、私と来るがいい」


怪しい男が悦に入りながらユーコに促す。


片田の左腕がレールキャノン砲へ変形して、男が眩い光に包まれた。



8.17 Thursday ──────


スマホのディスプレイに映る天気予報に曇りのち雨、最高気温29.7℃の文字が見えた。


「あっづい、溶けそう」


「エアコン修理業者が来るのは午後ですよ」


「ア、アイス〜」


ユーコは、事務所の中をゾンビの様に移動して冷蔵庫まで行くと、冷凍室に保存してある青色の袋に入った冷たいアイスを取り出した。


「そんなにアイスばっかり食べてたら、お腹壊しますよ?」


「ゴリゴリくんを食べなきゃ、SAN値が0になって正気を保ってられないの」


袋を開け砂漠のオアシスでやっと水を飲む様にユーコは、冷たい氷菓にピンク色の舌を這わせかじりついた。


片田は、そんなユーコに視線を向けてから額に汗を滲ませ、作業をしているノートPCのディスプレイに視線を戻した。


「こんちわーヤマネコでーす」


幽合会事務所の入り口前に配達員が来た。


「片田さんお願いしまーす」


「私は仕事をしています、ユーコさんはアイス食べてますよね?」


片田が作業の手を止めて、怒りに満ちた眼差しでユーコを見ながら言った。


「ちっ、はーい」


片田の殺気を帯びた視線を背に、ユーコが食べかけの氷菓を持ったまま配達員の元へ歩いて行く。


「こちらにサインをお願いします、ペンどうぞ」


「はい、ありがとうございます」


ユーコが受け取った小さい段ボール箱を見ると送り主などは書いてなく、中身が何なのか分からなかった。


「私、最近何も買ったりしてないんだけど、あんた何か頼んだの?」


「私も知りませんよ」


片田は、ユーコの方は見ずにノートPCで作業を継続している。


ユーコはゴリゴリくんが当たっていないか確認してから食べ終えた棒をひょいとゴミ箱に投げ捨てた。


そして、雑に段ボール箱を開けて中身を確認する。


「これは?」


ユーコが箱から取り出したのは、手のひらサイズの四角い立方体の形状をした、金属でできた箱だった。


「鉄のルービックキューブ?」


「またそんなもの買ったんですか?」 


「違うわよ、こんなもの買ってないけど」


片田は、ユーコが持つ箱をチラッと一瞥すると何事もなかった様にノートPCに視線を戻した。


「これってもしかして」


ユーコがその箱を雑にいじっていると箱に刻まれた幾何学模様が動き出し、三角形の模様がボタンのようにせりあがった。


「このボタンは」


ユーコは一瞬考えた、このボタンを押してはいけない。


異様な既視感を感じたが、無意識にその競り上がった三角形を元に戻そうと指でくるりと回して元の位置にはめ直した。


その刹那、事務所内が暗闇に包まれ、まるで現実ではなく異空間の中に入り込んだ。


「箱の封印を解いたのはお前か?よかろう、痛みの世界へ案内しよう」


何処からともなく聞こえる不穏な声にユーコと片田は、辺りをきょろきょろしながら警戒している。


「あるものには悪魔、あるものには天使、お前に至上の快楽を与えよう」


箱をいじるユーコの前にスキンヘッドに真っ白い顔、顔面に無数の針が刺さっている黒いレザースーツを着た、怪しい謎の男が現れた。


ユーコがその男に異様な既視感を感じたが、視線を片田に向けてアイコンタクトで合図すると、ディスプレイが真っ暗になったノートPCから視線を怪しい男に向け、片田が左手をその男に突き出した。


