第90話 地下5階②

 5人は奥の開けた場所に入るとそこには・・・

ベリル 「おお、来たかアボス達よ、待っておったぞ」

レイテ 「やぁ、みんなお疲れ様」

アボス 「・・・やっぱり・・・」

ジイン 「まぁ、予想通りでしたね~」

シャヤ 「・・・師匠達はいつここに来たの?・・・」

ロンドネ「ん?、私らはアンタ達より少し前だね」

フロウ 「と、いうことは先程の破壊音は・・・」

シャヤ 「・・・まさか師匠の魔術・・・」

ロンドネ「少し面倒だったから抉じ開けたのさ、そんなにうるさかったかい?」

アボス 「・・・いや、もはや抉じ開けたのレベルではないのでは・・・」

ジイン 「あれ・・・フィアー様のお姿が見えませんが?」

レイテ 「彼なら奥の部屋で傷病者の手当てをしているよ」

 その言葉を聞くや否やアボス達の後ろにいたレーアが慌てて前に出てきた。

レーア 「すみません・・・私はレーアと申します・・・あのレナードという男性はいませんでしたか?、私の兄なんですが・・・」

 レナードという名前を出した途端にベリルとレイテの顔が曇った・・・

ベリル 「そうか・・・あなたがレナードの妹さんか・・・済まない・・・本当に済まない・・・」

アボス 「リ、リーダー、まさかレナードは・・・」

レイテ 「・・・彼が扉を守っていてね・・・操られていたので元に戻す為に相当の手傷を負わせてしまった・・・今は奥の部屋にいるが・・・」

レーア 「・・・そんな・・・そんな・・・」

ベリル 「・・・全てはワシの不徳の致すところ・・・操られていたとはいえ、苛烈な攻撃をしてしまった・・・」

ロンドネ「それにどういうわけか、眠りや麻痺の魔術が全く効かなくてね・・・」

 ・・・苦渋の決断であった事が三人の表情から明瞭にわかる・・・特にリーダーはかつての弟子ともいえるレナードを手に掛けてしまったのだ、その苦悩は計り知れない・・・

そのときジインが猛烈な勢いで奥の部屋へ向かっていった。

アボス 「お、おいジイン!どうしたんだ」

ジイン 「まだ間に合うはずです!フィアー様!」

フロウ 「レーア殿、私達も行こう!」

 アボス達もジインの後を追って奥へ向かった。

 果たしてレナードの容態は・・・

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