イヌマ
@sin0066
第1話 引っ越し先
ピチャピチャッカランッ
竹の岩に当たる音が温泉を響かせた。
弟「んんー、気持ちいい。ここなんもねーけど温泉とか自然の景色がいいんだよなー」
広い露天風呂で辺りは数人の男が浸かっていた。
弟「さて、そろそろ上がるか。ねーさんに怒られるまえに」
姉は早風呂だ、僕は遅風呂なので待たせることがしばしばある。
その時はコーヒー牛乳で黙らせるのが鉄板だ。
弟「うーい、上がったぞー」
姉「遅い」
ご機嫌斜めな顔だ。
弟「悪い悪い、ほらこれ」
ここで一番旨いコーヒー牛乳を渡した。
姉「あれも」
姉が指差したのはあんパンだった。
弟「くっ、大体なんで俺が奢らなきゃアカンねん」
姉「あんた、いっつも遅いからだよ。ほら早く買った買った」
弟「ほーい」
弟はしぶしぶあんパンを買った。
ここに引っ越してきたのは3月頃だ。
姉の農業を経営する仕事の都合上この辺境の地になった。
でも、ここは田舎ほど田舎ではなく商店街やお店も多少あり人も少なくなかった。
でも、少し嫌な雰囲気があるのは気にしなかった。
今は5月頃で少し慣れてきた感じだ。
弟は小さい倉庫内で部品の製造バイトをしている。
姉「今日の夕飯どうする?」
弟「んー、カツ丼」
姉「じゃあスーパー寄ろうよ」
弟「うん」
二人でふらふらと歩きながらスーパーについた。
姉「材料買ってくるから先帰ってて」
弟「え、なんで」
姉「戸締まり心配でしょ、なにがあるか分からないんだから」
弟「はーい」
弟はしぶしぶ家に帰った。
しばらく歩いていると暗い路地に人だかりがいた。
人だかりはひそひそと話していた。
人だかり「そろそろ始まるな、今度は誰が犠牲になるんだ。もう夏の満月は近い、用心しろ」
弟の心の声「なんだ?なにを用心するんだ?」
その後はよく聞き取れなかった。
しばらくして家に着いた。
家に入り電気をつけた。
洗濯物をたたみ皿を洗い家事をした。
姉のために料理の準備をしてあげた。
40分たった後に姉が帰って来た。
姉「ただいまー」
弟「おかえりー、準備できてるぞ」
姉「うん、ありがとう。できるまでゲームしてて」
弟「へいへーい」
二人で出来たカツ丼を美味しく食べた。
イヌマ @sin0066
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