第82話 戦いの末に

 三つ首の怪物は獅子の口からは炎のブレス、狼の口からは氷のブレスを吐き出し俊敏な動きで俺達は翻弄され、しかもリーザが恐慌状態に陥って、その回復をするためにジインが離脱して戦力は落ちている、戦いは互いにかすり傷程度は負っていて拮抗はしているが、このままではこちらが不利になっていくだろう、何か打開策を考えねばなるまい・・・とこちらが攻めあぐねているところに炎と氷のブレスが同時に襲い掛かってきた!

  『『ガォォォォッッッ』』 ボオォッ!ボオォッ!

  すんでの所で避けたかに見えたが・・・

フロウ 「ア、アボスッッ・・・わ、私を庇って・・・」

アボス 「くっ・・・足が動かんっ・・・」

 有ろう事か氷のブレスによってアボスの足が凍りつき床に張り付いてしまった!


 三つ首の怪物は勝機と見たのか、身を翻してこちらに向かってきた、まずは動けない俺を仕留める気だな・・・

 ゴオオォッ!

フロウ 「アボスゥゥッッ!!」

ルーラー『アボスさんっ!!』

ハクブ 『アボス殿っ!』

 三つ首の怪物は他には目もくれずに向かってくる。

アボス 「待っていたぞ・・・お前がにくるのを、シャヤッッ!!!」

 俺の後ろからシャヤが現れると既に魔術を撃つ準備を整えていた。

シャヤ 「・・・委細承知・・・雷のサンダーアロー五連撃・・・」

   ボボボボボッッッッッ!!!!!

 五つの雷の矢が俺の両脇から二本ずつと、何故か股下から一本が放たれた

アボス 「おい!どこから矢を出してるんだ!」

シャヤ 「・・・意表を突いた、見て・・・」

 バッと前を向いて見ると怪物の身体のド真ん中からモウモウと煙が上がっていて苦しそうにしている・・・なるほど意表を突くのは確かに良い作戦だが股下から放つというのはどうなんだろうか・・・

アボス 「いや、そんな事を考えている場合じゃない・・・済まんがシャヤ、凍りついている部分を溶かしてくれ」

シャヤ 「・・・了解・・・着火イグニッション

 ボボボッ! 

アボス 「熱っっ!!」

シャヤ 「あ、ごめん」

 ・・・どうやら少し火力が強かったようだ・・・

アボス 「ふ~えらい目にあった、それより三つ首はどうなったんだ?」

 前を見ると怪物はぐったりとしている・・・

シャヤ 「・・・やけに弱々しくなった・・・なぜ?」

フロウ 「むっ、怪物の身体から黒い靄が・・・」

 黒い靄が霧散すると、怪物の身体が少しずつ崩れていき、残ったのは赤と青の魔核とリザードマンの身体だった・・・

 みなが困惑する中、ジインが戻ってきた

ジイン 「みなさん無事でしたか!」

アボス 「ああ、なんとかな・・・ジイン、リーザの容体はどうだ? 落ち着いたか?」

ジイン 「ええ、今は次元家屋ディメンションハウスルーラーが看ていますが・・・!!そこに倒れているリザードマンはもしや!」

 ジインは倒れているリザードマンに駆け寄った

ジイン 「・・・まだ命の灯は消えていない・・・蘇生リザレクション!」

 リザードマンは目映まばゆい光に包まれた・・・

 『ガ、ガハッッ』

 なんと、リザードマンが蘇った!

ジイン 「よっしゃ!アボスさん、車輪付き担架ストレッチャーをお願いします」

 こうして、息を吹き返したリザードマンは次元家屋ディメンションハウスに運ばれていった・・・

 

フロウ 「しかし、蘇生術とは・・・信じれん・・・」

シャヤ 「・・・まるで古の聖者様のよう・・・生まれ変わりか・・・それとも転生した・・・まさかね」

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