「さあ、恐れるな、私と来るがいい」


怪しい男が悦に入りながらユーコに促す。


片田の左腕がレールキャノン砲へ変形して、男が眩い光に包まれた。



8.17 Thursday ──────


スマホのディスプレイに映る天気予報に曇りのち雨、最高気温29.7℃の文字が見えた。


「あっづい、溶けそう」


「エアコン修理業者が来るのはあれ、いつかな?」 


「ア、アイス〜」


ユーコは事務所の中をゾンビの様に移動して、冷蔵庫まで行くと、冷凍室に保存してある青色の袋に入った冷たいアイスを取り出した。


「そんなにアイスばっかり食べてたら、お腹壊しますよ?」


「ゴリゴリくんを食べなきゃ、SAN値が0になって正気を保ってられないの」


袋を開け、砂漠のオアシスでやっと水を飲む様にユーコは、冷たい氷菓にピンク色の舌を這わせかじりついた。


片田は、そんなユーコに視線を向けてから額に汗を滲ませ、作業をしているノートPCのディスプレイに視線を戻した。


「こんちわーヤマネコでーす」


幽合会事務所の入り口前に配達員が来た。


「はーい」


ユーコが食べかけの氷菓を持ったまま配達員の元へ歩いて行く。


「こちらにサインをお願いします、ペンどうぞ」


「はい、ありがとうございます」


ユーコが受け取った小さい段ボール箱を見ると送り主などは書いてなく、中身が何なのか分からなかった。


「私、最近何も買ったりしてないんだけど、あんた何か頼んだの?」


「私も知りませんよ」


片田は、ユーコの方は見ずにノートPCで作業を継続している。


ユーコは食べ終えたゴリゴリくんが当たっていないか棒の部分を確認した。


「当たった、当たった、もう一本!」


ユーコの歓喜の声が事務所に響いた。


そして、雑に段ボールを事務所の棚の上にひょいと置いてユーコは出かける支度をし始める。


「ちょっと出てくるわ、何かいる?」


「別に、いや、じゃあ私もアイスを」


少し恥ずかしそうな片田の顔を見たユーコは、ニヤリと不敵な笑みを浮かべながら片田に手を振り、ゴリゴリくんの当たり棒を持って嬉しそうに事務所を出て行った。


片田は、ユーコが棚の上に置いた箱が気になりノートPCの作業を一旦止めて、箱をひょいと降ろして机の上に置いて中身を確認する。


「何これ?」


片田が箱から取り出したのは、手のひらサイズの四角い立方体の形状をした、金属でできた箱だった。


「鉄のルービックキューブ?」


片田は、異様な既視感を感じた。


「こうかな」


片田がその箱をいじっていると箱に刻まれた幾何学模様が動き出し、三角形の模様がボタンのようにせりあがった。


「ん、ボタン?」


片田は、一瞬考えたがとりあえずその競り上がった三角形を元に戻そうと指でくるりと回して元の位置にはめ直した。


その刹那、事務所内が暗闇に包まれ、まるで現実ではなく異空間の中に入り込んだ。


「箱の封印を解いたのはお前か?よかろう、痛みの世界へ案内しよう」


何処からともなく聞こえる不穏な声に片田は、辺りをきょろきょろしながら警戒している。


「あるものには悪魔、あるものには天使、お前に至上の快楽を与えよう」


箱をいじる片田の前にスキンヘッドに真っ白い顔、顔面に無数の針が刺さっている黒いレザースーツを着た、怪しい謎の男が現れた。


片田がその男に異様な既視感を感じたが、視線を怪しい男に向け左手をその男に突き出した。


「さあ、恐れるな、私と来るがいい」


怪しい男が悦に入りながら片田に促す。


片田の左腕がレールキャノン砲へ変形して、男が眩い光に包まれた。



8.17 Thursday ──────


スマホのディスプレイに映る天気予報に曇りのち雨、最高気温29.7℃の文字が見えた。


「あっづい、溶けそう」 


「エアコン修理業者が来るのは明後日ですよ」


「ア、アイス〜」


ユーコは、事務所の中をゾンビの様に移動して冷蔵庫まで行くと、冷凍室に保存してある青色の袋に入った冷たいアイスを取り出した。


「そんなにアイスばっかり食べてたら、お腹壊しますよ?」


「ゴリゴリくんを食べなきゃ、SAN値が0になって正気を保ってられないの」


袋を開け、砂漠のオアシスでやっと水を飲む様にユーコは、冷たい氷菓にピンク色の舌を這わせかじりついた。


片田は、そんなユーコに視線を向けてから額に汗を滲ませ、作業をしているノートPCのディスプレイに視線を戻した。 


「こんちわーヤマネコでーす」


幽合会事務所の入り口前に配達員が来た。 


「はーい」


ユーコが食べかけの氷菓を持ったまま配達員の元へ歩いて行く。


「こちらにサインをお願いします、ペンどうぞ」


「はい、ありがとうございます」


ユーコが受け取った小さい段ボール箱を見ると送り主などは書いてなく、中身が何なのか分からなかった。


「私、最近何も買ったりしてないんだけど、あんた何か頼んだの?」


「私も知りませんよ」


片田は、この会話凄い既視感がある、なんでだろうと違和感を感じながら、ユーコの方は見ずにノートPCで作業を継続している。


ユーコは、食べ終えたゴリゴリくんが当たっていないか棒の部分を確認した。


「当たった、当たった、もう一本!」


ユーコの歓喜の声が事務所に響いた。


そして、雑に段ボールを事務所の棚の上にひょいと置いてユーコは、出かける支度をし始める。


「ちょっと出てくるわ、何かいる?」


「あ、いや、じゃあ私もアイスを」


顔を曇らせながらも少し恥ずかしそうな片田の顔を見たユーコは、ニヤリと不敵な笑みを浮かべ片田に手を振り、ゴリゴリくんの当たり棒を持って嬉しそうに事務所を出て行った。


