第67話 地下3階②

 アボス達は左右対称にある4部屋を探索する事にした。

 まずは階段から近い部屋の前に着いた。

シャヤ 「・・・魔力感知・・・気配なし・・・」

アボス 「よし、では開けるぞ」

 ガチャ・・・ギィィィ

ジイン 「割と広い部屋ですね・・・」

フロウ 「手分けして辺りを調べてみよう」

 ーーー5分後ーーー

アボス 「皆、どうだ?」

 皆は一様に首を横に振った。

アボス 「無しか・・・他を当たるか・・・」

 通路では魔物との戦闘になるが、ハクブの水魔術、ルーラーの土魔術もあって、危なげ無く撃退していった、シャヤの火と雷の魔術にジインの聖術、フロウの弓術、俺の剣術とバランスも悪くないので探索も順調だが、地下4階に繋がる扉の鍵が見つからない・・・フロウが一度、解錠を試みたがどうやら魔法と併用して施錠しているらしく、開けることが出来なかった。

 そこで扉の鍵を探すべく一部屋一部屋と探索したが、手がかりはなく、最後の一部屋を残すのみとなった。


アボス 「おそらく、この部屋の中に鍵の手がかりがあるはず・・・シャヤ、魔力感知を頼む」

シャヤ 「・・・了解・・・赤・・・魔物がいる・・・」

アボス 「そうか、みんな戦闘準備をしておいてくれ」

 ガチャ・・・ギィィィ

ハクブ 『むっ・・・この気配は・・・』

ジイン 「・・・どうしたの?ハクブ?」

ハクブ 『・・・奥に宝箱ミミックがいるぞ・・・』

ジイン 「宝箱ミミックだって!」

フロウ 「この部屋には魔物がいないが、シャヤの魔力感知は赤・・・と、言う事はがそうか」

ルーラー『宝箱ミミックは魔術耐性が高く、正体を現す(擬態解除)迄は、如何なる攻撃が無効の厄介な魔物です』

アボス 「だが、宝箱ミミックだと判っていれば、対策は簡単だ・・・収納ストレージ・・・」


 ズズズズズ・・・

 アボスは収納ストレージから鉄の大槌を取り出して大きく構えた。

アボス 「フロウ、済まぬが開けるだけしてくれないか」

フロウ 「あ、あぁ、わかった」


 フロウは宝箱ミミックの前で、屈むとカタカタと音がして震え始めた!

フロウ 「アボス!来るぞ!!」


 『ガアァァァァァァ!!!!!』

 宝箱ミミックの絶叫が耳をつんざいた!

 だが・・・・・・

アボス 「残念だったな・・・ぬぅぅぅぅん!!!」

 アボスは鉄の大槌を振り下ろした!!!

 『ガッ!?』

 ドッガァァァァァァン!!!

 『カ・・・カ・・・カ・・・』

 

アボス 「はい!終わり!」

ジイン 「・・・あ~あ・・・木っ端微塵だ・・・」

シャヤ 「・・・コッパミジン?・・・久々のジインのお国言葉が出た・・・意味教えて・・・」

ジイン 「木っ端微塵とは、原形を留めないほどに細かく砕ける事を言うんだ」

ルーラー『確か東方諸国の一国の言葉ですね、粉微塵こなみじんとか粉々こなごなとも言いますよね』

ジイン 「へぇ・・・良く知ってるね・・・」

ルーラー『エヘヘ・・・書籍で読んだんです~』

シャヤ 「ルーラーちゃん、その本は今も持っているの?」

ルーラー『はい!ありますよ~』

シャヤ 「・・・今度、読ませて・・・」

フロウ 「はい、二人ともおしゃべりはまた後でね~」

 「『は~い』」

ジイン 「ん?宝箱ミミックの下に何やら小振りの箱があるや・・・何だろ、これ?」

ハクブ 『おっ、宝箱ミミック小箱ミニックだ、落とすのは稀だぞ、運が良いな』

ジイン 「・・・宝箱ミミック小箱ミニック?・・・なんか、ややこしいね」

アボス 「折角だ、開けてみたらどうだ?」

ジイン 「そうですね、では」

 小箱ミニックを開けると、小さな巾着と色鮮やかな鉱石が二つ入っていた。

ジイン 「巾着・・・中身は入ってるのかな?」

 巾着を引っくり返すと大量の宝石類が出てきた!

ジイン 「うわわわ!!なんで、こんな仰山ぎょうさん出てきたんや!」

シャヤ 「・・・ジイン・・・また訛ってる・・・」

ジイン 「はっ!あかんあかん・・・拾わな拾わな」

 ジインは慌てて床に落ちた宝石を拾った!

フロウ 「ジイン、慌てなくても大丈夫、大丈夫・・・おや?まだ巾着に何か入っている・・・あ!これは扉の鍵か」

 地下4階への扉を開ける鍵が見つかった!

アボス 「ようやく、これで地下4階に行けそうだな」

 一行は扉を開けて、地下4階に下りていった・・・


 戦利品

魔法の巾着

宝石類(未鑑定)

紅い鉱石

蒼い鉱石

扉の鍵

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る