第71話 赤い扉の向こう②

ルーラー『双頭獣オルトロスとは北方の異国の神話に出てくる双頭の犬で尻尾とたてがみが蛇の怪物です』

フロウ 「では、あの魔物はその双頭獣オルトロスとやらに似せて造った、紛い物ということね・・・」

アボス 「ルーラー・・・もしや三頭獣ケルベロスと関係があるのか?・・・」

ルーラー『はい、神話では双頭獣オルトロス三頭獣ケルベロスは兄弟ですね』

シャヤ 「兄弟・・・この先、現れる可能性が高い・・・」

ジイン 「・・・確か北方の国出身であるグレゴイシス大司教の指示で信徒が魔物や動物の死体を繋ぎ合わせ、魔核の魔力で再生させていたのが双頭獣オルトロス・・・と考えて良いでしょう」

ハクブ 『おそらく、使役させようと考えていたのだが暴走したのであろうな・・・』

シャヤ 「・・・この魔核は初見・・・」

 シャヤが手に膜を張った状態で持っているのは、血のように赤い複数の魔核だった・・・

シャヤ 「・・・凄まじい熱量の核で、もし素手で持とうとすれば火傷の様に爛れる・・・」

ジイン 「この耐熱袋に入れて、帰ったら調べましょう」

シャヤ 「ん、そうする・・・この遺灰も持ち帰りたい」

 魔核は耐熱袋、遺灰は小箱ミニックに入れて、マジックバッグに収めた。

ハクブ 「主よ、扉の向こうも確認しなければならぬぞ」

ジイン 「そうだった・・・生存者がいるかもしれない、まずはシャヤ、魔力感知をお願い出来る?」

シャヤ 「了解・・・赤色・・・複数の魔物がいる・・・」

フロウ 「・・・生存者は無しか・・・」

ハクブ 『どんな魔物かは我が確認しよう』

    ~~~~~~

     ~~~

ハクブ 『戻ったぞ、中にはスライムが数体いるだけだ』

アボス 「何か有るかも知れんな、行くとしよう」

 一行は破壊された扉の向こうへ入った・・・

シャヤ 「・・・血生臭い・・・」

フロウ 「ここも信徒が犠牲に・・・」

ジイン 「奥には神官らしき者が倒れていますね・・・この男は・・・」

 地下4階で出会った邪教の神官が壁際に横たわるようにして事切れていた・・・

ジイン 「・・・こうなると哀れだな、だがこれも天命か・・・ん?何か落ちている?・・・何だろう、これは?」

 ジインは男の傍らに落ちていた物を拾った。

ハクブ 「おおっ、主よ、それは徽章だな、おそらくその男の持ち物だろうな」

 ジインは青色の徽章を手に入れた!

ハクブ 「これで、向こうの青い扉も開くことが出来よう」

 その後、一行は犠牲になった信徒達の遺留品を拾い上げ、     

清拭クリーニングをして、魔法袋マジックバッグに一纏めに仕舞いこんだ後に、双頭獣オルトロスの犠牲者達に祈りを捧げた。


アボス 「さぁ・・・青い扉に向かおう」

 

戦利品及び拾得品

 紅の魔核

 双頭獣オルトロスの遺灰

 青の徽章

 信徒の指輪

 信徒の杖

 信徒の帽子

 巡礼服

 巡礼靴

 メイス

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