片田は、ユーコが棚の上に置いた箱が気になりノートPCの作業を一旦止めて、箱をひょいと降ろして机の上に置いて中身を確認する。


「これは?」

片田が箱から取り出したのは、手のひらサイズの四角い立方体の形状をした、金属でできた箱だった。  


「鉄のルービックキューブ?」


片田は、異様な既視感を感じた。


「こうかな」


片田がその箱をいじっていると箱に刻まれた幾何学模様が動き出し、三角形の模様がボタンのようにせりあがった。


「このボタン?」


片田は、一瞬考えたがとりあえずその競り上がった三角形を元に戻そうと指でくるりと回して元の位置にはめ直した。


その刹那、事務所内が暗闇に包まれ、まるで現実ではなく異空間の中に入り込んだ。


「箱の封印を解いたのはお前か?よかろう、痛みの世界へ案内しよう」 


何処からともなく聞こえる不穏な声に片田は、辺りをきょろきょろしながら警戒している。


「あるものには悪魔、あるものには天使、お前に至上の快楽を与えよう」


箱をいじる片田の前にスキンヘッドに真っ白い顔、顔面に無数の針が刺さっている黒いレザースーツを着た、怪しい謎の男が現れた。


片田がその男に異様な既視感を感じたが、視線を怪しい男に向け左手をその男に突き出した。


「さあ、恐れるな、私と来るがいい」


怪しい男が悦に入りながら片田に促す。 


片田の左腕がレールキャノン砲へ変形して、男が眩い光に包まれた。



8.17 Thursday ──────


スマホのディスプレイに映る天気予報に曇りのち雨、最高気温29.7℃の文字が見えた。


「あっづい、溶けそう」


「エアコン修理業者が来るのは明日ですよ」 


「ア、アイス〜」


ユーコは、事務所の中をゾンビの様に移動して冷蔵庫まで行くと、冷凍室に保存してある青色の袋に入った冷たいアイスを取り出した。


「そんなにアイスばっかり食べてたら、お腹壊しますよ?」


「ゴリゴリくんを食べなきゃ、SAN値が0になって正気を保ってられないの」


袋を開け、砂漠のオアシスでやっと水を飲む様にユーコは、冷たい氷菓にピンク色の舌を這わせかじりついた。


片田は、そんなユーコに視線を向けてから額に汗を滲ませ、作業をしているノートPCのディスプレイに視線を戻した。 

「こんちわーヤマネコでーす」


幽合会事務所の入り口前に配達員が来た。 


「はーい」


ユーコが食べかけの氷菓を持ったまま配達員の元へ歩いて行く。 


「こちらにサインをお願いします、ペンどうぞ」


「はい、ありがとうございます」


ユーコが受け取った小さい段ボール箱を見ると送り主などは書いてなく、中身が何なのか分からなかった。


「私、最近何も買ったりしてないんだけど、あんた何か頼んだの?」


「私も知りませんよ」


片田は、ユーコの方は見ずにノートPCで作業を継続している。


ユーコは、食べ終えたゴリゴリくんが当たっていないか棒の部分を確認した。


「当たった、当たった、もう一本!」


ユーコの歓喜の声が事務所に響いた。 


そして、雑に段ボールを事務所の棚の上にひょいと置いてユーコは、出かける支度をし始める。


「ちょっと出てくるわ、何かいる?」


「別に、いや、じゃあ私もアイスを」


少し恥ずかしそうな片田の顔を見てユーコは、ニヤリと不敵な笑みを浮かべながら片田に手を振り、ゴリゴリくんの当たり棒を持って嬉しそうに事務所を出て行った。


片田は、ユーコが棚の上に置いた箱が気になりノートPCの作業を一旦止めて、箱をひょいと降ろして机の上に置いて中身を確認する。


「この箱…」


片田が箱から取り出したのは、手のひらサイズの四角い立方体の形状をした、金属でできた箱だった。 


「鉄のルービックキューブ」


片田は、異様な既視感を感じた。


