第93話 次元家屋にて

ルーラー『この扉の向こうにお父様とお母様がいます』

アボス 「いよいよ国王陛下、王妃陛下との謁見か」 

フロウ 「全くだ、くれぐれも失礼の無いようにしないと」

ジイン 「とは言うものの、緊張しますね」

シャヤ 「・・・ルーラーちゃん、本当にこの先に御両親がいるの?・・・魔力反応がほとんどしないけど・・・」

ルーラー『えっ?・・・まさかそんなはずは・・・お父様!お母様!』 

 ルーラーは慌てて扉を開けると、そこには二体のスピリットが微かな光を点滅させていて、そのかなり弱々しい姿に一行は言葉を失っていた・・・

ハクブ 『これは・・・霊力が著しく減っている・・・主よ、このままでは消滅してしまう・・・』

アボス 「ジイン、とにかく次元家屋ディメンションハウスに運ぶぞ、車輪付き担架ストレッチャー!」

ジイン 「はい!次元家屋ディメンションハウスオープン!」 

ルーラー『お父様、お母様・・・』


 一一次元家屋内一一

 「『・・・・・・・・・・・・・・・』」

アボス(さて、中に運んだものの、俺達には霊力を回復する手段がない・・・どうしたものか・・・)


 皆が途方に暮れていると、どこからともなく声が響いた。

 『我が加護を受けし人の子たちよ・・・使うが良い』

 パアァァァァッ・・・

突如、部屋全体が光りに包まれ、やがて収まるとその場には二基の大きなカプセルが現れた。

 『・・・さあ、その者たちをこの霊素カプセルへ・・・』

~~~~~~

 ~~~

アボス 「ふぅ・・・ひとまずは落ち着いたようだな、それにしても先程の声の主は一体・・・」

フロウ 「私達に加護を授けてくださった神様の一柱であろうか・・・誠にありがたいことだ」

シャヤ 「・・・時に神様は気まぐれというけど・・・これは嬉しい気まぐれ・・・」

ジイン 「ルーラーも安心したのかリーザとラナと一緒に眠っちゃいましたね」

ハクブ 『主よ、我々も少し休息するのはどうだろうか?』

ジイン 「そうだね、みんな休憩しましょう」


 一一一数時間後一一一

フロウ 「ふぅ~、よく眠れた~十分に休めた~」

シャヤ 「・・・休んだら小腹がすいた・・・ん?キッチンからイイ香りがしてる・・・」

  ガチャリ

アボス 「おっ、二人とも起きたか」

フロウ 「良い匂いがするが何か作っているのか?」

ハクブ 「うむ、主がなるものを作っている最中だ」

シャヤ「ほっとけーき???」


 ガチャリ

ルーラー『・・・いつの間にか眠ってしまいました・・・このかぐわしさで起きました・・・』

リーザ 『なにやら鼻孔をくすぐる匂いがするな』

ラナ  『本当だ~何を作ってるんだろ~』


ジイン 「はい、お待たせしました、特製ホットケーキが出来上がりましたよ」

 

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