第89話 地下5階

     ドッゴォォォォォォン!!!!!


 一行が地下5階へ降り立つや否や、耳をつんざくような凄まじい音が鳴り響いた。

     「『!!!!!!!!!』」

アボス 「総員、戦闘準備を!何が起こっているかはわからぬ以上、迂闊には動くな!」

フロウ 「よし・・・まずは私が偵察に行こう」

ハクブ 『待て、フロウ殿!それは危険だ、ここは一つ我に任せて貰おうか』

ジイン 「ハクブ・・・」

ハクブ 『主よ、心配はいらぬ・・・では行ってくる』

 そういうとハクブは翼を広げて奥に向かっていった。

 ・・・ウロウロウロ・・・ウロウロウロ・・・

アボス 「ジインよ・・・ハクブが心配なのはわかるが少し落ち着かないか」

シャヤ 「・・・ジイン、大丈夫・・・ハクブに認識阻害の魔術を掛けたから見つかる事はない・・・」

 暫くするとハクブが戻ってきた。

ハクブ 『すまない、遅くなってしまったな』

アボス 「おかえり、どうだった?」

ハクブ 「うむ・・・人間らしきオスとメス・・・いや男女というのか、とてつもないオーラを放っていたな・・・シャヤ殿に認識阻害の魔術を掛けてもらっていたが、あまり近付くと魔物に間違えられて狩られる可能性もあったので遠巻きにしか見ていないが・・・」

フロウ 「・・・しかし、私達以外にこの地下陵墓に入ってくる冒険者がいるのだろうか・・・」

ジイン 「確かにそうですね・・・ハクブがと言ってたけど他種族もあり得るのかな・・・」

ルーラー『ここでは魔物以外はリーザさん達の蜥蜴人リザードマン族しかいないはずです』

アボス 「・・・まさか・・・あの人達が」

ルーラー『アボスさん、どうしました何か心当たりでも?』

アボス 「いや・・・心当たりしかないのだが・・・」

ジイン 「ですね・・・僕も心当たりが・・・」

フロウ 「・・・奇遇だな、私にも心当たりがあるぞ」

シャヤ 「・・・間違いなく師匠達だよ・・・」

  「「「はい、わかってて言いました」」」

 そんな不毛なやり取りの後・・・・・・

ジイン 「さて・・・では行きますか」

フロウ 「そうね、危惧する所も無さそうだし」

アボス 「問題無いとは思うが、警戒はしておこう」

シャヤ 「・・・あの人達ならある意味危険だから・・・」

ルーラー『あの、私達が一緒にいて大丈夫ですかね・・・』

 精霊人のルーラーや、迷宮クロウのハクブ、蜥蜴人族リザードマンのリーザにラナには、やはり身構えてしまうのだろう無理もない話だ。

アボス 「その心配は無用だ、俺達の師匠ともいうべき人達で、他種族だからといって差別をするような事はしないとは思うが・・・確かに不安になる気持ちはわかるな」

ジイン 「それだったら念のために次元家屋ディメンションハウスで待機してもらって、あとで紹介をしましょう、ルーラーそれでいいかな?」

ルーラー『はい、お手数をおかけしますがお願いします』

 そうして、彼女達は次元家屋ディメンションハウスで待機してもらい俺達4人とレーアで奥へ向かっていった。 

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