第83話 休息 そして・・・

 ~~次元家屋内~~

ジイン 「ふぅ~これで良しと・・・」

 適切な処置により一命を取り留めたリザードマンはスヤスヤと寝息を立てており、その横にはリーザも眠っている、ジインは部屋を出ていき、みんながいるキッチンに向かった  

 ガチャリ

ジイン 「みなさん、お待たせしました、幸い二人の容体は安定しています、それにしても・・・《アレ》が神話に出てくる三頭獣ケルベロスを模倣していたとは・・・」

アボス 「そうだな・・・さきの双頭獣オルトロスと比べるとやや粗雑な感じがあった、強さはあったが脆さが出ていた所もあったな・・・いや、シャヤの魔術が凄かっただけか・・・だが股下から矢を撃つとは思わなかったがな」

シャヤ 「・・・あれは弓術でいうスプレッド・ショット・・・ああいう俊敏な獣は虚を突き撹乱かくらんするのが定石セオリー・・・のはず」

アボス 「まあ、広義で言えばスプレッド・ショットになるのかもしれんが・・・ただリザードマンの頭が機能していたら、苦戦は免れなかったであろうな・・・もしかしたら強靭な精神力で抗っていてくれたのではないかと思わざるを得ない・・・ジイン、もしやだがそのリザードマンはリーザの血縁者に当たる方か?」

ジイン 「はい、リーザの妹だそうです」

アボス 「そうか・・・そうだったのか・・・リーザが取り乱したのも無理はない話だ・・・」

 そこにフロウがスススッとアボスの傍にきて頭を下げた

フロウ 「アボス・・・庇ってくれてありがとう・・・その・・・足は大丈夫?・・・」

アボス 「仲間を助けるのは当然の事、礼など不要だ、足の事も心配無用、ほら、このとおりだ」

 左足を振り子のようにプラプラと振ると、フロウも安心してホッとしたようだ。

 すると看病をしてくれていたルーラーが部屋に入ってきた

ルーラー『みなさん、リーザが目を覚ましましたよ』

ジイン 「ありがとう、ではアボスさん先に行きますね」

アボス 「あいわかった、後から伺うとしよう」

 ジインとルーラー、ハクブはリーザのいる部屋に向かった


フロウ 「アボス・・・リーザの妹はどうするのだ?」

アボス 「うむ・・・せめて回復するまでは面倒を見ないとな・・・それからの事は姉妹で決めてもらおう」

シャヤ 「・・・ハクブのように従魔になると言ってくる可能性も無きにしもあらず・・・」

フロウ 「まさか・・・いや、有り得る話か・・・」

アボス 「先の話は置いといて、まずは、リーザの様子を見に行くとするか、ジイン達も待っているだろう」


 アボス、フロウ、シャヤは部屋に向かった・・・この後、思いもよらない光景を三人は見ることになる・・・

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