第45話 ならず者の末路②

 ???が抜け道から戻る途中・・・

ベリル 「おう、して首尾はどうだった・・・と聞くまでもないか、ご苦労だったな、

アボス 「リーダーの言いつけ通り、に捕らえましたよ」

ベリル 「済まないな、暗殺術を使わせてしまって・・・」

アボス 「お気になさらずに・・・たまには使わないと腕が錆びますので・・・まぁ本来は鋼鎖糸こうさしではなく、刃鋼糸じんこうしでバラバラにしますが」

ベリル 「・・・おい、怖い事をサラッと言うなよ・・・」

アボス 「何を言っているんですか?リーダーの方が怖いですよ、さっきも思い切り手加減していたのでしょう?」

ベリル 「まあな、でないと潰れちまうからな」

アボス 「ほら、どっちが怖いんですか」

ベリル 「まぁ、儂等より、レイテやロンドネ女史の方が余程、恐ろしいわい」

 そう言うとベリルはブルっと身震いした。

アボス 「それほど怒り心頭だったということですか?」

ベリル 「特にロンドネ女史はな、炎で消し炭か、雷で黒焦げにするかの勢いだったわ・・・あのレイテが慌てて、止めておったがな」

アボス 「・・・怖っ・・・」

 だが、気持ちはよくわかる、もし同じ立場になったら叩き斬るか切り刻むだろうな・・・


 そうこうする内に、抜け道を出て広場に辿り着くとフロウとシャヤがこちらに駆け付けてきた。

フロウ 「アボス!無事だったか、良かった・・・」

シャヤ 「・・・アボス・・・今まで、どこに?・・・」

ベリル 「すまん、まだ2人には言ってなかったな、実はアボスには、ならず者の頭領の捕縛を頼んでいたのだ」

フロウ 「そうだったのか・・・」

シャヤ 「・・・後ろにいるのが頭領?」

アボス 「ああ、抜け道を使って逃げている所を捕まえた」

フロウ 「部下が戦っている間に自分だけ逃げるとは・・・下衆ゲスだな・・・」

シャヤ 「・・・ギルドマスター、この人達はどうなるの?・・・」

ベリル 「こやつらか?・・・うーん、人拐いは重罪だからなぁ、良くて奴隷堕ち、最悪は死罪だな」

 アルマ王国では誘拐は放火、殺人の次に重い罪で、

特に貴族の誘拐は厳しく処罰され、男女問わず首謀者は死罪か戦場の最前線に送られ(矢面や捨て駒)、又、関与した者は犯罪奴隷堕ちで重労働に使役される(主に鉱山)


アボス 「フロウ、捕らわれていた方々は無事なのか?」

フロウ 「それなら、奥でジイン達が手当てをしている」

ベリル 「様子を見に行くか、お前達この男を連れていけ」

探索者達「はっ!わかりました!」

 こうして、ならず者の頭領は連れていかれた。

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