第57話 前線基地

 中に入った4人は細長い通路を歩いていく途中に窓があり、覗くと広場のような所に様々な店が見える。

 さらに歩いていくと鎖鎧チェーンメイルを着た男性が話しかけてきた。


??? 「おっと、あなた方は冒険者かな?」


アボス 「我々はセグトーチの迷宮探索ギルドの探索者で、ここには大司教捕縛の依頼を受けて、この地下陵墓に来た、失礼だがそちらは?」


??? 「これは失敬、私はキーレ守備隊前線基地警邏副長のワウリと申す、まず依頼のことをお聞かせ願えたいのだがよろしいかな?」


 アボスは懐から書類を取り出し、ワウリに手渡した。 


ワウリ 「む・・・これは領主のガルバン・カルツオーネ様からの依頼書か・・・ふむ・・・こちらは町長からの探索許可書・・・了解した・・・」


 ワウリは書類をアボスに返した。


ワウリ 「この場所は冒険者達にも開放しているが、暗証番号は簡単に他人には教えないでいただきたい・・・それとここには一応だが、店もあるし、宿屋もある、更に地下へ潜る為の休憩所だと思ってくれ、もしよければ隊員に案内をさせる事も出来るがどうする?」


アボス 「ご好意はありがたいが・・・以前にもここに来たことがあるので、気持ちだけ受け取っておこう」


ワウリ 「そうか・・・私や隊員達は巡回しているので、何かあれば言ってくれ、それでは」


 そう言うとワウリは歩いて行った。


ジイン 「行っちゃいましたね、入って早々に声をかけられるとは思いませんでした」


フロウ 「まあ、大司教の件で厳しくなっているのだろう」


シャヤ 「・・・それと冒険者が珍しいのもある・・・」


アボス 「そうだな、近くに稼げる狩場があるのに、わざわざ地下陵墓に来れば、盗賊の類いと疑われるのも無理はない、依頼書と探索許可書が有って良かったよ」


ジイン 「まずは宿屋に行って部屋を取りましょう、それから、地下3階を目指しますか」


フロウ 「それはいいが・・・冒険者が来ないこの場所で宿屋を続けられるものかな?」


シャヤ 「・・・心配する所、そこ?・・・」


アボス 「まぁ、守備隊員の宿舎に金を払って泊まるから、宿屋と言う表現はあまり正しくないかもな」


 こうして、宿屋で部屋を2つ取って、4人は万屋よろずやと呼ばれる商店に向かった。


 ~~万屋ロクターン~~

フロウ 「凄い、色んな物が所狭しと置かれている・・・」

シャヤ 「・・・武器、防具に回復薬・・・あ、日用品に食品、お酒迄ある・・・」

ジイン 「守備隊員相手ですから品揃えが豊富ですね、ただ、武具は正直、微妙かな・・・」

アボス 「武具に関しては守備隊員には支給されるからな・・・わざわざ購入する必要がないから仕方がない」

 4人は買い物を終えて宿屋に戻り、身体を休めた。

明日はいよいよ地下3階へ・・・どんな魔物が出るか・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る