第96話 次元家屋にて③

 ドアを開けて部屋に入るや否や国王様と王妃様並びにルーラー王女迄が頭を下げられて、御礼と感謝の言葉を述べられた俺達は恐縮しきりだった。


フロウ 「お・・・王様に王妃様!どうか頭をお挙げ下さいませ!」

シャヤ 「そうですわ!私共は当然の事をしただけでございます!」


 すぐにフロウとシャヤが三人の元に駆け寄った、一方俺とジインはカカシの様に突っ立ってしまい動く事が出来なかった・・・やはりこういった事に対していつまで経ってもなかなか慣れないものだ・・・これは精進せねばならんな・・・

 そして他の仲間を紹介した後、ジインは「ほっとけーき」を食して貰おうと調理に取り掛かった。


ジイン 「お待たせしました、特製ホットケーキでございます、どうぞ御賞味下さい」

国王  『ほぅ・・・これは初めて見る料理だ・・・』 

王妃  『まぁ・・・バターのイイ香りが鼻孔をくすぐっていて、なんて美味しそうなのかしら・・・早速いただきましょう』

   ~~~~~~~~~~ 

国王  『うむ、誠に美味であった、しかし、このようなフワフワの食感を味わえるとは・・・』

王妃  『ジインさんは聖術だけでなく料理の腕も素晴らしいですのね』

ジイン 「お褒めに預かり光栄ですが、実はデザートでもう一品ございましてお出ししても宜しいでしょうか?」


 その時、三人の女性が一斉に身を乗り出してきた。

シャヤ 「・・・ジイン、私達は食後のデザートがあるなんて聞いていない・・・」

フロウ 「そうだぞ、仲間なのに水くさいじゃないか」

ルーラー『ジインさん、ヒドイです・・・ところで食後のデザートはなんでしょうか?』


 それぞれ三者三様でジインを責め立てる・・・要は自分達も御相伴ごしょうばんあずかりたいだけである、ハクブにリーザとラナに至ってはデザートの言葉がそもそも分からないのでキョトンとしている。


リーザ 『ハクブ、どうして三人は何であんなに必死になっているのだ?』

ハクブ 『我はでざーとが何なのかは分からぬが、食後と言うからには甘いモノではないのか?』

ラナ  『甘いモノ!私も食べたい!』

リーザ 『ラナ・・・今はややこしくなるからダメ』


 なおも詰め寄る三人にアボスとジインは・・・

ジイン 「ちょっ、ちょっと三人とも落ち着いて! 王様と王妃様の御前ですよ!」

アボス 「フロウ、シャヤ・・・不敬になるぞ、それにルーラー王女も御両親の前でそのような・・・」


  「「『!!!!!!』」」


 三人は、ハッと周りを見渡し、我に返ったのかハッとしてシュシュシュと身体が小さく縮こまった。


シャヤ 「・・・し、失礼致しました・・・」

フロウ 「御前でこのような振る舞い・・・大変、申し訳ございません」

ルーラー『お父様、お母様、ごめんなさい・・・』

 すると、それまで座っていた国王がおもむろに立ち上がると、『わっはっはっ!まさか、我が娘の斯様かような姿が見れるとは思わなかった』と、それに続いて王妃様も『そうですわね、うら若き乙女達がこうも取り乱す食後のデザート・・・これは楽しみですわ』

アボス 「そうおっしゃっていただければ・・・では、デザートの用意を頼むぞ」


 (・・・うわ~参ったぞ・・・今のやり取りでかなりハードルは上がってるよな~それだとプリンだと食感は似ているからにするか・・・)

ジイン 「はい、お待たせしました、???????でございます」


 ジインが選んだデザートとは・・・

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