第47話 迷宮探索ギルドにて
ベリル 「では、各自、馬車でギルドに向かいます、そこで私や探索者達は降りますが皆様方はレイテ支配人と共に食事に行って頂きます、では支配人どうぞ」
レイテ 「支配人のレイテです、皆様方には牛馬亭併設の食堂「
レイテはそう言うと、深く頭を下げた。
貴族の方々からは、「暖かい食事が出来るだけでもありがたい」「アルコールが無いのは当然でしょう」「助けて貰った上に酒やワインとはとても言えない・・・」と口々にし、むしろ「私達より探索者の皆様は宜しいのですか?」と逆に心配されたりもした。
どうやら捕らわれていた方々は、男爵や子爵といった、下級貴族が多く、一般庶民と感覚が近いのだろう、唯一の上級貴族である伯爵のガルバン・カルツオーネ卿もやはり庶民に寄り添っている御方だ。この町に来られる方々は他の鼻持ちならない貴族とは一線を画しているようだ。
ちなみに貴族には爵位があり下から、騎士爵、男爵、子爵、伯爵、侯爵、公爵となる。ここを治めている領主は辺境伯で爵位でいえば侯爵と同等らしい。
~~迷宮探索ギルド前~~
ベリル 「私達はここで降りますの、レイテ支配人、宜しく頼みますぞ」
レイテ 「了解しました、ギルドマスター、では後程」
ベリル 「さて、みんな御苦労だったな、ささやかだが隣の酒場で食事と酒を用意してある、大いにやってくれ!」
探索者達「おおおっ!!!」
ベリル 「アボス達には話がある、儂の部屋に来てくれ」
アボス 「・・・わかりました」
~~ギルドマスターの部屋~~
アボス 「ギルドマスター、お話とは何でしょう?」
ベリル 「うむ、今回のならず者による誘拐事件だが不可解な点が多くてな・・・まずは経緯を話そう、誘拐されたのは迷宮観光馬車に乗った人達だ」
フロウ 「馬車には護衛が居なかったのですか?」
ベリル 「無論、いるにはいたが全員倒され、休眠状態の迷宮は第1階層はフリーになるのだ、これを悪用された」
アボス 「なるほど・・・普段なら探索者しか入れない迷宮を見れる機会など早々ない・・・」
シャヤ 「・・・でもタイミングが良すぎる・・・」
ジイン 「そうだね、まるで初めから分かっていたみたい・・・!まさか、内通者が?」
フロウ 「確かにあり得る話だが・・・だとすると、探索者にいる可能性が高いと見るが・・・」
アボス 「金に困った探索者が、ならず者達と結託した・・・と云う所ですか、リーダー?」
先程からギルドマスターは苦虫を噛み潰したような顔で俺達の話を黙って聞いていた後、重々しい口調で述べた。
ベリル 「うむ・・・ほぼ、お前達の推察通りだ、捕らえたならず者の中に顔見知りがいたと聞いておる・・・」
フロウ 「なんと・・・なんと浅はかな・・・」
シャヤ 「・・・安直な考え・・・」
アボス 「まさに
ジイン 「不可解な点はまだあります、捕らわれていた人達が毒や呪いに侵されていた事です」
アボス 「なに!呪いだと!ジインそれは本当か?」
ジイン 「はい、比較的弱い毒で解毒をしましたが・・・」
その時、ドアがノックされた。
職員 「失礼します、ギルドマスター、フィアー様がいらっしゃいました」
ベリル 「あぁ、入って貰いなさい」
ガチャリ
フィアー「失礼しますよギルドマスター、おぉジイン殿もおられるな」
ジイン 「フィアー様・・・」
フィアー「ベリル殿から伺っておるよ、呪いの事じゃな?
私から話しても良いかな?」
ジイン 「は、はい、宜しくお願いします」
フィアー「では、先ずガルバン様は
そこまで言うと、フゥと息を吐き、周りが固唾を飲む中でフィアーはゆっくりと話し出した。
フィアー「ミーシャ様の呪いは恐らく
「「「「!!!!!!!!!!!」」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます