第62話 次元家屋

ジイン 「以前は部屋が1つとトイレでしたが、今度はどうなっているか・・・」


 ジインは新たに設置されたであろうドアを開けた。

 ガチャリと開けて中に入ったジインが開口一番、

「うわっ!これはスゴい!!」とテンションの高い声が聞こえてきたので他の4人も続いた。

 ガチャリ

シャヤ 「・・・これは魔導調理設備マジックキッチン!!・・・」

フロウ 「この部屋も広いな・・・」

ジイン 「アボスさん、テーブルと椅子を出してください」

アボス 「うむ、収納ストレージよっと、フロウ、そっちを持ってくれないか?」 

 アボスとフロウは部屋の真ん中にテーブルを置いた。

フロウ 「この部屋が追加分か・・・」

ルーラー『じいんサンガ、ムコウデナニカイッテマス』

ジイン 「みんな~トイレも広くなりましたよ~」

シャヤ 「・・・見に行く・・・」

 ジインの元へ4人が行き、トイレのドアを開けた。

 ガチャリ・・・

シャヤ 「・・・左右にドアが・・・?」

フロウ 「・・・右に🚺マークが女性用で、左の🚹マークが男性用かな・・・」

ルーラー『マンナカニハ、カガミツキセンメンダイガアリマス・・・コノスガタハビョウキニナルマエノワタシデス!』

シャヤ 「・・・ルーラーちゃん・・・」

 ~~~~~~

  ~~~~

   ~~


 (・・・それにしてもジインの空間認識能力がずば抜けているな・・・封魔の水晶との相乗効果もあるのかもしれんが霊魂スピリットのルーラーが進化したのは・・・)


フロウ 「・・ス、・・ボス、アボス、アボスッ!」

アボス 「はっ!な、なんだっ、フロウッッ」

フロウ 「・・・もうっ・・・すぐに没頭するのは相変わらずのようだな・・・」

 ・・・いかん、いかん、ついつい考え込んでしまったようだ・・・以前もジインに、たしなめられたな・・・

ルーラー『フフッ』

シャヤ 「?、ルーラーちゃん、どうしたの?」

ルーラー『あぼすサントふろうサンヲミテイタラちちトははヲオモイダシテ・・・』

ジイン 「ご両親を?」

ルーラー『ハイ・・・ちちモモノゴトニボットウスルたいぷデ、ヨクははニシカラレテイマシタ・・・オフタリハちちトははノフンイキニヨクニテイマス』

フロウ 「王妃様に似ているとは光栄だわ」

アボス 「フロウよ、似ているのは、あくまでも雰囲気だけだぞ・・・」

シャヤ 「・・・ルーラーちゃん、寂しいならフロウをと呼ぶ?・・・」

フロウ 「なっっ!!」

ジイン 「それなら、アボスさんはになるのかな?」

アボス 「おいおい・・・」

ルーラー『イエイエ、オフタリハおにいちゃんトおねえちゃんデス!』

フロウ 「・・・が微妙に引っ掛かるのだけど・・・」

アボス 「フロウ・・・そこは気にしないでおこう・・・」


 ~~~~~~

  ~~~~

   ~~


ジイン 「次元家屋ディメンションハウスの拡張は以上みたいですね」

シャヤ 「・・・探索に戻る?・・・」

アボス 「うむ、だが地下3階の情報は少ないので慎重に行かねばなるまい」

フロウ 「聞いた話では魔物はスケルトンにゾンビ、それからポイズンスライム、リザードマンもいると・・・」

ルーラー『・・・・・・』

シャヤ 「・・・ん?どうしたの?ルーラーちゃん・・・」

ルーラー『マエニワタシガアノバショヘハイルマエニ、シタノカイデオオゼイノヒトヲミタノ・・・』

    「「「!!!!!!」」」

シャヤ 「ル、ルーラーちゃん、それは本当?」

フロウ 「それは守備隊員ではないの?」

 しかし、ルーラーは首を横に振った。

ルーラー『イイエ、ヲキタヒトタチダッタ・・・』

ジイン 「巡礼服だって!・・・まさかフィアー司祭の懸念が的中するとは・・・」

アボス 「ジイン・・・それはあの時の話か?」

フロウ 「アボス、あの時とはキーレに着いた夜の事?」

シャヤ 「・・・ジイン・・・」

 ジインは沈痛な面持ちでゆっくりと口を開いた・・・

 

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