第74話 それぞれの加護

フロウ 「これから鑑定結果を皆に渡す、神の加護の内容についてはその羊皮紙に書き記しているので各自確認して貰いたい、その際に不明な所は質問してくれ」

 *アボス・・・商神ヘルメースの加護(体力と運が上昇)

 *ジイン・・・医薬神アスクレピオスの加護(回復力と運が上昇)、記憶を司る女神ムネモシュネーの加護(???)

 *シャヤ・・・魔術神ヘカテーの加護(魔力と知力と運が上昇)

 *フロウ・・・戦略の女神アテーナーの加護(知力と技力と運が上昇)

 *ルーラー・・・精霊王アレイアの加護(全属性攻防上昇)

 *ハクブ・・・霊鳥ガルーダの加護(魔力と速度上昇)

 *全員・・・迷宮神ルドスの祝福(毒、眠り、麻痺、混乱の状態異常完全耐性、恐慌、激昂、呪いの状態異常耐性)


ジイン 「フロウ・・・女神ムネモシュネー様の加護が疑問符なんですけど・・・」

フロウ 「私の鑑定ではわからなかったのだ・・・もう少し水準が上がればわかるのだが・・・済まないな」

アボス 「・・・それにしても迷宮神の祝福の効果が凄まじいな・・・状態異常完全耐性など聞いたことがない・・・」

シャヤ 「・・・魔道具で耐毒や耐眠の腕輪は有る・・・でも完全に防いでくれる訳ではない・・・」

ハクブ 『我も以前はポイズンスライムに毒を受けて、酷い目に遭ったからな』

ルーラー『7つある状態異常の内、完全に4つを防ぎ、残りの3つも耐性が付くのは破格と言ってもいいでしょう』


アボス 「さて、次は青の扉に向けて行くが、恐らく赤の扉の部屋より重要度は高いと考えられる、一般信徒は赤の徽章、神官が青の徽章と部屋の棲み分けがされているな」

フロウ 「そう考えると双頭獣オルトロスより凶悪な怪物がいる可能性があると言うことか・・・」

ルーラー『あと北方の神話に出てくる怪物は三頭獣ケルベロス人喰獣マンティコア魔狼フェンリル複合獣キマイラドラゴンあたりでしょうか』

シャヤ 「・・・私ならウルフとコボルトをベースにして魔狼フェンリルを造る・・・」

フロウ 「ちょっとシャヤ!恐い事言わないでよ・・・」

ジイン 「・・・・・・・・・」

ハクブ 『む?どうしたのだ、主よ、難しい顔をしているが・・・』

ジイン 「いや、前に会ったリザードマンを思い出してね・・・群れを探していると言っていたが、もしや邪教徒達に仲間が捕まっているのではないかと・・・」

ハクブ 「それはあり得る話だな・・・そうなればにされている事も十分に考えられる・・・」

 そして一同は情報を整理して次元家屋を後にした。

すると、出てすぐに火の玉がボウッと浮かび上がってきた、どうやらイグニス・ファトゥスのようだ。

 すぐにアボス達は戦闘の準備に取り掛かった。

ハクブ 『待て・・・ここは我に任せてもらおうか』

 ハクブはスッと前に出ると水魔術を行使した。

ハクブ 『氷玉弾!』

 ドッッ! ビシィ!ガッシャァァァン!

 一瞬でイグニス・ファトゥスの炎の身体が凍てつき、床に落ちて粉々に砕け散った。

ジイン 「す、すごいよ!ハクブ!一撃で倒すなんて!」

ハクブ 「フッ・・・我に掛かれば容易いものよ・・・」

フロウ 「むっ・・・まだ魔物の気配がする・・・」

 言うや否や、奥から魔狼フェンリルが現れた。

 しかし、様子がおかしい・・・見れば身体中至るところに傷を負っていて、息も絶え絶えで動きも緩慢だと思いきや、ドウッと倒れて動かなくなり魔狼フェンリルの身体が灰になった場所には妖しく光る青い魔核が残された・・・

アボス 「・・・この先に魔狼フェンリルを倒した奴がいるようだな・・・シャヤ、魔力感知をしてくれないか」

シャヤ 「了解・・・魔力感知・・・赤い光が一つある・・・でも弱々しい光、今にも消えそう・・・」

アボス 「もしや戦って大怪我をしているかもな・・・」

ジイン 「敵の敵は味方と言います、治療をするのも吝かではありません、行きましょう!」

 一同は慎重に奥に進むと、壁にリザードマンがもたれ掛かっていて手傷を負っているようだ、よく見ると左手にはマイン・ゴーシュを握っていた・・・

シャヤ 「・・・あの時のリザードマン・・・」

アボス 「ジイン、治療をしてやってくれ」

ジイン 「はい、まずは傷を消毒ディスィンフェクト次に解毒キュアポイズンそして治癒ヒールと」

 瞬く間に傷が癒え、リザードマンからも頭を下げられた。

リザードマン『⚪△*※♯』

 うん、わからん・・・これはジインとシャヤに任せよう

だが不便だな、こうなると魔物言語を習得すべきだな、二人に教えて貰おうかな・・・

 

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