第65話 従魔とは

ルーラー『みなさん、オチツイテクダサイ、じゅうまけいやくヲスルトすがたかたちガカワルコトガアリマス』


アボス 「そ、そうか・・・それなら良いのだが・・・」

フロウ 「しかし・・・白いクロウとは初めて見たな・・・」

シャヤ 「・・・本当にクロウなの?・・・それとも似て異なる種族???」

ジイン 「まあ、それは追々わかるでしょう、それよりに名前をつけてあげないと」

フロウ 「それもそうだな・・・う~ん、どんな名前がいいのかな・・・」

アボス 「各々が名前を言っての反応で決めたらどうだ?」

ルーラー『ソノヨウニツタエマスネ・・・・・・デハ、ミナサンヨイなまえヲオネガイシマス』

シャヤ 「・・・私はアオかアカを提案、どう?・・・」

クロウ(仮)『カァ・・・』

 プイっと横を向いてしまった。

ルーラー『エー、ヒトコト、どっちもいや、ダソウデス』

シャヤ 「・・・・・・」

フロウ 「シャヤ、白いクロウでアオやアカでは、ややこしくなる・・・ここはシンプルにシロでどうかな?」

クロウ(仮)『カァカァ!』

ルーラー『われハいぬジャナイ!!トイッテマス、おかんむりデス』

フロウ 「・・・・・・」

アボス 「二人ともわかってないな、フォルムと声から連想しないといけない・・・さすれば自ずと答えが出る・・・よし、名前はカアスケでどうだ?」

クロウ(仮)『カア!!』 サクッ!

 クロウはくちばしをアボスの眉間に突き立てた!

アボス 「いった!!!」

クロウ(仮)『カァ!カァ!』

ルーラー『まじめニかんがえろ!トイッテマス、げきおこぷんぷんまるデス』

アボス 「・・・・・・」

ジイン 「ルーラーはどう?なにか考えている?」

ルーラー『わたしデスカ?・・・う~ん、はドウデショウ?』

ジイン 「ブランか・・・うん!いいんじゃないか」

クロウ(仮)『カァカァ~カァ』

ルーラー『えへへ・・・アリガトウ~、なかなかヨイナトイッテクレテル』

クロウ(仮)『カァ~カァ』

ルーラー『サイゴニじいんガカンガエタなまえヲキキタイソウデスガ』

ジイン 「えっ、もうブランでいいんじゃないの?」

クロウ(仮)『カァ!カァ~カァ』

ルーラー『ダメデス!ハヤクなまえヲイッテクダサイ』

ジイン 「わかったよ、考えていた名前はハクです」


フロウ 「私と同じでシンプルだな・・・」

アボス 「だが、なにかしっくりくるな」

クロウ(仮)『カァ・・・カァカァ~カァ』

ルーラー『ウンウン、ブランもすてがたいが、ハクというナマエガきにいったトイッテマス』

シャヤ 「・・・それならハクとブランを掛け合わせたら良い・・・ハクブとか・・・」

ジイン 「なるほど・・・その発想はなかった・・・」

クロウ(仮)『カァ!カァ~カァ』

ルーラー『ソレハイイ!われはいまからハクブとなのるとイッテイマス』

アボス 「これからよろしくな、ハクブ」

フロウ 「新しい仲間が増えて嬉しい限りだ」

  

ハクブ 『うむ、みな、よろしくたのむぞ』

シャヤ 「・・・言葉がわかるようになった・・・なぜ?」

ジイン 「従魔契約が完了したからかな?」

ルーラー『ハイ、パーティに対して言語理解が適用されます、私の言葉も流暢になります』


フロウ 「スゴいな・・・こんなに変わるとは・・・」

ルーラー『それは親愛度が高いからですね』

アボス 「低かったら従魔契約が完了しても言葉がわかるが辿々しくなるということか」

ルーラー『そうですね、絶対服従や完全従順などの隷属化だと、命令に従うだけですね』

ジイン 「それは酷い!確かにですが、ではありません!」

シャヤ 「・・・対等な関係・・・仲間なのに・・・」


 4人は苦々しい思いになった・・・何のための従魔契約か・・・ただの位の認識なのだろうか・・・


ルーラー『ですが、全てのテイマーがそうではありません、私の時代では、そういう連中もいたんです』

アボス 「残念だが、今もごく僅かはいるのは事実だ・・・そして奴隷制度も残っている・・・」

ハクブ 『・・・われはうんがよかった、ことばのつうじぬわれをたすけてもらえたのはちょうじょうであった・・・』


フロウ 「何はともあれ、これで地下3階の探索がますます、捗るというものだ」

シャヤ 「・・・地下3階の魔物は手強いと聞いている・・・」

ジイン 「みんなで力を合わせて突破しましょう!」

アボス 「よし、準備は良いか?」

 「「「はい!」」」

  『『はい!』』

アボス 「では、行くぞ!」


 こうして、一行は地下3階への階段を降りていった。

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