「…こうだ」


片田がその箱をいじっていると、箱に刻まれた幾何学模様が動き出し、三角形の模様がボタンのようにせりあがった。


「このボタン」


片田は、一瞬考えた。


押してはいけない、このボタンを押してはいけないともの凄い違和感と既視感に苛まれたが、無意識にその競り上がった三角形を元に戻そうと指でくるりと回して元の位置にはめ直した。


その刹那、事務所内が暗闇に包まれ、まるで現実ではなく異空間の中に入り込んだ。


「箱の封印を解いたのはお前か?よかろう、痛みの世界へ案内しよう」


何処からともなく聞こえる不穏な声に片田は、辺りをきょろきょろしながら警戒している。


「あるものには悪魔、あるものには天使、お前に至上の快楽を与えよう」


箱をいじる片田の前にスキンヘッドに真っ白い顔、顔面に無数の針が刺さっている黒いレザースーツを着た、怪しい謎の男が現れた。


片田がその男に異様な既視感を感じたが、視線を怪しい男に向け左手をその男に突き出した。


「ちょ、待て、止めろ、それを私に向けるな!うわああああああ、止めろぉぉ」


怪しい男が恐怖に慄き片田に叫んだ。


片田の左腕がレールキャノン砲へ変形して、男が眩い光に包まれた。



8.17 Thursday ──────


スマホのディスプレイに映る天気予報に曇りのち雨、最高気温29.7℃の文字が見えた。


「あっづい、溶けそう」


「エアコン修理業者が来るのは明日ですよ」


「ア、アイス〜」


ユーコは、事務所の中をゾンビの様に移動して冷蔵庫まで行くと、冷凍室に保存してある青色の袋に入った冷たいアイスを取り出した。


「そんなにアイスばっかり食べてたら、お腹壊しますよ?」


「ゴリゴリくんを食べなきゃ、SAN値が0になって正気を保ってられないの」


袋を開け、砂漠のオアシスでやっと水を飲む様にユーコは、冷たい氷菓にピンク色の舌を這わせかじりついた。


片田は、そんなユーコに視線を向けてから額に汗を滲ませ、作業をしているノートPCのディスプレイに視線を戻した。 


「こんちわーヤマネコでーす」


幽合会事務所の入り口前に配達員が来た。 


「はーい」


ユーコが食べかけの氷菓を持ったまま配達員の元へ歩いて行く。


「こちらにサインをお願いします、ペンどうぞ」


「はい、ありがとうございます」


ユーコが受け取った小さい段ボール箱を見ると送り主などは書いてなく、中身が何なのか分からなかった。


「私、最近何も買ったりしてないんだけど、あんた何か頼んだの?」


「私も知りません、それは…」


片田は、何か言いかけたが言葉が喉から出てこなかった。

ユーコは、食べ終えたゴリゴリくんが当たっていないか棒の部分を確認した。 


「当たった、当たった、もう一本!」


ユーコの歓喜の声が事務所に響いた。


そして、雑に段ボールを事務所の棚の上にひょいと置いてユーコは、出かける支度をし始める。


「出てくるわ、何かいる?」


「じゃあ、私もアイスをお願いします」


凛とした片田の顔を見て、ユーコはアイス頼むのに何をそんなにキリッとしているんだと、不思議に思いながら片田に手を振って、ゴリゴリくんの当たり棒を持ち、腑に落ちない顔で事務所を出て行った。


片田は、ユーコが棚の上に置いた箱が気になりノートPCの作業を一旦止めて、少し考えた。 


得体の知れない悪い予感が脳裏を過ぎる。 


片田は、目を瞑りさらに熟慮した。


こんな事をしている場合じゃないと雑念を振り払い、ノートPCのディスプレイに視線を戻して作業を再開した。


──────

See you in the next hell?…

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